昨夜、交通安全のための講習会が、錦学習館で行われた。
先日、免許更新のために、高齢者講習会を受講したばかりである。自ら身を守る為に更なる努力が必要であることを自覚。
担当警察官からハインリッヒの法則が紹介された。
ハインリッヒの法則とは、1つの重大事故の裏には、29の軽微な事故があり、更に300のヒヤリハットの事例が潜むと言う事である。
ハインリッヒの法則は、本来労働災害の発生に関する研究から生まれた法則である。
私がこの法則を知ったのは、「失敗学」の権威・畑村洋太郎氏の著作からである。
その畑村洋一郎氏は、福島第1原発の「事故調査・検証委員会」の委員長に就任している。
失敗学の立場から、今回の事故の原因と実態を究明しようとするものである。
ハインリッヒの法則は、そもそも重大な労働災害の防止のために考え出された法則である。
300のヒヤリハット事例や29の小さな事故を分析し、事故発生のメカニズムを見つけ出すことにある。
立川警察署管内での自転車事故発生数は、警視庁管内でトップであるという。
ハインリッヒの法則で自転車事故を見ていくと、一つの重大事故は言うまでもなく死亡事故であり、29の軽微な事故とは、擦過傷や青あざを作る程度のものである。ともに刑法上の犯罪を構成する。
これに反し、ヒヤリハット事例は法的問題も身体的損害も発生しない。発生事例も格段に多い。
そこで、ヒヤリハット事例を徹底的に科学的に分析すれば、自転車事故の減少を導き出すことができる。
信号のある交差点を青で直進中、信号を無視して現れる自転車。信号のない交差点を直進中、右側を走っていた自転車がいきなり右折。夜、無灯火の自転車が突然目の前に現れる。急坂を猛スピードで走り抜ける自転車。
自転車事故を引き起こす原因は自転車、歩行者、車、道路事態とさまざまである。
立川は自転車事故多発地域であると言われて久しい。
しかし、体系的に分析し、その防止に関する資料にはお目にかかっていない。
警察か立川市で作成しなければいけないのではなかろうか。
話は変わるが、畑村氏が、講談社から現代新書で「未曽有と想定外」と言う本を今年の7月に出した。
オリオン書房のHPで見ると、お取り寄せとなっている。売れているのだろうか。「失敗学のすすめ」等、氏の著作は何冊か読んでいるが、読んでみたい。
朝、風に秋の気配を感じる。
坂道にあるNTTの社屋から枝垂れる萩が咲き始めた。秋の気配。