消費税等の国民負担の増加が議論されるとき、「自らも身を切る」との論調で、議員定数の削減が話題になる。
しかし、これは論理的におかしい。
議員定数は選挙制度の一つの要素である。選挙制度は民主主義の根幹である。
選挙制度は、民意が正確に議会に反映されるものでなければならないのは当然である。その前提に立って財政的考えも含めて、ミニマムな定数を割り出すことが重要である。
従って、現行の選挙制度を徹底的に検証し、新たな選挙制度を確立し、その帰結として議員定数が確定する。単純に数だけを議論することは全く非論理的である。
現行の選挙制度に問題はないのか、そこが議論の出発点である。最初に、議員定数と言う終着点に言及すると言う事は明らかに誤りである。
選挙制度改革は極めて難しい。
言うまでもなく選挙制度は議会の議決により決する。当然、どの政党が与党であっても、自らの立場・議会の最大勢力を維持しやすい制度に固執する。また、野党であっても与党の失政があれば、政権交代の可能性があり、自らの政党にとって有利な制度に固執する。
大政党にとってより有利な選挙制度は、与党野党の差がなくなり、利益を共有する。しかも議会では多数決の論理が支配する。
選挙制度改革は難しくなり、現行制度を大幅に変えることは至難の業となる。
議員定数を削減すると言う事は世論である。私も大いに賛成である。
しかし、単に数合わせであれば、それは単なる人気取りであり、日本の民主主義を停滞させるか迷走させるしかなく、国民にとって不幸な結果となる。
先日、三小の展覧会を見に行った。
大人と違って、子どもたちは素直に物事を見る、技術的に劣っているから、大人から見ると稚拙な表現と思うがそれは違う。子供たちは見たまま、感じたままを表現しているのだと思う。
だから感動する。