オストメイトで山賊と海賊・・・銀座のコテコテ周旋屋のよもやま話

去年は100の山を愛し、今年は108の山に恋をする。
夏は太平洋の大波で泳ぎ続け、日本の自然を愛して66年。

ほら貝を吹く山に、人間はいない

2022-10-10 10:50:57 | 地球と生きる

 

 朝はだいたい目覚ましなど必要なく、4~5時頃には自然に目が覚める。

 それから熱いコーヒーを飲み、バイクに乗って店に出るが、これは雨が降っても雪が降っても、カッパを着込んで長靴履いての普通のことで、夜もバイクで移動している。

 先週後半は雨が続き、冷え込んでいたから、素手でバイクに乗っていると、手がかじかんでいた。

 そろそろ冬の出で立ちにした方が良さそうだ。

 

 雲の中の山を歩いて来た。

 いつものように1500mチョイの山だったが、眺望は少しだけ、たまに山に覆いかぶさって来る冷えた雲の中を歩き、風よけになる適当な岩場で熱いコーヒーを飲み、中本の旨辛飯を喰い、辛さで腹が温まり、風が北風に変わったので、下山にかかった。

 深い笹の中を道を探しながら歩いた。

 小さな携帯ほら貝を吹きながら、遊んで歩いていた。

 山伏がほら貝を吹いて山を歩いていた意味は、そういうことで、熊よけの鈴なんかよりも、はるかに山に響く。

 鹿のぴ~ぴ~も止んでしまってた。

 どこの山にいても、獣たちも、よ~く理解している・・・あの、変なオヤジがやってきてる・・・と。

 これからの季節は、熊公も木の上にいたりするから、かくれんぼし合っているようで、オモシロイ。

 ・・・おどかすなよ!・・・

 ・・・おめ~こそ、早く気がつけよ!・・・

 こんな道の見えなくなってる山には、だいたい人間はいない。

 整備するのは多くの人が集まる人気の100名山ゴッコの汚い山々。

 自意識過剰で、見られたい、褒めてもらいたい、欲ボケ人間が集う山と決まっている。

 ロクな山は無い。

 その頂点にあるのが富士山だろう。

 ゴミを拾いましょう? 大勢の人がいる場所ばかりで、人海戦術でゴミを拾って善人を気取っていたって、人の近づかない山にはダンプで産廃ゴミを捨て放題。

 追いつかないだろう。

 ポツンと道端に停めておいた車に戻ると、小粒の雨が降って来た。

 神々は、お天道様と交信できるから、いつもこんな感じ。

 しっかりした雨具やツエルトも担いではいるが、使うことが滅多にない。

 

 濡れた木の根や、深い熊笹で見えなくなってる道を感覚だけで歩く。

 踏み外すと、奈落の底。

 岩場でも、危険な場所や事故のあった場所にはちぎれそうなロープや、さび付いておっかない鎖があったりするが、いつの時代のモノか定かではないので、決して頼りにはしないし触れない。

 人間が地球上で一番に間抜けな生き物になっているから、アテにはしない。

 人気の山では無い山では、これは常識だろう。

 死んでまうで。

 

 自然栽培、無農薬、添加物無し、ミネラルウオーター・・・いろいろあるが、引き籠って、無菌室で生きて行くことを選んだ人間が、それは言うことであって、地球上で生きる人間には、その場で自分で、自分の感性で判断できないようじゃ~、生きてること自体が貴方任せの他人事。

 商品の表示を素直に鵜呑みにしているレベルの自然食人間には、山や海での遊びなんて、出来る訳がない。

 最初から土地を耕して、自分で喰いモノを育て、収穫して暮らす、これが出来もしない癖に、ゼニカネ出して高いモノを買って喜んで騙されてる猿ばかりが、ぎゃ~ぎゃ~健康について喧しい。

 対応する、順応する、免疫を作り抗体を持つ、これを進化とは言うが、安全に籠って停滞して、オツムだけ使って能書きを主張して、喰う前にまず消耗するように身体を鍛え動かすこともせず、挙句に体力・精力がどんどん弱体化して行ってる現代人は、淘汰される側で生きている。

 

 3連休の最終日は、お仕事をすることにしている。

 40年前に日本に帰化した台湾人夫婦が、やってくる。

 37になる一人娘が精神障害で家庭内暴力をふるい、70の母親がシェルターに避難していて、退所と同時に離婚して、生活保護を受けて独り暮らしを始めたいと、そういう大雑把な相談。

 区や公共施設が休みなので、明日からそれぞれの面識のある担当に掛け合ってみるが、どうなることやら。

 トイレも共同、風呂無しの築60年を超えるボロアパートでも、入居したいとの話。

 社会の底辺の話でも、嘘や作り話は多いから、いつものように面談してからどうするか考える。

 いまある現行の法律の中で、出来ることをする。

 こういうことばかりやっている不動産屋のことを、周旋屋と呼ぶ。

 貯えも無く、その日暮らし、俺は稼いでる額は違えども、好きでその日暮らしを謳歌しているが、嫌でもその日暮らしを続けている人たちは多い。

 おかしなもんだぜ。

 若いころから、自分の人生をどう生きるか? 七転八倒する時間があったかなかったかで、こうも違う老い先となる。

 帰って行く老夫婦の背中に、山で吹くほら貝を吹いてやりたくなった。

 



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