テレビ・NEWS23
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http://www.47news.jp/47topics/e/261465.phpより転載
【戦後70年談話で首相】「侵略」継承に否定的 日中戦争の評価焦点に
安倍晋三首相が今夏に発表予定の戦後70年談話で、1995年の村山富市首相談話が明記した「侵略」表現を継承することに否定的な考えを示唆している。
東京裁判がもたらした「日本は侵略国だった」とする歴史観に縛られたままでは、国家の誇りを取り戻せないとの思いが背景にあるとみられる。自らの「信念」(周辺)を貫く場合、避けて通れないのは日中戦争への評価だ。「侵略」だったのか、否か。内外に向けて説得力のある説明ができるかが焦点になりそうだ。
▽観測
「日本は先の大戦の深い反省とともにひたすらに自由で民主的な国家をつくり上げ、アジアや世界の友人たちの平和と発展のためにできる限り貢献してきた。平和国家としての歩みは決して変わらない」。安倍首相は27日の衆院本会議代表質問への答弁で、自らの歴史認識をこう強調した。
5日の年頭記者会見でも「反省」「平和国家」に触れており、一連の発言が談話の土台になるとの観測が強まっている。
70年談話への注目を集めるきっかけとなったのは、25日のNHK番組での発言だ。村山談話の「侵略」「植民地支配」などの文言を引き継ぐかとの問いに「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍政権としてどう考えているのかという観点で出したい」と述べた。間もなく与野党内に「新談話に村山談話のキーワードは入らない」(民主党幹部)との 受け止めが広がった。
▽信念
政治問題化を懸念する首相周辺は「首相は何度も『反省』に言及し、平和維持への決意を表明している。これだけ立場を明らかにしているのだから『談話に侵略が入らない』といった批判は、重箱の隅をつつくような話だ」と予防線を張る。
ただ首相にとって談話に「侵略」を明記するかどうかが、思想信条に関わる重い問題であるのは間違いない。首相は2013年3月の衆院予算委員会で、A級戦犯の戦争犯罪を認定した東京裁判について「連合国が勝者の判断によって(被告を)断罪した」と明言した。最近は抑制的な発言が目立つものの、政府内では「首相の信念に揺らぎはない」(官邸筋)との見方が根強い。
▽矛先
談話に「侵略」を盛り込まないのであれば、旧日本軍が1931年に起こした満州事変と37年に始まった日中戦争をどう説明するかが、今後の対中関係の鍵を握ることになる。中国はいずれも「日本軍国主義による侵略行為」と断じており、これを否定するような言動が日本側で出るたびに非難の矛先を向けてきた。
菅義偉官房長官は27日の記者会見で「個別のこと(歴史評価)はあくまでも歴史家に任せるべきで、政府としてコメントすることは控えたい」と明言を避けた。詳しい説明は談話発表後に持ち越す構えだ。
一方の中国は、外務省の華春瑩副報道局長が26日の記者会見で「侵略の歴史を否定するのか、それとも心から深く反省するのか国際社会は注目している」と首相をけん制した。展開次第では、激しい論争に発展することも予想される。