新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

カワウ 生殖羽に換羽中

2016-02-14 09:37:37 | ウ科
 カワウ 学名・Phalacrocorax carbo 英名・Great Cormorant

 小さな川の河口で,カワウが潜水を繰り返していました.頭から後頚にかけて白髪のような羽毛が生え,生殖羽に換羽中でした.

 生殖羽? 夏羽じゃないのと,お思いでしょうか? 生殖羽とは,夏羽と同じ意味で,繁殖に関係のある羽色をいうそうです.夏羽になるのは必ずしも夏ではなく,カモ類,ウ類,ウミスズメ類やコサギなどは,換羽が早く,1月から2月の冬期に夏羽になっていることがあります.そこで,図鑑などによっては,早くから夏羽に変わる種について生殖羽の用語を用いているようです.繁殖羽も同じ意味です.

 夏羽になる方法は,換羽だけではありません.ノビタキやアトリ,オオジュリンなどは換羽をせず,羽毛の先端が磨耗することによって夏羽の羽色になります.

カワウ 生殖羽に換羽中
撮影日時 2016.02.05 撮影場所 新潟県新潟市 


カワウ 生殖羽に換羽中
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


カワウ 生殖羽に換羽中
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


カワウ 生殖羽に換羽中
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


カワウ 生殖羽に換羽中
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市

ミユビシギ 淡雪のような冬羽

2016-02-13 11:18:14 | シギ科
 ミユビシギ 学名・Calidris alba 英名・Sanderling

 冬の日本海.白波が打ち寄せる砂浜には人影もない.渚を走り,餌を漁るミユビシギの群れ.ミユビシギの冬羽は,まるで淡雪のよう!

ミユビシギ 冬羽
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ミユビシギ 冬羽
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ミユビシギ 冬羽
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ミユビシギ 冬羽
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ミユビシギ 冬羽
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ミユビシギ 冬羽
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市



ヒヨドリ 雪の上でキャベツを喰らう

2016-02-08 08:22:06 | ヒヨドリ科
 ヒヨドリ 学名・Hypsipetes amaurotis 英名・Brown-eared Bulbul

 雪に埋もれた畑に,取り残されたキャベツが転がっていました.その周りを10数羽のヒヨドリが飛び回っています.夢中でキャベツに喰らいついています.軟らかくて美味しいキャベツを取り合って争いもおきます.ほとんどのヒヨドリの口の周りが黄色いのは,どこかでツバキかサザンカの蜜でも吸ってきたからでしょう.

 そういえば今朝,家の軒下にぶら下げられた鷹の爪(トウガラシ)の束にヒヨドリがとまり,啄ばんでいるのを見ました.辛くないのかと,驚いてしまいました.降り積もった雪は,野鳥たちの命の糧を覆い尽くしてしまいます.ヒヨドリたちにとって,普段は口にしないものでも食べざるを得ないのでしょうか?

ヒヨドリ
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ヒヨドリ
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ヒヨドリ
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ヒヨドリ
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ヒヨドリ
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市


ヒヨドリ
撮影日時 2016.02.07 撮影場所 新潟県新潟市

ウミアイサ 雌・飛翔

2016-02-07 08:10:45 | カモ科
 ウミアイサ 学名・Mergus serrator 英名・Red-breasted Merganser

 小さな漁港にウミアイサの雌が1羽,ひっそりと浮かんでいました.しばらく観察を続けましたが,なかなか近寄ってきてくれません.と,突然に飛び立ちました.港の外に出るのかと見ていると,どんどん僕のほうに向かってきます.そして,目の前で数回ほど旋回を繰り返した後,元いた場所に戻っていってしまいました.まるで,褐色の弾丸のようでした.

ウミアイサ 雌
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市


ウミアイサ 雌
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市


ウミアイサ 雌
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市


ウミアイサ 雌
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市

オオセグロカモメ 第1回冬羽

2016-02-06 10:00:30 | カモメ科
 オオセグロカモメ 学名・Larus schistisagus 英名・Slaty-backed Gull

 川面に浮かぶカモメの仲間.大きさからオオセグロカモメかセグロカモメと思われますが,即断できません.

 嘴が全体的に黒いので,第1回冬羽のようです.初列風切は,色が薄めで,羽先縁の淡色部が目立ちます.セグロカモメは,この部分の色が濃く,淡色部が目立たないそうです.オオセグロカモメのようですが,ここで識別の手を緩めてはいけません.

 肩羽を見てみましょう.羽軸に沿って褐色の細い線模様が見えます.セグロカモメの肩羽は,錨模様だそうですから,さらにオオセグロカモメに近づきました.

 次に,飛翔の上面を見てみましょう.全体的に淡色に見えます.尾羽先端の褐色の帯は色が薄く幅が広く見えます.セグロカモメの尾羽先端の帯は,色が濃く,幅が狭いそうです.これで,オオセグロカモメの第1回冬羽と識別してよさそうです.

 港などにカモメ類の姿が増えてきました.新潟では,カモメの季節を迎えています.今年は,どのような出逢いがあるでしょうか? 期待を込めて,識別についてのおさらいをしてみました.顔つきや体つきは,文章にしにくいのですが,図鑑などを見て頭に叩き込みます.「アレッ,このカモメ,少し変だよ」と直感できたら,女神が微笑んでくれるかも知れません.

 ここで使用した画像は,すべて同一個体です.

オオセグロカモメ 第1回冬羽
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市


オオセグロカモメ 第1回冬羽
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市


オオセグロカモメ 第1回冬羽
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市


オオセグロカモメ 第1回冬羽
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市

アメリカヒドリとそのさまざまな交雑個体

2016-02-05 09:13:01 | カモ科
 アメリカヒドリ 学名 Anas americana 英名 American Wigeon 
 アメリカヒドリ×ヒドリガモ 学名 Anas americana×Anas penelope 英名 American Wigeon×Eurasian Wigeon

 アメリカヒドリは,数の少ない冬鳥です.新潟県では,ハクチョウ類の渡来地として有名な阿賀野市の瓢湖に毎年数羽が渡来,越冬しているようです.

 瓢湖では,ヒドリガモとの交雑個体も観察され,その数は純粋のアメリカヒドリよりも多いようです.交雑個体の雄は,羽色がさまざまで,「顔の茶褐色味が強くて緑色部が少ない.額はクリーム色味が強い.胸や脇のブドウ色味が少なく,肩羽には灰色味が強い個体が多い」(決定版日本の野鳥650 2014 平凡社を引用)ということです.

 過去に観察・撮影したアメリカヒドリの雄と,ヒドリガモとの交雑個体と見られる雄の画像を紹介します.

 はじめに,アメリカヒドリの雄です.この個体は,顔に黒い小斑が密に散らばっています.目の周囲から後頚に緑色光沢が強い幅広の帯があります.額から頭頂部は,わずかに黄色味をおびた白色をしています.嘴の付け根に明瞭な黒線が見られます.胸と脇腹は,ブドウ色をしています.脇羽と下雨覆は白く,ヒドリガモの特徴である灰色が見られません.

アメリカヒドリ 雄
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ 雄
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ 雄
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ 雄
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ 雄
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ 雄
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ 雄
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


 次に,アメリカヒドリ×ヒドリガモと見られる個体です.さまざまな羽色の個体を紹介します.

 アメリカヒドリ×ヒドリガモ A
 この交雑個体は,左目に障害があり,環境省の標識足環が付けられています.まだ完全な夏羽にはなっていないようです.脇羽の付け根付近に薄い灰色の横斑が見られます.

アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


 アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄 B
 この個体は,目の後の緑色光沢の帯の部分が色が薄くて小さく,額から頭頂部の黄色味が強く見えます.脇羽は白く見えますが,顔の小黒点はまばらで少ないです.

アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


 アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄 C
 この個体は,今回紹介した交雑個体の中では一番アメリカヒドリに近く見えますが,顔から頭部に茶褐色味が強く,目の後の帯の緑色光沢が弱いです.純粋なアメリカヒドリを見ていないと紛らわしく感じることがあるかもしれません.

アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄
撮影日時2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖

 
 アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄 D
 交雑個体の飛翔です.後ろは,ヒドリガモの雌です.雄は,目から後方の帯の緑色光沢が弱いです.顔の小黒点がまばらです.雌は,脇羽が灰色でヒドリガモの特徴が出ています.アメリカヒドリの雌は,脇羽が白色だそうです.

アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄. 後方はヒドリガモ 雌.
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市・福島潟


アメリカヒドリ×ヒドリガモ 雄. 後方はヒドリガモ 雌.
撮影日時 2016.02.04 撮影場所 新潟県新潟市・福島潟





頭を掻く野鳥たち タシギ・オナガガモ・ダイサギ・キンクロハジロ・アメリカヒドリ・シノリガモ

2016-02-04 06:45:14 | 頭掻き
 頭を掻く野鳥たちを紹介するシリーズの第7回目です.

 今回は,チドリ目シギ科のタシギ,カモ目カモ科のオナガガモ,キンクロハジロ,アメリカヒドリ,シノリガモとペリカン目サギ科のダイサギです.これらの野鳥たちは,全てが直接的に足を伸ばして頭を掻く「直接頭掻き」をしています.

 この「頭を掻く野鳥たち」のシリーズをご覧の方は,すでにご承知と思いますが,鳥の頭掻きには二つの方法があります.直接的に足で頭を掻く「直接頭掻き」と翼越しに足を伸ばして頭を掻く「間接頭掻き」です.

 頭を掻く方法は,属する目や科によってほとんど決まっているといわれています.キジ目,カモ目,ペリカン目,ツル目などでは,その目に属する全ての鳥たちが「直接頭掻き」をするのです.では,タシギの属するチドリ目ではどうでしょうか? チドリ目のチドリ科(タゲリ,コチドリなど)やセイタカシギ科(セイタカシギ,ソリハシセイタカシギなど)は,「間接頭掻き」をし,シギ科(タシギ,トウネンなど)は「直接頭掻き」をします,チドリ目では,科ごとに分かれているのです.

タシギ 学名 Gallinago gallinago 英名 Common snicp
撮影日時 2010.01.16 撮影場所 新潟県新潟市


オナガガモ 雌 学名 Anas acuta 英名 Northern Pintail
撮影日時 2010.02.25 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟


ダイサギ 学名 Ardea alba 英名 Great Egret
撮影日時 2010.02.25 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟


ダイサギ 学名 Ardea alba 英名 Great Egret
撮影日時 2010.02.25 撮影場所 新潟県新潟市・佐潟


キンクロハジロ 雄 学名 Aythya fuligula 英名 Tufted Duck
撮影日時 2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


キンクロハジロ 雄 学名 Aythya fuligula 英名 Tufted Duck
撮影日時 2010.03.08 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


アメリカヒドリ 雄 学名 Anas americana 英名 American Wigeon
撮影日時 2010.03.12 撮影場所 新潟県阿賀野市・瓢湖


シノリガモ 雄 学名 Histrionicus histrionicus 英名 Harlequin Duck
撮影日時 2010.03.19 撮影場所 新潟県村上市