私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

失楽園 17~26行目

2019-10-24 13:33:39 | ミルトン〔失楽園〕
Pradise lost:Book I

17 And chiefly thou O Spirit, that dost prefer
18 Before all temples th’ upright heart and pure,
19 Instruct me, for thou know’st; thou from the first
20 Wast present, and with mighty wings outsoread
21 Dove-like sat’st brooding on the vast abyss
22 And mad’st in pregnant: what in me is dark
23 Illumine, what is low raise and support;
24 2That to the heighth of this great argument
25 I may assert Eternal Providence,
26 And justify the way of God to men.

17 そして何より汝ああ魂〔タマ〕の息吹よ いかなる
18 聖堂よりも 歪みなき心と真澄〔マスミ〕を好むものよ
19 導いてくれ 汝の識るものへと 始原から
20 在りつづけ 力ある翼を鳩の如く
21 ひろげて 悩みつつ虚ろな淵に坐しながら
22 孕ませるものよ 吾が内なる闇の
23 光よ 低きを掲げ支えるものよ
24 この大いなる主題の高みのために
25 吾は非時〔トキジク〕の摂理を諾い
26 人の子への神の御業を肯ずるだろう



*正直難航しております。しかし、22行目からの「吾が内なる闇の光」には心ときめきました。
この時点ですでに失明し、おそらくは生涯をささげたのだろう共和制の崩壊後も生き続けなければならなかった詩人が「神の摂理」を受容するには、このParadise Lostを書くためにこそ自分は存在していたのだ……と天啓的な何かを感じる必要があったのかもしれません。



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