少女カリスの講演
ビデオのおまかせ録画に「政経マネジメント塾」( 2025/01/15 CS329)が録画されていました。講義は「インドの古代哲学と仏教思想の現代的意義を考える」、講師は丸井 浩東京大学名誉教授です。先生は長年にわたりインド哲学の研究を続けその貢献に対しインド政府から優秀インド哲学研究者の称号を授与されています。
今回は「ダルマ思想とサステナビリティ」についてです。
講義の内容はさておき、
1992年リオデジャネイロで開催された環境サミットに際し、子どもの環境団体の代表として参加した12歳の少女カリスは子どもの視点からの環境問題について講演を行い、満場の拍手喝采を博しました。
丸井先生はサステナビリティに関連したSDGsの話の中で少女カリスの講演を紹介されました。
講義の中から引用しました。
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私がここに立って話をしているのは、未来に生きる子どもたちのためです。世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。
オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか。
絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか。
そして、今や砂漠となってしまった場所に、どうやって緑の森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
どうやって直すのかわからないものをこわしつづけるのはもうやめてください。
もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えば、この地球はすばらしい星になるでしょう。
私はまだ子供だけど、そのことを知っています。
学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたたち大人は私たち子どもに世の中でどうふるまうかを教えてくれます。
たとえば、
争いをしないこと 話し合いで解決すること 他人を尊重すること ちらかしたら自分で片づけること ほかの生き物をむやみに傷つけないこと わかちあうこと そして欲ばらないこと
ならばなぜ、あなたたちは、私たちにするなということをしているんですか。みなさんはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。
父はいつも私に不言実行、つまり、なにをいうかではなく、なにをするかでその人の値うちが決まる、といいます。
しかし、あなたたち大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。
あなたたちはいつも私たちを愛しているといいます。
しかし、いわせてください。もしそのことばがほんとうなら、どうか、ほんとうだということを行動で示してください。
『あなたが世界を変える日』12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ 発行:学陽書房