素直な心になりましょう
昨年の暮れ、机を整理していて見つけました。
40年ほど前に松下電器産業冷凍機製造部門の部長さんの話を聞く機会があり、そのときもらった松下幸之助のことばです。
元は確かA4版の紙に印刷されていたものですが、これを縮小して手帳に貼りつけていました。毎年手帳が変わる都度コピーを繰り返していましたので、ちょっと不鮮明になってしまいました。懐かしかったので打ち直しました。
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素直な心になりましょう
素直な心はあなたを強く正しく聡明にいたします。お互いが素直な心で人生を歩み、日日の活動を営んでいくところから、万物の王者としての偉大な人間の本質もあらわれ、共同生活の向上、一人ひとりのよりゆたかな幸せももたらせてくると思います。
素直な心とは、なにものにもとらわれることなく、物事の真実を見る心です。私心、私利私欲にもとらわれず、物事のありのままを見、物事の実相を明らかに見る心です。そして、広い寛容の心、他に耳を傾ける態度にも通じる心です。
お互いがこの素直な心になれば、物事の実相に従って、何が正しいか、何をなすべきかということを正しく把握することもできるようになると思います。したがって、いっさいの物事がスムーズに運び、つねに和やかな明るい姿を保ちつつ、日に新たな好ましい成果を生み出すといった姿ももたらされてくるでしょう。
もしも素直な心がなかったならば、それぞれがとらわれの心をもつために衆知も集まりにくいと思います。また感情や私心にとらわれて独善に陥りがちとなって、そこにさまざまのムダや非能率、争いの姿を生じさせることにもなりましょう。そこには物事の進歩向上をもみられませんし、お互い一人ひとりの幸せを損なうことにもなりかねません。
ですからお互いにこの素直な心を養い高めてゆくことがきわめて大切です。そのためには、まずこの素直な心になることをつよく願うとともに、素直な心になるためのあらゆる工夫、実践を心がけ行なってゆくことが肝要だと思います。
お互いに素直な心になりましょう。素直な心はあなたを強く正しく聡明にし、よき社会をもたらし、一人ひとりの幸せを歩み高めてゆくでありましょう。
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松下電器では朝礼の際に全員で唱和していたそうです。
【参考】