くまきち日記

名古屋に住んでいる、くまきちのたわごと。

ミュージカル『笑う男』 舞台の6つの秘密とは?

2018-08-20 18:20:12 | パク・ヒョシン
































『笑う男』舞台の6つの秘密・・・観客の視線を引きつける舞台の力


下半期の期待作に挙げられて開幕前から期待を一身に受けたミュージカル『笑う男』が先月10日に開幕して巡航中だ。この作品でパク・ヒョシン、スホ、パク・ガンヒョン、
ヤン・ジュンモ、チョン・ソンファら俳優たちの熱演と共に 何より最も注目されているのは華麗な見どころの圧倒的な舞台だ。

公演会場に入るとすでに舞台は観客の視線を引きつける。カーテンで遮られた舞台は圧倒的なオープニングの台風シーンで始まり 幻想的な天の川の舞台で幕を下ろす。
制作費が惜しみなく投入されたことが如実に感じられる部分だ。だが舞台が単に華麗さで終わるのではなく 主人公の置かれた状況と物語をよく伝えるための道具としての機能を完璧に遂行する。
このように観客の視線を引きつける舞台を作ったオ・ピリョン舞台デザイナーに 『笑う男』の制作過程と舞台に対する気になる点について訊いてみた。


1.グウィンプレンの顔を連想させる裂けた舞台

#公演会場に入った瞬間から舞台に対する期待感↑

ミュージカル『笑う男』は身分差別がひどかった17世紀イギリスを背景に 口が耳まで裂けてむごい顔をした主人公グウィンプレンの旅程について始まる。
観客は会場に入ると避けた舞台を見る。それはグウィンプレンの顔を連想させる巨大な唇と傷だ。オ・ピリョン舞台デザイナーがこの作品をスタートして デザインに最も多くのインスピレーションを受けた
‘傷’というキーワードを観客と共有したかったという。

グウィンプレンの唇の形は舞台のカーテンから、グウィンプレンがジョシアナと会う天幕場面の椅子など多様な場面で確認でき、登場人物の傷が最も大きく存在する場所で 
その存在感がいっそう表れるように構成した。1幕後半 グウィンプレンが涙の城に引きずられて行く場面や、2幕でグウィンプレンが‘笑う男’のナンバーを歌う時がまさにその瞬間だ。

彼は「貧しい者は自分が持つ傷を表し これを互いにあたたかく抱くが、貴族は傷が表に出るのを恐れて派手な装飾と誇張された化粧で これを徹底して覆う。この概念から舞台デザインが始まった」と説明した。


2.本物の海のようにうねる波はどうやって?

#コンプラチコスの船はどうやって巨大な波に飲まれて沈没したのか?

本格的に公演の幕が上がると、幼いグウィンプレンを港に捨てていったコンプラチコスの船が出航して海の上を漂流する。観客が舞台のスケールに圧倒されるこの場面では 本当の海のように波がうねる。

コンプラチコスの船がどうやって巨大な波に飲まれて沈没したのか? オ・ピリョン舞台デザイナーは「台本に船について3つの説明があった。コンプラチコスが子供をおいて船に乗る場面、
船が波風をかき分けて前進していく姿、難破した船の上でコンプラチコスが最後の祈りを捧げる場面についてだ」とし 彼はこれをひとつの過程でどうやって構成するのかを一番最初に悩んだという。

彼はこの場面について「4つのレイヤーに分けられた生地を左右と前後に揺らして それ自体をひとつのシークエンスで作って表現した。舞台を見れば一番後方に傷で作られた円型のセットが
カメラのアイリスのように狭まりながら広がって 視覚を広げて狭める役割をする」とデザイン意図を説明した。


3.グウィンプレンが歩いてきた傷の道

#捨てられた幼いグウィンプレンが吹雪の中でデアに会う場面

この場面は先の難破の場面とずいぶん違うように静かで平和な状態だ。前の場面と完全に対比される情緒を表現しようと舞台デザインもこれを助ける方法に悩んだ。

特に傷の形をした壁が動いて空間移動するのは その子供が歩いてきた傷の道を表現するためだった。グウィンプレンが一人で茨の道をさまようこの場面は 茨の道が丸く幾重にも下がって
グウィンプレンの苛酷な現実を象徴的に見せる。


4.水をはねて歌うウォーターダンス・・・水はどこから?

#デアが驚いた心を落ち着かせる川べりの洗濯場、ウォーターダンス場面

デアは生まれつき目が見えない人物で グウィンプレンが描く世界を生きていく。デアはデイビッド卿の意地悪ないたずらに驚いて心を落ち着かせるため川べりに行く。
彼女はここで流浪劇団のメンバーと 美しい旋律とあたたかな情緒が加わった歌を歌って直接水をはねながら踊る。

この場面は先にオ・ピリョン舞台デザイナーが説明した 貧しい者が傷を互いにあたたかく抱く代表的な場面だ。オ デザイナーに「舞台で水をなぜ使おうとし、どんな原理で舞台に水が入るのか」と問うと、
彼は「まわりの人がデアの傷をかばって作られた肯定的で生命力あふれるエネルギーが彼女の助けになるようで、水を使ってみるとすぐヨハンソン演出家に提案した」と伝えた。

実際に水が入ってきて出ていく原理は舞台の床にある水のタンクを利用する。このタンクに実際に水をたくわえ、毎日新しい水を満たす。床を覆ったフタが袖(舞台の両端の待機空間)に押し出されると、
アンサンブルとデアがその上で踊るのだ。


5.原色で強烈な金持ちの世界

#徹底して隠された金持ちの傷

舞台は傷でいっぱいだが、貧しい者の傷は外的に表現されるが 金持ちの傷は徹底して隠される。このため金持ちの世界である庭園、寝室、議事堂は原色で強烈な色彩と 華やかな装飾で作られた壁が
傷を徹底的に隠している。

高級な舞台衣装と共に色とりどりの色感のガーデンパーティー、ジョシアナがグウィンプレンを誘惑する巨大な天幕と寝室。出生の秘密が明らかになった後 グウィンプレンが寝起きした寝室は
何十メートルは優にあるような長さのカーテンで華麗さを誇り、女王が主催する上院議会で貴族たちが座った赤い議事堂も感覚的で印象的だ。


6.この場面のために公演会場を押さえた?

#2幕のフィナーレ、幻想的な舞台芸術

デアという名前はグウィンプレンが彼女に初めて会った時に名付けたもので‘星’という意味を含んでいる。互いだけがすべてだった二人は 自分たちだけの天国、‘星’がある空に向かう。
公演の最後は天の川が降り注ぐ映画の中の一場面のように表現された。このフィナーレの場面でグウィンプレンがデアを抱いて前に進むが、この時 銀幕に映る映像、波のように表現された小道具と照明、
特殊効果などの助けを受けて幻想的な舞台を完成する。

制作会社ではこの場面を具現するため「ハナム芸術会館を2018年3月と6月に2回にわたって押さえ、実際の舞台で様々なテストをして完成したものを そのまま芸術の殿堂オペラ劇場に
持ってきて実現した」と明かした。
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