暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

彩り

2020年07月21日 | 古民家

 木造校舎を覚えている・・・。

子供の頃とは違い・・・案外小さいのだと気付き、メシメシと歩く廊下の音も、床板の反り具合も・・・

体では覚えているのに・・・居心地はとてもよろしいのに・・・かゆいところに手が届かない・・・

自分の背丈も・・・そのころ兼ね備えていた知識も・・・大きくなって・・・

雑念だらけの頭で感じる校舎の記憶は・・・すっかり大人の感覚で味わうしかなくなってしまった・・・。

県内に1カ所も木造校舎が無い場所も増えて・・・何かしらの事情の不審火で失われる木造の建物も多くて・・・

木造とは思えない、燃えない木造の建物が造られているのを見ると・・・

多くの工夫で、捨てられそうだった素材がいろんな場面で取り上げられても・・・

なぜだか、あまり楽しくないような気がしてしまい・・・

呼吸して・・・温かみのある木材が、生き生きと暮らしを守る姿は想像できなくなっています・・・。

寝静まる部屋に・・・パチン・トカン、と鳴り響く音は・・・木が歌う声・・・

自然に乾燥され・・・少しずつ馴染んでいく木材は、楽しげに歌い出します・・・。

割れた木材の柱はみすぼらしい・・・危ない・・・不良品だと言われる事もありますが・・・

生きていれば・・・時間と共に姿を変えるのは人も同じです・・・。

時間の変化を楽しみ・・・味わい深い暮らしの彩りになるのが、自然の良さだと思います。

 

 

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流される

2020年07月20日 | 古民家

 ジャラジャラと流れるような音が響き渡り・・・

何事かと部屋をのぞけば・・・狭い部屋を占領するかのように横たわる得体のしれない物体に向き合う母親は・・・

絡み合う糸を気にしながら・・・一心不乱に腕を右往左往させている・・・

それが奇妙な編み機で、何を内職していたのか・・・家族の誰かが着る洋服を編んでいたのか・・・?

今では見る影も無く・・・田舎に帰った時、その存在を確認する事も無く・・・

時代に流された記憶になってしまいました・・・。

手編みや手仕事・・・ある程度のモノなら自分で造ってしまう人達・・・

今思えばとても器用な人が多かったのだろう・・・それとも好奇心旺盛だったのか・・・?

たぶん、物が乏しい時代・・・遊びも仕事も、まず道具をこさえなければならなかった・・・

そんな事情があったのだと思う・・・。

左官屋さんに大工さん、そのほかの職人さんも・・・いろんな仕事に遭遇して・・・

どうにかして仕上がり良く・・・ついでに効率よく作業をしようと考えれば・・・

そのやり方に合った道具を自分で造るか・・・?専門の業者さんに、こんなカタチの道具は作れないかな・・・?

鑿や鏝の種類と言ったら・・・収集家さんが喜びそうなくらい種類があるもので・・・

彫刻や鏝絵の世界をのぞけば・・・もっと深く、溺れるほどの世界に踏み込んでしまいそうです・・・。

創意・工夫が始まって・・・疑問が生まれれば、多くの知識を蓄えて行きます・・・。

手を広げれば・・・ダブンとまとわり付くほどの情報が押し寄せる社会に・・・・

何故と疑問を持つ前に・・・目移りするほど多くの答えが入ってくれば・・・

考える暇も時間も持てなく・・・整理整頓が追いつかないのだと思う・・・。

遠くは見えても・・・近くが見えていない・・・

ブルブルとはしゃぎまわっている景色が多すぎれば・・・流され・・・

余裕はなくなり・・・どんなものにもやさしく出来なくなるような気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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恩恵

2020年07月19日 | 古民家

 ぬるりと揺らめくアスファルトの先には・・・クラクラと景色が歪んで・・・

夏らしい景色を一層盛り上げてくれているようで・・・

トロリと流れる汗を、ものともしな子供達が向かう先は・・・

鏡に映る空の色のように・・・リンと光る水面・・・

ダムが出来て・・・人が入らなかった場所にまで住まいが出来て・・・

自然の浄化作用が手に負えない所まで環境が変化してしまえば・・・

光り輝く川の姿は消えてしまい・・・たくさんの生き物達の姿も・・・

薄く・・・とても見えづらくなってしまいました・・・。

人が暮らしの中で受ける自然の恩恵は・・・山や森、川に湖・・・太陽の日差しに雨・・・

海のある場所では・・・さらに大きな感謝を受けながら暮らして来ました・・・。

空に向かって唾を吐けば・・・それは自分に帰って来ます・・・。

誰もが気付かないほど・・・思ったよりも影響のない暮らしに変化はすくなく・・・

何か違うと思い始めた時は・・・とても大きな変化が襲って来ます・・・。

風を感じる暮らしから・・・

地域に息づく自然を拒絶するような、暮らしを選んでしまった住まい造り・・・

大きな変化を感じずにはいられない時こそ・・・・

大きな変化を起こさなければいけない・・・そんな気がします。

 

 

 

 

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地方

2020年07月18日 | 古民家

 生まれた場所を離れず・・・一生を同じ場所で過ごす・・・

家を守り家族を守り・・・地域と共に時代を繋いで自分の居場所を造って・・・

生まれる場所や親を選べない・・・そんな考え方持つことが無意味だとは思っても・・・

それが、日本に限らず・・・紛争のある場所や、森の中で狩りをする場所・・・

芸能人の子供や国王の王子として生まれたり・・・夢物語を語ってしまうのは・・・

どんな境遇にいても、かなわないあこがれのように・・・

頭の中に生まれてしまうのもなのかもしれません・・・。

貧困の中でホトホト歩く時代に・・・

努力と出会いなどで、先生と言われる地位を手に入れた人がいます・・・。

農家の子は農家・・・商人の子は商人になる道しかなった社会とは違い・・・

どんな者にでもなれる可能性がある今でも・・・地方の暮らしが高いハードルになっているのは・・・

今も昔も変りなく・・・多くの情報が集まる場所に身を置きたくなるのは・・・

そんな社会の変化が原因の一つだったとも言えそうです。(あくまでも個人的な見解です。)

古民家の残る町並みが、地方に多いのは・・・そんな変化に少しは関係があって・・・

変わらず時を歩く人達が、今はまだ残っていても・・・

多くの古い建物は・・・必要と思わない世代に引き継がれようとしています・・・。

地元に誇りを持って残る方々も増えて・・・少しの時間、町を出た人も・・・

何気に戻っていて・・・活気が戻るとは言えないまでも・・・

これからを考える世代は育っているのかも知れません・・・。

そんな時、力になる仲間が・・・古民家なのかもしれないですね。

 

 

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楽しい技

2020年07月17日 | 古民家

 南と北とで望む、遠くの風景は・・・ゾワリと立ち並ぶとんがり木々のお山だったり・・・

ウロウロと曲がりくねった木々が幾重にも連なるお山だったり・・・。

温かい場所で育つ木は・・・成長が早く年輪の幅も広く柔らく育ちます・・・。

寒い場所で育つ木は・・・成長は遅くても、グリグリと力強く育ちます・・・。

木々の中には、生まれた頃に植えられたか細い枝葉が・・・大人を迎える頃には背丈を超えて大きく育ち・・・

箪笥に姿を変えるほど、成長が早い種類もあります・・・。

温かく温暖な気候で育った木々の成長が早いかと思えば・・・

足元が岩や、水の少ない土地だったりすれば成長が遅くとも・・・独自の進化をして・・・

すばらしく特別な樹種で、貴重な性格を手に入れる事も出来ます・・・。

そんな楽しい育ち方をした木々を見極め・・・育まれた時間を見て来たかのように・・・

やさしく加工して・・・適材適所に生かして組み立てる職人の技術・・・。

南と北とで建物の造りが違うのも・・・使われる場所も違ってくるのも、みんな違う性格をもって育ったから・・・

それぞれの得意な場所を守れるようにするのも・・・職人の目利きがあってこそ・・・

それは先人から残され、学んで来た時間があるから出来る手仕事です・・・。

5年・・・10年は当たり前・・・

20年30年携わってようやくスタートラインに立つくらいでちょうど良い仕事・・・

一生かけて自分の力になる職業・・・こんな楽しい仕事は他にないような気がします。

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