木造校舎を覚えている・・・。
子供の頃とは違い・・・案外小さいのだと気付き、メシメシと歩く廊下の音も、床板の反り具合も・・・
体では覚えているのに・・・居心地はとてもよろしいのに・・・かゆいところに手が届かない・・・
自分の背丈も・・・そのころ兼ね備えていた知識も・・・大きくなって・・・
雑念だらけの頭で感じる校舎の記憶は・・・すっかり大人の感覚で味わうしかなくなってしまった・・・。
県内に1カ所も木造校舎が無い場所も増えて・・・何かしらの事情の不審火で失われる木造の建物も多くて・・・
木造とは思えない、燃えない木造の建物が造られているのを見ると・・・
多くの工夫で、捨てられそうだった素材がいろんな場面で取り上げられても・・・
なぜだか、あまり楽しくないような気がしてしまい・・・
呼吸して・・・温かみのある木材が、生き生きと暮らしを守る姿は想像できなくなっています・・・。
寝静まる部屋に・・・パチン・トカン、と鳴り響く音は・・・木が歌う声・・・
自然に乾燥され・・・少しずつ馴染んでいく木材は、楽しげに歌い出します・・・。
割れた木材の柱はみすぼらしい・・・危ない・・・不良品だと言われる事もありますが・・・
生きていれば・・・時間と共に姿を変えるのは人も同じです・・・。
時間の変化を楽しみ・・・味わい深い暮らしの彩りになるのが、自然の良さだと思います。