ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「きらわれてしまった」

2023年01月18日 12時17分44秒 | owarai
もしも好きな人ができても
あんまり何にもあげないこと
にしよう

林檎がほしいと言ったら
へっ ととぼけた顔をして
ぼんやり見つめよう
そうするとその人はあきらめて
自分くふうするだろう

もしもその人が
空を見たいと言ったら
すみわたった青空を見たいと言ったら
えっ ととぼけた顔をしてその人を
じいっと見つめよう
そうするとその人は考えて
言ってもムダだと思うだろう

何もかもあげすぎたばかりに
きらわれてしまったことのある
私だったから

「死」

2023年01月18日 12時13分56秒 | owarai
「家で死にたいんじゃありません。
家で暮らし続けたいんです」
     ※
「ペットの最後は自宅で死なせる
べきです。
ペットでなくても、飼ってる人間
だって同じことだと思います」
     ※
「子供ってのは――
親が死ぬってことが予定にない
んですね。
だから親に死なれると、自分も
死ぬんだという実感がドーンと
きますね」
     ※
「死んだら他人の世話になるん
だから、生きている間に他人の
世話をしとかなきゃね」
     ※
「死ぬ前になりますと、人間は
炭酸ガスが増えるんです。
この炭酸ガスに麻酔性がありま
すから、最後はそれほど苦しまず
に終わるようにできているんです」
     ※
「死ぬということには
ベテランや名人はいません。
死にのはみんな初心者です」


「ねえ、覚えてる?」

2023年01月18日 12時12分26秒 | owarai
わたしたち、あの時、なぜだか
ずーっと黙って、歩いたよね。
波の音、聞きながら。

すると、音のなく、ハイビスカ
スの花が、砂の上に落ちてくる
のです。
ぽとっ。ぽとっ。ぽっ。ぽっ。
って、

実際には音はしないんだけど、
そんな気配だけがして。スコ
ールのあとの夕暮れ時には、
特にたくさん落ちてたよね。

どの日も、どの場面も、素敵だっ
たけれど、黒砂のピーチと、そこ
に静かに落ちてきたお花のことは、
なぜだかほかの風景よりもくっき
りと、覚えているのです。

きっと、あれが、わたしにとって
の楽園の原点かもしれません。

楽園というのは素敵なところだけ
れど、人が楽園のまっただ中に
いる時、その素敵さには、あまり
気づいていないような気がします。

楽園の素晴らしさは、楽園を去った
時、あるいは失った時、初めて
気づくものものなのでしょうか。

つまり、楽園は記憶の中にだけ
存在する、と。今、バリ島を思い
出しながら、そんなことを考えて
います。

なんだかとりとめのないお手紙に
なってしましました。
あなたがこれを読んでいるのは、
大阪のホテルのお部屋だと思いま
す。

手紙を読んで、バリで過ごした
あの熱い日々のことを、思い出
してくれたら嬉しいです。

元気でね。お仕事、うまく行き
ますように。
はやくもどってきて。

        愛をこめて

―女の履歴書―

2023年01月18日 12時06分38秒 | owarai
家のなかで顔を合わせるたびに、
夫とわたしは諍(いさか)いを
繰り返していた。

夫は、わたしが仕事を続けたい
なら、借家を引き払って、母親の
家で同居して欲しいと、盛んに
言い立てた。義父は多額の財産を
残して、数年前に他界していた。

義母はわたしを嫌っていた、にも
かからわず、わたしたちと一緒に
暮らしたがっていた。いや、もっ
と正確に言えば、彼女は息子と
孫娘と一緒に、暮らしたがって
いた。

義母との同居はしない、近くに
住むだけ。それは結婚するとき、
夫と交わした約束事のひとつだ
った。
「せやけどそれは、あんたが家に
、という大前提のもとでの約束
やったはずや」

と、夫は言った。だから、どっち
かにしてくれ、と、夫は主張した。
わたしはどちらもいやだった。
仕事を辞めてずっと家にいる生活
も、仕事を続けながら義母と同居
する生活も。

そんなある日、娘が学校で描いた
「お母さんの絵」というのを持ち
帰ったことがあった。

そこにはわたしとは似ても似つ
かない、着物姿の女性が描かれ
ていた。
「琴子ちゃん、この人、ママに
全然似て似てへんねえ」
と、わたしが言うと、娘はランド
セルのなかから一枚の写真を取り
出して、わたしに見せた。

「おばあちゃんがね、この写真
見てかきなさと言わはったの。
琴子のママは世界中でこの人ひ
とりだけなのやと、言わはった
んよ」。

それはお宮参りの写真だった。
生まれたばかりの赤ん坊を抱いた、
若い母親の姿が写っていた。

このような出来事は日常茶飯事
だった。けれども夫には何も
話さなかった。わたしが話せば、
夫はおそらくこう言っただろう。

「それはあんたが、母親として
のつとめを怠ってるせいやろ」と。

家のなかは荒涼とした砂漠でも、
一歩家から出ればそこには、優
しい人とわたしの世界が広がって
いた。毎日、玄関から外に出て、

家を背にした瞬間、わたしの耳
には家が崩れ落ちてゆく音が聞
こえていた。同時にわたしの躰
のなかで、後妻であり継母(まま
はは)である女が死に、みずみず
しい別の女が目を覚ますのがわかった。