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「鉄のオオカミ」 夢の冒険<2>

2010-08-21 11:54:48 | リチャード・アダムス

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 『鉄のオオカミ』 夢の冒険<2>、リチャード アダムズ著、井辻朱美訳、新書館


<あらすじ>
 「鉄のオオカミ」をはじめ、10の短編が収められている。


・「鉄のオオカミ」 (契約どおりにオオカミは襲ってきた。結婚式は大変なことに)
・「カラスよ月の光」 (エスキモーために、カラスは光を盗んでくる)
・「蛇のおくりもの」 (動物の言葉がわかるようになった羊飼い)
・「おしゃべりなキツツキ」 (キツツキが、なぜ長いくちばしで木を突きまわすようになったのか?)
・「月に行ったネズミ」 (月はチーズの岩山とおいしいクリームの湖だった。しかし月の猫がいた)
・「目の見えない少年と犬」 (愛犬ファンと一緒に苦難を乗り越えた少年の放浪記)
・「タヒチの大ウツボ」 (さんご礁の島々にココナッツが実るようになった伝説)
・「神さまの絵の具箱」 (ナイティンゲールが、あんなきれいな声で鳴くようになったのは?)
・「コマドリ」 (コマドリの胸が赤いのはなぜか?)
・「王子と魔法の馬」 (王子は馬の知恵で、永遠の若さを手に入れたが――)




<感想>
 短編の作品は、結末(オチ)がしっかりしていないと、面白さが半減してしまう。その点、本に収められている10篇の作品はしっかりとしていて、どれも面白い。


 前作の『コルサンの岩山』と同様に挿絵の出来が良い。


 収録されている作品は、そのままの民話・童話を載せているのではなくて、どの作品にも語り手を設けて、独自の味付けをしている。まさにアダムス風であり、前作品と同じく、テクスト理論に基づいた創りとなっている。


 巻末の訳者のあとがきがで、アダムスとトールキンを比較しているのが興味深い。