まだまだ暑い日が続きます。お体に気をつけて、夏バテしないようにがんばりましょう。
「魔の交差点」の続きです。
コンビニのバイトを始めて半年、OLさんの事故に遭遇してから3ヶ月ぐらいは経ったと思います。
3ヶ月という時間は、人間を油断させるというか、慣れさせるのに最適で、薄気味悪いと感じながら通っていた道も、慣れてしまえば、気にならなくなるんですよね。
3ヶ月という時間は、人間を油断させるというか、慣れさせるのに最適で、薄気味悪いと感じながら通っていた道も、慣れてしまえば、気にならなくなるんですよね。
もちろんその間の、相変わらず事故は起こっていたみたいですが、自分がその場にいなければ、他人事ですし、毎日バイトへ行っていたわけではないですから、まったく隙が開いていたんです。
そんなある日のバイトの帰り、だいたい午後8時過ぎだったと記憶しています。いつものように件の交差点へ通じる道を走っていると、前方に赤色ライトが点滅していました。パトカーが止まっていました。
――検問かな? でも珍しいな、こんな場所で―― などと、考えながら先に進もうとすると、おまわりさんに呼び止められて、「ここから先、通行止めだから、迂回してください」と言われたんです。
その場所から、件の交差点まで数百メートルほどありますが、すり鉢状の地形と周りには田んぼしかないので見晴らしが良かった。だから、はるか先まで見渡せる。ただ夜だし、明かりのないところだから、交差点を取り囲むようにパトカーの赤色ライトとが点滅しているのが鮮明に映りました。そして交差点地点にもパトカーを2~3台止めて何かやっていました。
つまり、数百メートル前から交差点に近づくことができないようにパトカーが配備されていた、ということです。
――何か、とんでもないことが起こったに違いない―― と感じたヴィクターは、おまわりさんに聞きました。
――何か、とんでもないことが起こったに違いない―― と感じたヴィクターは、おまわりさんに聞きました。
「何かあったんですか?」
「事故が発生して、今、検分中なので、それが終わるまで通行止めです」と説明してくれました。
いくら事故多発地帯といえども、今までにこんなことは初めてです。 ――ただの事故じゃないな――と思いながら、遠回りして帰宅しました。
翌日、その場所を通ったときは、道路の脇に花束とお菓子が備えてあって、線香から煙が立ち昇っていました。
そうです。とうとう死亡事故が発生してしまったのです。それも尋常じゃない悲惨な事故でした。つづく。