「わたくしには、罪はありませんわよ」
さて、今回の餌食(何だかなあ~)は、その名も美しきアルクメーネー。ご本人はそれ以上に眩いばかりの美しさ。
朝露が葉の上を滑り落ちるように、滑らかで透き通った素肌。太陽の光はいつも彼女の麗しさを引き立たせるためにあるかのよう。ふと見せる微笑で、妖精、ニュムペーが花を散らしたかのように辺りがぱっと華やぐ。それもそのはず、アルクメーネーは、当時の最高の美女だったのだ。
しかもアルゴスの王女さま。彼女が草原を軽やかに駆け回るとき、草の葉は折れることがなかったというので『忍び足の王女』とあだ名されていた(美女はあだ名まで違うんですねぇ)。
でも、こんな評判の高い美女を、あいつ(ゼウスのこと)が放っておくはずがないのだ。例によってすっかり惚れこんで夢中になる。
でも、こんな評判の高い美女を、あいつ(ゼウスのこと)が放っておくはずがないのだ。例によってすっかり惚れこんで夢中になる。
しかし、彼女はすでに結婚していた。夫の名はティリュンス王・アムピュトリュオン。つまり人妻というやつですな。
でもねえ、ゼウスは少女趣味じゃあなかったのか? え、基本的はどっちも好きだって。やれやれ…… 、これだから男って奴は…… 。
でもねえ、ゼウスは少女趣味じゃあなかったのか? え、基本的はどっちも好きだって。やれやれ…… 、これだから男って奴は…… 。
ところで、このアルクメーネーさん、とても貞淑な奥さまだった。夫以外の男とは同室すらしないという徹底ぶり。
そこで、さあ、ヒヒ爺の作戦開始だ。
何も知らないアルクメーネー。忍び寄るゼウスの黒い影。ところがゼウスの姿を見ても彼女はまるで動じない。
そこで、さあ、ヒヒ爺の作戦開始だ。
何も知らないアルクメーネー。忍び寄るゼウスの黒い影。ところがゼウスの姿を見ても彼女はまるで動じない。
「あら、あなた。お帰りなさい。今日はずいぶんとお早いのね」
そう、ゼウスは、こともあろうか彼女の夫に化けて近づいたのだった。
というわけで、アルクメーネーはまんまとゼウスに騙されて、挙句の果てに、あのヘーラクレースを身ごもったのである。
夫のアムピュトリュオンは戦いから帰ってくる。
「あら~、また帰ってきたの」
と言われて不思議に思う。そして、予言者からことの真相を聞きだしたのだった。
「あのお方なら仕方がない」(えーっ、それでいいんですか!!)
とかなんとか呟いて、アムピュトリュオンはすべて諦めたそうだ(おーい、誰かあのヒヒ爺を止めてくれ)。