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「九頭の蛇・ヒュドラー」

2010-07-03 16:52:12 | ギリシャ神話

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 「しぶとい怪物は、とことん嫌われる」


 ヒュドラーは九つの頭を持った巨大な蛇の怪物。日本神話にも八岐のオロチというよく似た奴が出てくるせいもあって、なかなか知られた存在だ。
 かたやヘーラクレース、かたやスサノオと、どちらも武勇に秀でた英雄の活躍する話に登場するので、偶然とはいえよく似通っている気もする。
 ヒュドラーの方が頭が一つ多い分、偉いという気もするが、登場する英雄はスサノオは神さまで、ヘーラクレースはゼウスの子といっても人間だから、その分スサノオの方が偉いのでは…… 、まあ、こんなことを比べても意味がない。


 さて、本題のヒュドラーだが、ヘーラクレースの英雄譚に登場してくる。ヘーラクレースに与えられた十の試練の一つとして命じられたのがヒュドラー退治の仕事だった。


 ヒュドラーはレルネーの沼沢地に棲んでいて、平原に出てくる家畜を襲い、土地を荒らしていたという。
 ヘーラクレースは棍棒で頭を次々と叩き潰したが、ヒュドラーの再生能力に手を焼くことになる。一つ潰すそばから今度は新しく二つの頭が生えてくる、といった具合で埒が明かない。
 見かねたヘーラクレースの従者イオラーオスが、松明に火をつけて、ヘーラクレースが潰した頭を焼いていった。残った最後の頭だけは不死なので、これを体から切り離すと、土に埋めて上に大きな石を載せたのだった。


 また、ヒュドラーの胆汁は毒を持っていると言われているので、ヘーラクレースは自分の矢じりをそれに浸して毒矢を作った。
 ヘーラクレースが命を落とすのは、このヒュドラーの毒矢のせいだったりするから、因縁というやつなのかなあ。
 結局、従者の手を借りたから不合格だ、って言われて試練の一つに認めてもらえなかった。骨折り損のくたびれ儲けとはまさにこのことだ。


 ちなみに近世的な解釈だと、ヒュドラーの正体は大きなタコではなかったか、と言われている。タコの足は切り落としても、しばらくは動き回っているので、確かに殺しても死なないといった感じだ。
 だけど、タコの毒で英雄が死ぬなんて、ちょっとイメージが悪いので、やっぱりここは蛇の怪物ってことしておこう。




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