佐々木譲著。
警官の血から愛読が続いている同じ作家の作品です。
5つの短編からなる本ですが、登場人物や設定は一貫したものとなっています。
本来は事件の捜査には深く関与しない駐在警官を主人公にし、北海道の田舎町を舞台に起こる事件事故を警察組織の掟を破ってまで、時には常識破りな方法で解決(あくまでも読者のために)していきます。
お読みになった方は分かりますが、本書の一番最初の場面がこの本の重要な要となっています。
舞台は狭い十勝地方の小さな町。登場人物も開拓を乗り越えて現在へと続く地元の人たち。主人公は元刑事である単身赴任の駐在警官。時代の背景には北海道警の裏金事件の影響を受けた警察人事、などが舞台となっています。本作には派手な大舞台というものはありませんが、とても身近な狭いところで、じりじりと物語が進んでいきます。むしろ緊張感という点では、この物語には大舞台は必要ありません。
起こる事件は最後の誘拐をのぞけばどれもどの町にでも起こりえることばかり。でもそれらの事件の背景には、町の歴史と人脈が絡んでします。
日本の片田舎に行けばあり得るのだろうと思わせるエピソードです。
「うたう警官」も読みましたが、こちらは舞台が大がかりになっていてちょっと現実感が薄くなります。しかし本作は、近所の駐在さんが主人公ですので、いっそう親近感があります。
やっぱりかなりのリサーチがあって、この作品が誕生していると思いました。
警官の血から愛読が続いている同じ作家の作品です。
5つの短編からなる本ですが、登場人物や設定は一貫したものとなっています。
本来は事件の捜査には深く関与しない駐在警官を主人公にし、北海道の田舎町を舞台に起こる事件事故を警察組織の掟を破ってまで、時には常識破りな方法で解決(あくまでも読者のために)していきます。
お読みになった方は分かりますが、本書の一番最初の場面がこの本の重要な要となっています。
舞台は狭い十勝地方の小さな町。登場人物も開拓を乗り越えて現在へと続く地元の人たち。主人公は元刑事である単身赴任の駐在警官。時代の背景には北海道警の裏金事件の影響を受けた警察人事、などが舞台となっています。本作には派手な大舞台というものはありませんが、とても身近な狭いところで、じりじりと物語が進んでいきます。むしろ緊張感という点では、この物語には大舞台は必要ありません。
起こる事件は最後の誘拐をのぞけばどれもどの町にでも起こりえることばかり。でもそれらの事件の背景には、町の歴史と人脈が絡んでします。
日本の片田舎に行けばあり得るのだろうと思わせるエピソードです。
「うたう警官」も読みましたが、こちらは舞台が大がかりになっていてちょっと現実感が薄くなります。しかし本作は、近所の駐在さんが主人公ですので、いっそう親近感があります。
やっぱりかなりのリサーチがあって、この作品が誕生していると思いました。