楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

欲求の二重の一致

2009-01-06 14:59:19 | Weblog
 昨日の文章で欲求の二重の一致と言う言葉を何度か使ったが、文末に注釈を入れるつもりで用語を調べたが、無いかもしくは説明不足であったため私なりの説明をしてみたい。

 欲求の二重の一致とは、貨幣において商品と交換(購入)する場合と、物々交換時において交換する場合との比較である。

 貨幣において商品を購入するときは、その商品を買いたい者がなんの躊躇い、または問題も無く商品を持っているものに貨幣を渡し、商品を持ち帰ることができる。だが物々交換においては交換する相手が自分が持っている物を欲しがっているかどうか、他の物との交換を望んでいれば交換するのは至難の業になる。

 例を挙げてみよう。
 
 仮にAさんが鶏肉を持っておりBさんがリンゴを持っていたとしよう。Bさんは鶏肉が欲しいがAさんは魚が欲しい。この状態では欲求が二重の一致に到達できないことになる。ここに物々交換の市場が大きくなればBさんのリンゴと交換してくれるという、探した結果のZさんが鶏肉を持っていたので交換ができた。何とか二人の欲求の一致が充足され両者が満足したことになる。ただここには大きな市場と探し回る時間が必要になるが。

 では貨幣を仲介とする交換(販売・購入)の場合はどうであろうか。Bさんが鶏肉を欲しかった場合、Aさんのところに行きお金を出し鶏肉を購入する。Aさんはそのお金を持って魚を買いに行く。やがてBさんのリンゴも他の人が買いに来るはずである。貨幣を介した交換は即「欲求の二重の一致」が叶うことになる。

 貨幣を介した交換は爆発的な分業を作り出すことになる。