前回、なぜ不況が来るのか「13」で書いたオランダのチューリップバブルの崩壊で、先物取引がその犯人であると書いたが、それをもう少し書き足していきたい。なぜなら今まで書いてきたように第一のパイ・第二のパイと分析してきたが先物取引は第二のパイに入る要素を持ち、人と人との間で貨幣の交換が頻繁に行われるようになったことが、貨幣の裏づけのない架空の数字だけの貨幣が第二のパイを大きくしてしまうからである。以下は再度ウイキからの引用。
>バブルの進展は三段階に分けて説明できる。需給の不均衡による高値がついた第一段階、投機家が参入してきた第二段階、そして元手をもたない庶民をまきこんだ第三段階である。この第三段階に至ってバブルの様相を呈し、暴落と混乱を招いた。
>バブルの進展は三段階に分けて説明できる。需給の不均衡による高値がついた第一段階、投機家が参入してきた第二段階、そして元手をもたない庶民をまきこんだ第三段階である。この第三段階に至ってバブルの様相を呈し、暴落と混乱を招いた。
>このときはまだチューリップ取引は球根が現物で売買されていた。また現物取引のため、チューリップ売買が行われるのは冬の間にとどまっていた。しかし過熱するチューリップ人気は、季節を問わず取引できる仕組みを希求していた。
チューリップで短期間に莫大な富を得られるという噂が職人や農民などに広がると、かれらが徐々に市場に参入してきた。元手をもたない彼らはまず自分でも買える程度の球根から始めた。その程度の品種でも値は上がり、転売で利益を得る者が続出した。それに伴い、市場に大きな変化が起きた。通年取引とそれに伴う先物取引制度の導入である。
そこで巷で言われているように先物取引はリスクヘッジの回避が目的であるとなっているが、私のみたところではリスクヘッジを隠れ蓑にした投機的性格がその本性であるといえる。
そこで先物取引に対しリスクヘッジがあるのかを分析して見たい。
先物取引 「やさしいデリバティブ」より引用 2-2 先物取引のヘッジ利用 http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/deriv/deriv202.html
>リスクヘッジとは将来の不確定要素の排除です。先物取引は、まず、こうしたヘッジを実現するため、すなわち、前の例のいくらになるか分からない将来の価格を確定し、心配の種をできるだけ小さくするために活用されます。
楢篠=ここに書かれていることは、その商品を何ヵ月後かに必要としている人達にはある意味必要なことかも知れないが、はたしてこのような取引を必要としている人がどのくらいいるのだろうか。なぜなら現在予約したとしても何ヵ月後には値下がりしていたとしたら、数ヶ月待って現物を買ったほうが利口なやり方である。また先行き上がるという商社の巧みな言葉で多くの人が買いを入れれば先物価格の値上がりと共に現物価格も値上がりしてしまう。
2008年7月に原油価格が147.27ドルの最高値をつけ、多くの人を混乱に落としいれたのは先物取引の投機資金ではなかったのか。そのことによって第二のパイ、架空の貨幣を膨らませてしまった。そして4月1日現在1バレル=49.66ドルとなっている。第二のパイの貨幣」が原油のみで3分の2減少したことになる。
これから中国の内需拡大によって先物の原油価格の値上がりから我々を苦しめる原油高が待ち構えている。
さらにネットでリスクヘッジを探して見たが、ウイキに書かれていた文章を引用してみたい。
リスクヘッジ(条件 その1)
• 例えば、大規模な牧場があったとする。
1. 牧場では牛の飼料にトウモロコシを使っている。
2. トウモロコシは市場価格で購入している。
3. トウモロコシが1ブッシェルあたり3ドル以上になると赤字になる。
4. 年間に100万ブッシェル使用する。
酪農家は、来年のトウモロコシの価格が気になる。もし、来年の価格が3ドルを超えれば、赤字になってしまう。現状のトウモロコシ先物市場ではトウモロコシが2.5ドルである。そこで、酪農家は先物市場でトウモロコシを250万ドルで「100万ブッシェル買う権利」を買う。受け取るのは「来年決済時点のトウモロコシ100万ブッシェルを買う権利」である。
一年後、現物市場のトウモロコシ価格が期日前4ドルになってそのまま期日を迎えた場合での決算
酪農家は、先物市場で受け取った「トウモロコシを買う権利」とは別に、期日前に「トウモロコシ100万ブッシェルを売却する権利」も買う。このことで決算時に400万ドルの収入と250万ドルの支出がある。差額150万ドルが証拠金とともに支払われる。差し引き150万ドルの利益である。一方、実際に飼料とするため現物市場でトウモロコシを購入する。単価4ドルで100万ブッシェル買うため400万ドルの支払である。先ほど、先物市場で得た150万ドルの利益と相殺して、差し引き250万ドルの支払となる。これで事実上、単価を2.5ドルに抑制できたことになる。酪農家が先物取引をしていなければ赤字となっていた。
楢篠=上記文章より疑問1>先物市場で受け取った「トウモロコシを買う権利」とは別に、期日前に「トウモロコシ100万ブッシェルを売却する権利」も買う。
普通の人であれば100万ブッシェル250万ドルで先物の買いを入れといたのが、1年後400万ドルになっていればこの人は150万ドルの得をしたことになる。そのときがリスクヘッジといえるのではないだろうか。後の文章は問題をややこしくしている。
疑問2>、実際に飼料とするため現物市場でトウモロコシを購入する。単価4ドルで100万ブッシェル買うため400万ドルの支払である。
楢篠=なぜ現物市場で400万ドル支払って買ったのか意味が解らない。買わなければそのまま4ドルで買ったとして150万ドルの得をしたことになるし、3ドルが採算点であれば50万ドルの儲けとなる。
リスクヘッジ(条件 その2)もウイキの説明としてあるがやはり正確にリスクヘッジを書いているとは考えられない。
つまり私の結論とすれば先物取引は目先の利いた投資家の投機が自由の名のもとに行われ、結果としてバブルを作り出し、バブル崩壊を予想して売り逃げをし、莫大な利益を上げている。その利益とは第一のパイの貨幣(現金)である。取り残された人達が先を争って逃げようとするが売り買いが成立しない限り最終的なところまで下がり大きな損失を出してしまう。当然第二のパイの総額は小さくなることになるが、第一のパイの貨幣は本来変わらないはずであるがより安全な預金・国債・現金として持てば市中の流動性が減少し、また預金・国債で集めた貨幣が金融機関から市中に戻らない限り流動性(貨幣)不足から不況になっていく。
次回はバブル崩壊から不況の原因になる株式を取り上げてみたい。
>バブルの進展は三段階に分けて説明できる。需給の不均衡による高値がついた第一段階、投機家が参入してきた第二段階、そして元手をもたない庶民をまきこんだ第三段階である。この第三段階に至ってバブルの様相を呈し、暴落と混乱を招いた。
>バブルの進展は三段階に分けて説明できる。需給の不均衡による高値がついた第一段階、投機家が参入してきた第二段階、そして元手をもたない庶民をまきこんだ第三段階である。この第三段階に至ってバブルの様相を呈し、暴落と混乱を招いた。
>このときはまだチューリップ取引は球根が現物で売買されていた。また現物取引のため、チューリップ売買が行われるのは冬の間にとどまっていた。しかし過熱するチューリップ人気は、季節を問わず取引できる仕組みを希求していた。
チューリップで短期間に莫大な富を得られるという噂が職人や農民などに広がると、かれらが徐々に市場に参入してきた。元手をもたない彼らはまず自分でも買える程度の球根から始めた。その程度の品種でも値は上がり、転売で利益を得る者が続出した。それに伴い、市場に大きな変化が起きた。通年取引とそれに伴う先物取引制度の導入である。
そこで巷で言われているように先物取引はリスクヘッジの回避が目的であるとなっているが、私のみたところではリスクヘッジを隠れ蓑にした投機的性格がその本性であるといえる。
そこで先物取引に対しリスクヘッジがあるのかを分析して見たい。
先物取引 「やさしいデリバティブ」より引用 2-2 先物取引のヘッジ利用 http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/deriv/deriv202.html
>リスクヘッジとは将来の不確定要素の排除です。先物取引は、まず、こうしたヘッジを実現するため、すなわち、前の例のいくらになるか分からない将来の価格を確定し、心配の種をできるだけ小さくするために活用されます。
楢篠=ここに書かれていることは、その商品を何ヵ月後かに必要としている人達にはある意味必要なことかも知れないが、はたしてこのような取引を必要としている人がどのくらいいるのだろうか。なぜなら現在予約したとしても何ヵ月後には値下がりしていたとしたら、数ヶ月待って現物を買ったほうが利口なやり方である。また先行き上がるという商社の巧みな言葉で多くの人が買いを入れれば先物価格の値上がりと共に現物価格も値上がりしてしまう。
2008年7月に原油価格が147.27ドルの最高値をつけ、多くの人を混乱に落としいれたのは先物取引の投機資金ではなかったのか。そのことによって第二のパイ、架空の貨幣を膨らませてしまった。そして4月1日現在1バレル=49.66ドルとなっている。第二のパイの貨幣」が原油のみで3分の2減少したことになる。
これから中国の内需拡大によって先物の原油価格の値上がりから我々を苦しめる原油高が待ち構えている。
さらにネットでリスクヘッジを探して見たが、ウイキに書かれていた文章を引用してみたい。
リスクヘッジ(条件 その1)
• 例えば、大規模な牧場があったとする。
1. 牧場では牛の飼料にトウモロコシを使っている。
2. トウモロコシは市場価格で購入している。
3. トウモロコシが1ブッシェルあたり3ドル以上になると赤字になる。
4. 年間に100万ブッシェル使用する。
酪農家は、来年のトウモロコシの価格が気になる。もし、来年の価格が3ドルを超えれば、赤字になってしまう。現状のトウモロコシ先物市場ではトウモロコシが2.5ドルである。そこで、酪農家は先物市場でトウモロコシを250万ドルで「100万ブッシェル買う権利」を買う。受け取るのは「来年決済時点のトウモロコシ100万ブッシェルを買う権利」である。
一年後、現物市場のトウモロコシ価格が期日前4ドルになってそのまま期日を迎えた場合での決算
酪農家は、先物市場で受け取った「トウモロコシを買う権利」とは別に、期日前に「トウモロコシ100万ブッシェルを売却する権利」も買う。このことで決算時に400万ドルの収入と250万ドルの支出がある。差額150万ドルが証拠金とともに支払われる。差し引き150万ドルの利益である。一方、実際に飼料とするため現物市場でトウモロコシを購入する。単価4ドルで100万ブッシェル買うため400万ドルの支払である。先ほど、先物市場で得た150万ドルの利益と相殺して、差し引き250万ドルの支払となる。これで事実上、単価を2.5ドルに抑制できたことになる。酪農家が先物取引をしていなければ赤字となっていた。
楢篠=上記文章より疑問1>先物市場で受け取った「トウモロコシを買う権利」とは別に、期日前に「トウモロコシ100万ブッシェルを売却する権利」も買う。
普通の人であれば100万ブッシェル250万ドルで先物の買いを入れといたのが、1年後400万ドルになっていればこの人は150万ドルの得をしたことになる。そのときがリスクヘッジといえるのではないだろうか。後の文章は問題をややこしくしている。
疑問2>、実際に飼料とするため現物市場でトウモロコシを購入する。単価4ドルで100万ブッシェル買うため400万ドルの支払である。
楢篠=なぜ現物市場で400万ドル支払って買ったのか意味が解らない。買わなければそのまま4ドルで買ったとして150万ドルの得をしたことになるし、3ドルが採算点であれば50万ドルの儲けとなる。
リスクヘッジ(条件 その2)もウイキの説明としてあるがやはり正確にリスクヘッジを書いているとは考えられない。
つまり私の結論とすれば先物取引は目先の利いた投資家の投機が自由の名のもとに行われ、結果としてバブルを作り出し、バブル崩壊を予想して売り逃げをし、莫大な利益を上げている。その利益とは第一のパイの貨幣(現金)である。取り残された人達が先を争って逃げようとするが売り買いが成立しない限り最終的なところまで下がり大きな損失を出してしまう。当然第二のパイの総額は小さくなることになるが、第一のパイの貨幣は本来変わらないはずであるがより安全な預金・国債・現金として持てば市中の流動性が減少し、また預金・国債で集めた貨幣が金融機関から市中に戻らない限り流動性(貨幣)不足から不況になっていく。
次回はバブル崩壊から不況の原因になる株式を取り上げてみたい。
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