前回14で「次回はバブル崩壊から不況の原因になる株式を取り上げてみたい」とこのように書いたが今迄1から14まで書いた文章の中に既にあることから、改めて書くほどのものはないようだ、が、そこで今迄書いてきた文章から株式(証券)像を追ってみたい。
まずバブルを作りだしていく要素を書き出してみたい。
1 最初のバブルはご存知のように1637年にオランダで起こったチューリップバブル。需要と供給の関係からではなく、完全に人為的な要素を持っていたといえる。以下はウイキからの抜粋した引用を再度使用。
>バブルの進展は三段階に分けて説明できる。需給の不均衡による高値がついた第一段階、投機家が参入してきた第二段階、そして元手をもたない庶民をまきこんだ第三段階である。この第三段階に至ってバブルの様相を呈し、暴落と混乱を招いた。
第一段階=チューリップ球根の取引は現物取引であった。
第二段階=チューリップ取引は現物であるがため、売買期間が冬だけに限られている。この段階では取引が貨幣であることから貨幣を媒介とした取引は市中(第一のパイ)での取引のため頻繁には行われない。そこからチューリップ取引を年間を通して行われる仕組みを模索しだした。(現物ではなく信用を担保とした手形)この段階では小さなバブルの段階で留まっていた。
第三段階=「ウイキより引用」チューリップで短期間に莫大な富を得られるという噂が職人や農民などに広がると、かれらが徐々に市場に参入してきた。元手をもたない彼らはまず自分でも買える程度の球根から始めた。その程度の品種でも値は上がり、転売で利益を得る者が続出した。それに伴い、市場に大きな変化が起きた。『通年取引とそれに伴う先物取引制度の導入である』
こうした取引は、正規の証券取引所ではなく居酒屋で行われた。取引において現金や現物の球根は必要なかった。「来年の4月に支払う」「その時に球根を渡す」という手形ですませることができ、わずかな内金で売買できた。内金といっても現金とは限らず、家畜や家具など換金できそうなものなら何でも通用した。その手形が取引をくりかえすうちに幾人かを経由していき、債権者や債務者がどこの誰だかわからないという状況になりつつあった。この先物取引システムによって元手がない者も投機に参加できた。パン屋や農民までチューリップ市場に参加し、それによって需要がふくらみ、安価な品種でさえ急騰した。しかし価格の上昇に伴って、本来の買い手である植物愛好家が買わなくなっていった。特に民衆が取引していた安価な球根は愛好家に見向きもされなかった。 そして急落
それ等を整理してみると。
1 現物取引をしているときではバブルは発生していない。
2 通年取引とそれに伴う先物取引制度の導入。居酒屋が舞台となった。投機家がそれ等を先導した。
3 一般庶民を巻き込んだかたちで手形決済及び小額の内金で取引が行われた。家畜や家具などを現金化して、この先値上がりしていくことを予想して証券を買い込んでいった。
4 振り出した手形が複数の人を経由していき債権者・債務者が誰だか解らなくなっていった。
5 バブルの崩壊。以下はウイキより引用>1637年2月3日、突然の暴落が起こった。価格が下がったというよりもむしろ買い手がまったく見つからない状態だった。手形は不渡りとなり、支払いきれない債務を負った者は3000人ともいわれる。
また別の文章から
第一次世界大戦後、1920年代のアメリカは大戦への輸出によって発展した重工業の投資、帰還兵による消費の拡張、自動車工業の躍進、ヨーロッパ地域への輸出の増加などによって「永遠の繁栄」と呼ばれる経済的好況を手に入れた。1920年代前半に既に農作物を中心に余剰が生まれていたが…
農業不況に加えて鉄道や石炭産業部門も不振になっていたにもかかわらず投機熱があおられ、アメリカの株式市場は1924年中頃から投機を中心とした資金の流入によって投機熱は高まり、ダウ平均株価は5年間で5倍に高騰。1929年9月3日にはダウ平均株価381ドル17セントという最高価格を記録した。市場はこの時から調整局面を迎え、続く1ヶ月間で17%下落した、次の1週間で下落分の半分強ほど持ち直し、その直後にまた上昇分が下落するという神経質な動きを見せた。それでも投機熱は収まらず、
そのような状況の下1929年10月24日10時25分、ゼネラルモーターズの株価が80セント下落した。
更に10月29日、一日で時価総額140億ドルが消し飛び、週間では300億ドルが失われた計算になったが、これは当時の米国連邦年間予算の10倍に相当し、投資家はパニックに陥り、株の損失を埋めるため様々な地域・分野から資金を引き上げ始めていった。
第二のパイの中では先物・株を除いてはパイを膨らませる要素は金利だけだが、先物・株においては前の文章に書いたように小数の人々の取引によって総金額がいつでも増減している。人々が株の買いに集中すれば株の総金額が上がったことによって第二のパイがより大きく膨らむ、この現象がバブルと言われるものである。当然先物取引によって少数の人の買いが、原油に集中すればこのパイを大きく膨らませる元になり、穀物・金属等に買いが集中すれば、やはり第二のパイは大きく膨らむ。
今回はこれらに加え証券化商品というかたちでパイを膨らませたことになる。本来住宅ローン、自動車ローンにしても、単なるローン債権であれば金融機関が第一のパイで庶民に貸し付けたローン債権がそのまま第二のパイに入り、金利分だけがパイを膨らませることで済んだが、それを証券に加工し高い金利をつけ金融機関・一般投資家に際限なく売ったことがより第二のパイを膨らませたことになる。
文章が長くなるので「人間の経済活動の中でなぜ不況が来るのか?Ⅹ」を参照してほしい。
今回これらのバブルの沈静は政府が金融政策によって収束したものではなく、米国のサブプライム危機が突然ヨーロッパに飛び火した結果。07年8月9日、フランスの大手BNPパリバ銀行が、その傘下にあった3つのファンドの取り付け騒ぎが起こったことへの対抗措置として、そのファンドの解約を凍結する措置をとったことから世界的な金融危機の引き金を引いた。結果として市中から現金が消えてしまったことになる。「人間の経済活動の中でなぜ不況が来るのか?7」を参照
人間の経済活動の中でなぜ不況が来るのか? Ⅴ
2009-02-19 15:10:54 | Weblog
第二のパイが膨らむ理由は限りなくある。その原因となっている資金は第一のパイの中の流動性が元になるが。ここに、より経済活動を高めようとすれば可処分所得を多く取れる者が現れることが必要になる。彼らは投資という形で第二のパイに貯めていた金銭を引き出し第一のパイの中で現金として使う。経済活動が活発になり株価が上昇局面になればすかさず株の購入に金をつぎ込むし、資源・穀物等の先物等に金に金を生ませるやり方で資金をつぎこみ、第二のパイを大きく膨らましていく。
ここに阿修羅という掲示板で議論した内容を掲載してみよう。縄文ビトのハンドルネームは楢篠です。
1年間で250兆円の資産の消失とは、何のことかえ?
http://www.asyura2.com/08/idletalk34/msg/156.html
投稿者 藪素人 日時 2008 年 10 月 25 日 15:14:25: BhHpEHNtX5sU2
NHKニュースだと、昨日だけで日本の株資産は8兆円消えたんだと。日本列島を大火や大津波、地震が襲って財物を毀損したわけでもねえ。疫病で多くの人口が激減したわけでもねえ。列島の財物はそのまんまだべえ。外国の誰かの持ち物になるちゅうことかのー。それなら分からねえでもねえが、なしてそうなるんだか。世界中で資産消失しているから、どこかの国が儲けているとは思えねえ。日本の資産が米国のブラックホールに吸い込まれたんか? この消えた資産はどこかえ忽然と消えてしまったのかえ。それとも巧みに立ち回ったあれこれの個人のふところに転がり込んだのかえ?
拙者、一株も拝んだことがねえんで、ピンをこねえのが正直なところ。分かったつもりになっているが、実は分かっていねえところがある。イヤイヤ端的に言って、みんなで株遊びしているうちに、株価を下げてしまったんなら、みんなで示し合わしてまた株をどんどん買っていけば、上がっていくんでねべか。そしたらまた資産がどんどん増えてくる。フシギなバーチャルリアリチィーの世界だ。実物(実体)と関係なく、資産が増えたり減ったりする。資産ちゅうのはまるで風船玉みてえなもんだ。
下の記事じゃ「バブルの崩壊とは、実体経済と金融経済とのギャップ」ちゅうところにポイントがある気がするが、今ひとつ釈然としねえ。もぢろん記事の責任でねくて、拙者のオツムの問題だがのー。どなたさんか10行ぐれえで、スパッと説明できるかえ?
Re: 1年間で250兆円の資産の消失とは、何のことかえ?(ここから縄文ビト)
http://www.asyura2.com/08/idletalk34/msg/171.html
投稿者 縄文ビト 日時 2008 年 10 月 25 日 20:45:24: egUyw5BLxswRI
私も素人な者であまりよく説明できませんが。
例えとして一つ書いてみます。
たとえば100人の投資家がある会社の株を一株100円で100株ずつ持っているとします。このときの会社の株の総額は100×100×100で計100万円になります。そして投資家全員がこの会社は発展すると考えて株を手放そうとしません。
そこに一人の投資家がお金の必要に迫られ100株を証券市場に売りに出します。この100株の値段が200円で売れたとします。当然この投資家は投資した金額の二倍のお金を手にしますが、売らなかった99人の投資家は持っていた株が二倍になったわけです。
そのときの会社の株の総額は99人×200円×100株で計198万円になっています。たった一人の投資家の売りが全体の株の総額を引き上げたわけです。
そのとき動いたカネは最初の100円×100株の計1万円でした。後の99人の株は二倍になったわけですが、その増えた分のカネは単なる架空に創造されたカネであり数字上だけのカネです。
この逆が1年間で250兆円が消失した架空に創られた資産になります。
これは原油・穀物・金(キン)等の先物で売買されている実体のない商品の動きから創られていくわけです。
ただ投資家が株価が上がったときは含み益として手持ちにしていれば、また下がったときも含み損として手持ちにしていれば何の利益にも、また含み損としていれば何の損害もないのですが。上がり調子のとき買ってしまった人は、買った金額からやむをえず売った金額の差が損失ということになります。
現在の金融危機はやむを得ず売ってしまわなくてはならない人が投げ打っている姿です。
>内金といっても現金とは限らず、家畜や家具など換金できそうなものなら何でも通用した。チューリップ事件より。この段階で買いを入れた者は一部の投機家の宣伝に乗って高い価格で買いを入れた事により下がった局面での損害が大きくなる。ただし損失として計上された総金額は第二のパイの架空の金ということになる。
ここでは架空の金の損失額といえども返済するときには第一のパイでの貨幣、現金ということになる。そして個人として返済できないときは債務不履行となり、金融機関の不良債権として計上される。金融機関自体が第二のパイの中で膨らんだ部分の資金の手当てができず、一歩間違えれば現金が足りないことから取り付け騒ぎに発展する可能性を持つ。
この状態を国自体が恐れるため国民の税金等から公的資金注入として金融機関に現金を流す。この資金は架空に膨らました部分の手当てではあるが、第一のパイでの物と物(労働と労働)の交換に必要な貨幣の量をはるかに超えてしまう資金を注入することになる。この量を超えた貨幣は第一のパイの中で偏った所持として一部の人間に、金に金を生ませるやり方でより偏ったかたちで富める者の富として所持されていく。
片方では第一のパイの中で貨幣を得ることが困難な者が出現してくる。いわゆる失業者ということになる。当然このような状態の時は第一のパイには本来労働と労働の交換に必要以上の貨幣はあるが、先行きの不況という状況を恐れ労働と労働の交換をセイブ(物が売れない)してしまうためより不況色を強めてしまう。
現在の状況は労働と労働の交換が不十分な状態から来る不況と言うことができる。交換が充分に行われているときは好況時ということになり、また行き過ぎた労働と労働の交換は第二のパイをより膨らませることになりバブルを作り出すか、消費される側の労働不足からインフレということになる。
最後に貨幣は労働と労働の交換財でしかない。いくら人々が買い物にお金を使ったとしても第一のパイの中では同じ量の金がぐるぐる周りをしているだけであり。決して減ることはない。
ただ第一のパイの中で金に金を生ませるやり方で偏った所持をすれば、富める者はより富めることになり、対極にいる者の手には貨幣は回ってこないことになる。
まずバブルを作りだしていく要素を書き出してみたい。
1 最初のバブルはご存知のように1637年にオランダで起こったチューリップバブル。需要と供給の関係からではなく、完全に人為的な要素を持っていたといえる。以下はウイキからの抜粋した引用を再度使用。
>バブルの進展は三段階に分けて説明できる。需給の不均衡による高値がついた第一段階、投機家が参入してきた第二段階、そして元手をもたない庶民をまきこんだ第三段階である。この第三段階に至ってバブルの様相を呈し、暴落と混乱を招いた。
第一段階=チューリップ球根の取引は現物取引であった。
第二段階=チューリップ取引は現物であるがため、売買期間が冬だけに限られている。この段階では取引が貨幣であることから貨幣を媒介とした取引は市中(第一のパイ)での取引のため頻繁には行われない。そこからチューリップ取引を年間を通して行われる仕組みを模索しだした。(現物ではなく信用を担保とした手形)この段階では小さなバブルの段階で留まっていた。
第三段階=「ウイキより引用」チューリップで短期間に莫大な富を得られるという噂が職人や農民などに広がると、かれらが徐々に市場に参入してきた。元手をもたない彼らはまず自分でも買える程度の球根から始めた。その程度の品種でも値は上がり、転売で利益を得る者が続出した。それに伴い、市場に大きな変化が起きた。『通年取引とそれに伴う先物取引制度の導入である』
こうした取引は、正規の証券取引所ではなく居酒屋で行われた。取引において現金や現物の球根は必要なかった。「来年の4月に支払う」「その時に球根を渡す」という手形ですませることができ、わずかな内金で売買できた。内金といっても現金とは限らず、家畜や家具など換金できそうなものなら何でも通用した。その手形が取引をくりかえすうちに幾人かを経由していき、債権者や債務者がどこの誰だかわからないという状況になりつつあった。この先物取引システムによって元手がない者も投機に参加できた。パン屋や農民までチューリップ市場に参加し、それによって需要がふくらみ、安価な品種でさえ急騰した。しかし価格の上昇に伴って、本来の買い手である植物愛好家が買わなくなっていった。特に民衆が取引していた安価な球根は愛好家に見向きもされなかった。 そして急落
それ等を整理してみると。
1 現物取引をしているときではバブルは発生していない。
2 通年取引とそれに伴う先物取引制度の導入。居酒屋が舞台となった。投機家がそれ等を先導した。
3 一般庶民を巻き込んだかたちで手形決済及び小額の内金で取引が行われた。家畜や家具などを現金化して、この先値上がりしていくことを予想して証券を買い込んでいった。
4 振り出した手形が複数の人を経由していき債権者・債務者が誰だか解らなくなっていった。
5 バブルの崩壊。以下はウイキより引用>1637年2月3日、突然の暴落が起こった。価格が下がったというよりもむしろ買い手がまったく見つからない状態だった。手形は不渡りとなり、支払いきれない債務を負った者は3000人ともいわれる。
また別の文章から
第一次世界大戦後、1920年代のアメリカは大戦への輸出によって発展した重工業の投資、帰還兵による消費の拡張、自動車工業の躍進、ヨーロッパ地域への輸出の増加などによって「永遠の繁栄」と呼ばれる経済的好況を手に入れた。1920年代前半に既に農作物を中心に余剰が生まれていたが…
農業不況に加えて鉄道や石炭産業部門も不振になっていたにもかかわらず投機熱があおられ、アメリカの株式市場は1924年中頃から投機を中心とした資金の流入によって投機熱は高まり、ダウ平均株価は5年間で5倍に高騰。1929年9月3日にはダウ平均株価381ドル17セントという最高価格を記録した。市場はこの時から調整局面を迎え、続く1ヶ月間で17%下落した、次の1週間で下落分の半分強ほど持ち直し、その直後にまた上昇分が下落するという神経質な動きを見せた。それでも投機熱は収まらず、
そのような状況の下1929年10月24日10時25分、ゼネラルモーターズの株価が80セント下落した。
更に10月29日、一日で時価総額140億ドルが消し飛び、週間では300億ドルが失われた計算になったが、これは当時の米国連邦年間予算の10倍に相当し、投資家はパニックに陥り、株の損失を埋めるため様々な地域・分野から資金を引き上げ始めていった。
第二のパイの中では先物・株を除いてはパイを膨らませる要素は金利だけだが、先物・株においては前の文章に書いたように小数の人々の取引によって総金額がいつでも増減している。人々が株の買いに集中すれば株の総金額が上がったことによって第二のパイがより大きく膨らむ、この現象がバブルと言われるものである。当然先物取引によって少数の人の買いが、原油に集中すればこのパイを大きく膨らませる元になり、穀物・金属等に買いが集中すれば、やはり第二のパイは大きく膨らむ。
今回はこれらに加え証券化商品というかたちでパイを膨らませたことになる。本来住宅ローン、自動車ローンにしても、単なるローン債権であれば金融機関が第一のパイで庶民に貸し付けたローン債権がそのまま第二のパイに入り、金利分だけがパイを膨らませることで済んだが、それを証券に加工し高い金利をつけ金融機関・一般投資家に際限なく売ったことがより第二のパイを膨らませたことになる。
文章が長くなるので「人間の経済活動の中でなぜ不況が来るのか?Ⅹ」を参照してほしい。
今回これらのバブルの沈静は政府が金融政策によって収束したものではなく、米国のサブプライム危機が突然ヨーロッパに飛び火した結果。07年8月9日、フランスの大手BNPパリバ銀行が、その傘下にあった3つのファンドの取り付け騒ぎが起こったことへの対抗措置として、そのファンドの解約を凍結する措置をとったことから世界的な金融危機の引き金を引いた。結果として市中から現金が消えてしまったことになる。「人間の経済活動の中でなぜ不況が来るのか?7」を参照
人間の経済活動の中でなぜ不況が来るのか? Ⅴ
2009-02-19 15:10:54 | Weblog
第二のパイが膨らむ理由は限りなくある。その原因となっている資金は第一のパイの中の流動性が元になるが。ここに、より経済活動を高めようとすれば可処分所得を多く取れる者が現れることが必要になる。彼らは投資という形で第二のパイに貯めていた金銭を引き出し第一のパイの中で現金として使う。経済活動が活発になり株価が上昇局面になればすかさず株の購入に金をつぎ込むし、資源・穀物等の先物等に金に金を生ませるやり方で資金をつぎこみ、第二のパイを大きく膨らましていく。
ここに阿修羅という掲示板で議論した内容を掲載してみよう。縄文ビトのハンドルネームは楢篠です。
1年間で250兆円の資産の消失とは、何のことかえ?
http://www.asyura2.com/08/idletalk34/msg/156.html
投稿者 藪素人 日時 2008 年 10 月 25 日 15:14:25: BhHpEHNtX5sU2
NHKニュースだと、昨日だけで日本の株資産は8兆円消えたんだと。日本列島を大火や大津波、地震が襲って財物を毀損したわけでもねえ。疫病で多くの人口が激減したわけでもねえ。列島の財物はそのまんまだべえ。外国の誰かの持ち物になるちゅうことかのー。それなら分からねえでもねえが、なしてそうなるんだか。世界中で資産消失しているから、どこかの国が儲けているとは思えねえ。日本の資産が米国のブラックホールに吸い込まれたんか? この消えた資産はどこかえ忽然と消えてしまったのかえ。それとも巧みに立ち回ったあれこれの個人のふところに転がり込んだのかえ?
拙者、一株も拝んだことがねえんで、ピンをこねえのが正直なところ。分かったつもりになっているが、実は分かっていねえところがある。イヤイヤ端的に言って、みんなで株遊びしているうちに、株価を下げてしまったんなら、みんなで示し合わしてまた株をどんどん買っていけば、上がっていくんでねべか。そしたらまた資産がどんどん増えてくる。フシギなバーチャルリアリチィーの世界だ。実物(実体)と関係なく、資産が増えたり減ったりする。資産ちゅうのはまるで風船玉みてえなもんだ。
下の記事じゃ「バブルの崩壊とは、実体経済と金融経済とのギャップ」ちゅうところにポイントがある気がするが、今ひとつ釈然としねえ。もぢろん記事の責任でねくて、拙者のオツムの問題だがのー。どなたさんか10行ぐれえで、スパッと説明できるかえ?
Re: 1年間で250兆円の資産の消失とは、何のことかえ?(ここから縄文ビト)
http://www.asyura2.com/08/idletalk34/msg/171.html
投稿者 縄文ビト 日時 2008 年 10 月 25 日 20:45:24: egUyw5BLxswRI
私も素人な者であまりよく説明できませんが。
例えとして一つ書いてみます。
たとえば100人の投資家がある会社の株を一株100円で100株ずつ持っているとします。このときの会社の株の総額は100×100×100で計100万円になります。そして投資家全員がこの会社は発展すると考えて株を手放そうとしません。
そこに一人の投資家がお金の必要に迫られ100株を証券市場に売りに出します。この100株の値段が200円で売れたとします。当然この投資家は投資した金額の二倍のお金を手にしますが、売らなかった99人の投資家は持っていた株が二倍になったわけです。
そのときの会社の株の総額は99人×200円×100株で計198万円になっています。たった一人の投資家の売りが全体の株の総額を引き上げたわけです。
そのとき動いたカネは最初の100円×100株の計1万円でした。後の99人の株は二倍になったわけですが、その増えた分のカネは単なる架空に創造されたカネであり数字上だけのカネです。
この逆が1年間で250兆円が消失した架空に創られた資産になります。
これは原油・穀物・金(キン)等の先物で売買されている実体のない商品の動きから創られていくわけです。
ただ投資家が株価が上がったときは含み益として手持ちにしていれば、また下がったときも含み損として手持ちにしていれば何の利益にも、また含み損としていれば何の損害もないのですが。上がり調子のとき買ってしまった人は、買った金額からやむをえず売った金額の差が損失ということになります。
現在の金融危機はやむを得ず売ってしまわなくてはならない人が投げ打っている姿です。
>内金といっても現金とは限らず、家畜や家具など換金できそうなものなら何でも通用した。チューリップ事件より。この段階で買いを入れた者は一部の投機家の宣伝に乗って高い価格で買いを入れた事により下がった局面での損害が大きくなる。ただし損失として計上された総金額は第二のパイの架空の金ということになる。
ここでは架空の金の損失額といえども返済するときには第一のパイでの貨幣、現金ということになる。そして個人として返済できないときは債務不履行となり、金融機関の不良債権として計上される。金融機関自体が第二のパイの中で膨らんだ部分の資金の手当てができず、一歩間違えれば現金が足りないことから取り付け騒ぎに発展する可能性を持つ。
この状態を国自体が恐れるため国民の税金等から公的資金注入として金融機関に現金を流す。この資金は架空に膨らました部分の手当てではあるが、第一のパイでの物と物(労働と労働)の交換に必要な貨幣の量をはるかに超えてしまう資金を注入することになる。この量を超えた貨幣は第一のパイの中で偏った所持として一部の人間に、金に金を生ませるやり方でより偏ったかたちで富める者の富として所持されていく。
片方では第一のパイの中で貨幣を得ることが困難な者が出現してくる。いわゆる失業者ということになる。当然このような状態の時は第一のパイには本来労働と労働の交換に必要以上の貨幣はあるが、先行きの不況という状況を恐れ労働と労働の交換をセイブ(物が売れない)してしまうためより不況色を強めてしまう。
現在の状況は労働と労働の交換が不十分な状態から来る不況と言うことができる。交換が充分に行われているときは好況時ということになり、また行き過ぎた労働と労働の交換は第二のパイをより膨らませることになりバブルを作り出すか、消費される側の労働不足からインフレということになる。
最後に貨幣は労働と労働の交換財でしかない。いくら人々が買い物にお金を使ったとしても第一のパイの中では同じ量の金がぐるぐる周りをしているだけであり。決して減ることはない。
ただ第一のパイの中で金に金を生ませるやり方で偏った所持をすれば、富める者はより富めることになり、対極にいる者の手には貨幣は回ってこないことになる。
口約束という形で物々交換、すなわち貨幣の存在しない世界でもバブルは発生しうるのであり、この現物取引ではバブル云々は断定出来ませんね。
>最後に貨幣は労働と労働の交換財でしかない。いくら人々が買い物にお金を使ったとしても第一のパイの中では同じ量の金がぐるぐる周りをしているだけであり。決して減ることはない。
これも違います。付加価値という概念を無視してこのようなことをおっしゃってはいけません。マルクス理論が実際に成立しなかったのは、この過ちを無視したからですよ。
最近、年を感じるのとマンネリ化してしまった文章の中で書く意欲をなくしてしまったと私自身は感じています。
たかおじさんの元気さには驚かされます。
>バブル発生が現物取引の時にはなかったとおっしゃいますが、物々交換経済でバブルが発生していなかったという証拠はなく、記録に残っていないだけ。
バブルはなぜ起こるのかという一点に絞れます。理論的に物と物との交換では、AからBに物が渡るだけであり、そこで消化されるのが一般的な物々交換です。
バブル発生は貴金属を用いた貨幣では保存されてしまうため、完全なる交換財にはなりえずバブルは発生しないのではないかと考えます。もしそのような例がありましたらその例を教えてください。
最初期の貨幣というかたちをとるならば、その中の特定のものがAからBにわたりさらにその物がCに渡ったときそれは貨幣になりうる形態だといえます。さらにCからDに渡りDからEに渡るということではその物は貨幣になりうるものであり貨幣化したものとして固定化されます。つまりある特定な物(最初期には宝貝等)が交換の仲介物になったわけです。
>口約束という形で物々交換、…
これは物が動いていないゆえ物々交換にはなりません。
付加価値云々と言っていますが、この場合を指す付加価値とはどういうものかを教えてください。ただし貨幣の持つ保存機能による金利発生は除く。