甲州街道の高井戸宿についてちょこっと知りたかったので、杉並区の郷土博物館へ行ってきました。
最寄駅はどこになるんだろう?私は京王井の頭線の永福町から歩いて、大宮八幡宮経由で行きました。地下鉄丸ノ内線の駅からも歩けますよ。それぞれの駅から歩いて20~30分くらいでしょうか。
【旧井口家住宅長屋門(博物館入口)】
入口には立派な門があります。旧井口家住宅長屋門を移築したものだそうです。井口家は代々この付近の名主を務めた家柄で、この長屋門の建築年代は文化・文政の頃とのこと。
【博物館正面玄関】
立派な長屋門をくぐると、博物館の正面玄関に出ます。
入館料は100円(中学生以下は無料)。写真も不許可の表示がないものは撮影OKでした。
端午の節句に合わせて五月人形が飾ってありました。
常設展示室には、杉並区の古代から昭和に至るまでの出土品、古文書、生活雑貨などが展示されています。
【上高井戸宿復元ジオラマ】
目指す高井戸宿関係の資料・展示は…。
まず、高井戸宿のジオラマ。これ、細かく作られています。新宿の歴史博物館で見た内藤新宿のジオラマもそうだけど、見ていて当時の様子が目の前によみがえってくるようです。東海道五十三次の宿場とは全く雰囲気が違う、のどかな宿場風景が広がってきます。
基本的に男って、こういうジオラマに心躍るんですよね~(ですよね?)。
その他にも、高井戸宿近辺の農村の実態を示す古文書類など。
【特別展パンフレット】
3月末にリニューアルオープンした博物館。特別展示室では、そのリニューアル記念として、
「人々の暮らしとつながりに焦点をあて、学芸員お勧めの資料を展示し、杉並の人とモノのつながりについて紹介」
していました。
226事件で凶弾に倒れた陸軍教育総監・渡辺錠太郎の邸宅(杉並区荻窪)にあった卓袱台が印象的でした。当時の銃弾痕(後年、修理して埋めた痕跡)が残っています。この卓袱台に隠れて家族は難を逃れたのだとか。
【旧篠崎家主屋】
博物館の敷地内に古民家が移築されています。旧篠崎家主屋です。篠崎家は杉並の平均的な本百姓の農家で、移築に際して調査が行われ、建築当初の状態に復元したとのこと。ちなみに寛政年間(1800年頃)に建てられたそうです。
主屋の中では、囲炉裏に火をくべて、お茶のサービスが行われていたのですが、閉館間際だったのであえなく時間切れ。
【旧篠崎家主屋の屋内】
さて閉館時間も近づいてきたので、あとは資料を買わないと。高井戸宿の資料としてあらかじめ目星をつけておいたものは、運よくストックがありました。
でも、驚いたのは、「ご自由にお持ちください」の資料が充実しているということ。それも小冊子的な、ほんとにタダでいいの?って感じで。
A4サイズの「炉辺閑話」は、8ページものの小冊子で、杉並の史跡の紹介や収蔵品・資料の説明が掲載されています。発行は年2回ですが、これ、ほんとに無料でいいの?
さらに研究紀要と年報が一緒になった冊子(A4サイズで80ページもの)まで無料。
杉並の郷土史に限定されているとはいえ、この充実ぶりは素晴らしい!☆☆☆クラスだと思ったのでした。
【戦利品の数々】
今回手に入れた資料の中でも、「甲州道中「高井戸宿」(文化財シリーズ26)」は、高井戸宿の復元鳥瞰図があったり、1843(天保14)年に編纂された、「甲州道中宿村大概帳」の高井戸宿関連が全文掲載されていたりと、なかなかのすぐれもの。高井戸宿を調べるにはもってこいの資料でした。これで1000円は安いでしょ。杉並まで足をのばした甲斐があったというものです。
唯一残念だったのは、上高井戸宿の本陣「武蔵屋」の木製看板が出展されていなかったこと。
ま、これはまた機会があればいつかね。