日日の幻燈

歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと

【note】杉並区立郷土博物館へ行ってきました

2015-05-07 | 日日の幻燈

甲州街道の高井戸宿についてちょこっと知りたかったので、杉並区の郷土博物館へ行ってきました。
最寄駅はどこになるんだろう?私は京王井の頭線の永福町から歩いて、大宮八幡宮経由で行きました。地下鉄丸ノ内線の駅からも歩けますよ。それぞれの駅から歩いて20~30分くらいでしょうか。

【旧井口家住宅長屋門(博物館入口)】


入口には立派な門があります。旧井口家住宅長屋門を移築したものだそうです。井口家は代々この付近の名主を務めた家柄で、この長屋門の建築年代は文化・文政の頃とのこと。

【博物館正面玄関】


立派な長屋門をくぐると、博物館の正面玄関に出ます。
入館料は100円(中学生以下は無料)。写真も不許可の表示がないものは撮影OKでした。

端午の節句に合わせて五月人形が飾ってありました。
常設展示室には、杉並区の古代から昭和に至るまでの出土品、古文書、生活雑貨などが展示されています。

【上高井戸宿復元ジオラマ】


目指す高井戸宿関係の資料・展示は…。
まず、高井戸宿のジオラマ。これ、細かく作られています。新宿の歴史博物館で見た内藤新宿のジオラマもそうだけど、見ていて当時の様子が目の前によみがえってくるようです。東海道五十三次の宿場とは全く雰囲気が違う、のどかな宿場風景が広がってきます。
基本的に男って、こういうジオラマに心躍るんですよね~(ですよね?)。

その他にも、高井戸宿近辺の農村の実態を示す古文書類など。

【特別展パンフレット】


3月末にリニューアルオープンした博物館。特別展示室では、そのリニューアル記念として、
「人々の暮らしとつながりに焦点をあて、学芸員お勧めの資料を展示し、杉並の人とモノのつながりについて紹介」
していました。
226事件で凶弾に倒れた陸軍教育総監・渡辺錠太郎の邸宅(杉並区荻窪)にあった卓袱台が印象的でした。当時の銃弾痕(後年、修理して埋めた痕跡)が残っています。この卓袱台に隠れて家族は難を逃れたのだとか。

【旧篠崎家主屋】


博物館の敷地内に古民家が移築されています。旧篠崎家主屋です。篠崎家は杉並の平均的な本百姓の農家で、移築に際して調査が行われ、建築当初の状態に復元したとのこと。ちなみに寛政年間(1800年頃)に建てられたそうです。
主屋の中では、囲炉裏に火をくべて、お茶のサービスが行われていたのですが、閉館間際だったのであえなく時間切れ。

【旧篠崎家主屋の屋内】


さて閉館時間も近づいてきたので、あとは資料を買わないと。高井戸宿の資料としてあらかじめ目星をつけておいたものは、運よくストックがありました。
でも、驚いたのは、「ご自由にお持ちください」の資料が充実しているということ。それも小冊子的な、ほんとにタダでいいの?って感じで。
A4サイズの「炉辺閑話」は、8ページものの小冊子で、杉並の史跡の紹介や収蔵品・資料の説明が掲載されています。発行は年2回ですが、これ、ほんとに無料でいいの?
さらに研究紀要と年報が一緒になった冊子(A4サイズで80ページもの)まで無料。
杉並の郷土史に限定されているとはいえ、この充実ぶりは素晴らしい!☆☆☆クラスだと思ったのでした。

【戦利品の数々】


今回手に入れた資料の中でも、「甲州道中「高井戸宿」(文化財シリーズ26)」は、高井戸宿の復元鳥瞰図があったり、1843(天保14)年に編纂された、「甲州道中宿村大概帳」の高井戸宿関連が全文掲載されていたりと、なかなかのすぐれもの。高井戸宿を調べるにはもってこいの資料でした。これで1000円は安いでしょ。杉並まで足をのばした甲斐があったというものです。

唯一残念だったのは、上高井戸宿の本陣「武蔵屋」の木製看板が出展されていなかったこと。
ま、これはまた機会があればいつかね。





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【note】新緑の大宮八幡宮と鞍掛けの松

2015-05-06 | 日日の幻燈

【一の鳥居】


昨日、東京都杉並区の大宮八幡宮に行ってきました。
もともと杉並区の郷土博物館へ行く計画を立てていて、ならば普段は杉並区に縁もゆかりもない身なれば、せっかくだから近くに名所でもないかな?と調べていたところ、この大宮八幡宮に行き当たったわけで。
そういえば、最近買った江戸時代の村尾嘉陵の紀行文「江戸近郊道しるべ」(安部孝嗣訳 講談社 2013年)にも、この大宮八幡宮に詣でた話が出ていたっけ。

【二の鳥居】


で、行ってみてビックリ。かなり大きな神社です。もっと村社的なこじんまりとした神社を想像していました。
まず参道が立派。一の鳥居と二の鳥居の間の参道は、緑に覆われ清々しい気分になります。3月末から4月初旬は満開の桜が見事だとか。

【神門】


ちょうどお祭り(わかば祭り)の真っ只中、境内はかなりの賑わいでした。植木なんかも売っていて、それがお目当ての人もかなりいるようです。

【拝殿1】


大宮八幡宮は、平安時代後期、源頼義によって創建されたとのこと。頼義の子・八幡太郎義家も、社を修築し松を植えるなど縁が深いそうです。
江戸時代には寺領30石だったとか。武士で30石というと、ちょっと貧乏侍?ってイメージですが、寺領30石はどんな程度だったのでしょうかね。
豊臣秀吉が小田原征伐の際に八幡宮宛に出した制札や、由井正雪が奉納したと伝わる絵馬(8代将軍吉宗が本物と鑑定したとか…)があるそうですが、普段は非公開。残念。

【拝殿2】


手を合わせていく人も結構いて、行列になっていました。もちろん私もきちんとお参りしてきました。
ちなみに「子育て・安産・縁結び・厄除け開運」にご利益があるらしい。私の場合はいつもの通り、

「いいことがありますように…」

【菩提樹】


境内の菩提樹は、家康の二男・結城秀康の側室・清涼院が植えたと伝えられているそうです。近くにはなんじゃもんじゃの木、八幡太郎義家が植えた松(…実は枯れてしまって2代目だとか)もありました。

【参道の屋台】


お祭りには欠かせない屋台。遊びに来ている近所の子供や家族連れが買っているのを見て、ついつい私も…。

【屋台のお団子】


アツアツのお団子。醤油辛い味をイメージしていたら、けっこう甘かった。小さな子供も美味しく食べられるように…との配慮かな?
そういえば、小さいころ、お団子ってあんまり美味しいとは思わなかった。でも甘い餡子のお団子は大好きだったな…なんて思い出しました。

【参道】


さて、大宮八幡宮に来たからには、「鞍掛けの松」を見ていかねば。神社の方に聞いたら、鳥居を出てまっすぐ500メートルくらい行ったところ、とのこと。このまっすぐ続く道はかつての参道だそうです。今は道の両側に住宅が立ち並んでいます。

【鞍掛けの松】


これが噂の「鞍掛けの松」です。
参道沿いにあるので(神社に向かって左手)、見落とす心配はありません。
八幡太郎義家が、奥州へ出征するときに馬の鞍を掛けたという伝承が残る松で、村尾嘉陵も書き留めていて、江戸名所図会にも記録されています。江戸時代には名所となっていたのですが、すでに松は枯れて代替わりしていたようです。


そんなわけで大宮八幡宮。
じっくりと境内を巡れば、まだまだいろいろとありそうなのですが、すでに3時半をまわっていて、気になるのは博物館の閉館時間。
う~ん…残念ですが、当初の目的地である郷土博物館へ向かったのでした。




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【note】「Amelia」(ショートフィルム)のゴシック的な世界観を堪能する

2015-05-04 | 日日の幻燈


時計技師のネッドが理想の女性を造り上げる。
彼女の名はアメリア。
彼女の動力に、ネッドは自分の心臓の半分を差し出した。
その結末は-。

ゴシックでオカルト趣味でスチームパンク。そんなショートフィルムです。MALICE MIZER的な雰囲気を感じたり。


ネッドに、Nick Dillinger
アメリアには、Danielle Argyros
そして監督は、Frank Lucatuorto

セリフは皆無で、物語を読み聞かせるようなナレーションが淡々と入ります。もちろん英語で、字幕もありませんが、映像を観ているだけでも十分にストーリーは味わえます。

20分弱のショートフィルムですが、ゴシック的な雰囲気を味わいたい方は是非どうぞ。




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【note】「セッション」観てきました

2015-05-03 | 日日の幻燈


映画「セッション」、観てきました。
アカデミー賞で助演男優賞など3部門受賞。

ジャズドラマーでの成功を夢見る音楽学校に通う主人公と、彼を鍛える音楽教師の物語。
いわゆるスポ根もののミュージシャン・バージョン。
大成するミュージシャン達って、ここまでやるのか?ほんと、狂気と紙一重。

なんだか賛否両論あるみたいで。とくに専門的な立場の人は手厳しい意見を述べているようです。日本だけじゃなくてアメリカでも。
映画なんて賛否両論あってあたりまえだけど、自分のような専門外の者にとっては、そんな専門的な議論は置いておいて、面白いか、つまらないか。

で、映画は…
観ていて息つく間もない…という感じです。下手なアクション映画よりもドキドキ感・ハラハラ感。主人公がドラマーなので、全編ドンドコドンドコ、ダダダダダダダ…っていう感じで(…わかる?)
衝撃のラスト9分19秒。ハッピーエンドととるのか、悲劇的結末ととるのか…。自分の本当の感想を言うと、かなりネタバレに近くなってしまうので、あとは観てのお楽しみ、ということで。

比較的小さな映画館とはいえ、大入りでした。




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【note】煉瓦亭で元祖ポークカツレツを食べてきました

2015-05-02 | 日日の幻燈


昨日、銀座の洋食屋・煉瓦亭へ行ってきました。
何を食べたか?
もちろん、元祖ポークカツレツです。

煉瓦亭が銀座にオープンしたのは1895(明治28)年。
文明開化したとはいえ、まだまだ日本人には、肉を食べるということに抵抗があった時代。まずは築地に住んでいた外国人たちの間で評判になり、その後、日本人たちへと浸透していったようです。
と、文章にしてしまえば数行で簡単に終わってしまいますが、その苦労と努力は並大抵ではなかったかと。


さて、煉瓦亭へ食べに来たのは2回目。前に来たのはもう10年位前?そのとき何を食べたのかは、覚えていません。
今回は、「明治洋食事始め」(岡田哲著・講談社・2012年)を読んで、煉瓦亭がポークカツレツ発祥の店と知り、はなからポークカツレツ目当てで。

平日だけど、ちょうどお昼時。やはり店の前に何人か並んでいる。でも、回転がはやいのか、10分くらいで案内されました。店内地下へ。そういえば、前に来た時も地下だったか。


さて、お待ちかねのポークカツレツ(1500円)。それとライス(300円)。ライスやパンは別料金です。

うん、美味しかった!

カツにナイフを入れサクサクと切り分ける感触から、柔らかくジューシーな食感まで、大満足。
ちなみに、添えてあったキャベツの千切りも、ここが元祖だとか。店内に置いてあった栞によると、ハヤシライス、オムライス、カキフライ、エビフライもこの店で誕生したのだそうだ。


そういえば、2、3軒隣には、元祖カツカレーのグリル・スイスもある。数年前、偶然にこの店に入って、へぇ~、ここがカツカレー発祥の洋食屋だったんだ…て、驚いた記憶があります。
銀座って、ホント、文明開化が始まった地なんだな…と、元祖ものに弱い私は、なんだか感慨深い思いに浸ってしまうのでした。





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