風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「名古屋の都市河川・山崎川に、100種余もの野鳥が!=『山崎川鳥撮会』の写真展へ」

カワセミ

オオルリ

亀ちゃん元気かね、とコサギ君


「すごい!名古屋の市街地を流れる都市河川にいる野鳥の種類が、こんなに多いとは……」
名古屋市博物館(瑞穂区瑞穂通)で開催されている「山崎川鳥撮会写真展」を拝見しての率直な驚きと感想でした。展覧会は10日まで。

山崎川は名古屋・千種区の平和公園にある猫ヶ洞池から、一部暗渠を流れ、他の川と合流して名古屋港に注ぐ2級河川。流域にはマンションが林立する住宅街や大学、陸上競技場などが並びます。
日本さくら100選にも選ばれた桜並木には、僕も毎年のように訪れていますが、大きなコイなどを目にすることはあっても、野鳥を意識することはありませんでした。

その野鳥たちの生態を観察して、カメラに収めているのが「山崎川鳥撮会=やまざきがわとりとりかい」のみなさん。
会のホームページ(http://yamazakigawa.org/)によると、入会資格は60歳以上の名古屋市民。現在の会員は92歳を筆頭に30人余で活動、作品展を2011年から毎年開いており、今年は7回目です。入会などの問い合わせは瑞穂福祉会館(052-841-3113)で受け付けているそうです。

鳥撮会がこれまでに山崎川で確認した野鳥はオオヨシキリ、キビタキ、ハシボソガラス、コサギ、ジョウビタキ、カワセミ、ケリ、カイツブリ、エナガ、トラツグミ、ハクセキレイ、ホシゴイ・・・。海との距離もさほどないので、ユリカモメやイソヒヨドリなどもいて、何と108種ほどとか。

冒頭に掲載した案内はがきの「オガワコマドリ(♂)」は、昨年11月20日から今年5月4日まで、地下鉄新瑞橋駅近くの新瑞橋下で初めて越冬。この情報を知った野鳥ファンやカメラ愛好家が現地へ詰めかけ、中には東京から新幹線で訪れた人もいたそうです。

「野鳥を撮影するのに一番大切なことは何ですか?」と、応対してくださった会員に尋ねてみました。
「やっぱり根気と根性です」と話し、こうも付け加えられました。

「自主規制するしかないことですが、シャッターチャンスを作るためにエサを蒔くようなことはやめたいですね。エサをやると、野鳥はそこに居付いてしまいますから」
自然の生態や環境を守ること。これも会が目指すことだし、愛好家のマナーでもあるのですね。

写真展会場には、山崎川だけでなく市内外に出かけて撮った傑作を含めて1人2点ずつ、計約60点が展示されています。
写真に添付された撮影者の短行のコメントや、場内に流れる野鳥のさえずりに加えて、多くの写真を並べて「お気に入りがあれば1枚お持ちください」といった嬉しい配慮もされています。

作品展を拝見した後、山崎川に立ち寄ってきました。
初めてオガワコマドリの越冬が確認できた新瑞橋や桜並木を歩き、カラスやコサギのような姿を見かけたものの、撮影位置を探している間にどこかへ飛んで行ってしまいました。何事も簡単ではありませんね。

※掲載した写真は、山崎川以外での写真も入っています。

キビタキ

ライチョウ

ジョウビタキ

 オガワコマドリ

初めてオガワコマドリの越冬が確認された山崎川の新瑞橋

春は花見の舞台です(2017年春)




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