風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽描き水彩画「東山動物園の仲間たち ・ペンギンの鳴き声 =カラスに向かって「カアー」

            
    カラスに向かって「カアー」と鳴くイワトビペンギンを描きました

                               
                          このイワトビペンが鳴いたのです           
     
ペンギンって、どんな声で鳴くのかご存知ですか。
僕は先日、初めて聞きました。これまで聞き流していた可能性もありますが・・・。

名古屋の東山動物園は植物園が併設されているので、自然林を含めて緑がいっぱい。だから、空を自由に飛び回る鳥もたくさんいます。
一番目につくのはカラスでしょう。動物たちの食事中に、ちゃっかりお相伴させてもらっているカラスがいます。子ゾウのさくらちゃんが水浴びをする水たまりでも「カラスの行水」をよく見かけます。

先日、ペンギン舎を訪れた時でした。
70mほど離れた雑木林の方から、いつも以上に大きな声でカラスの合唱が聞こえてきます。
その時、岩場にいた一羽の頭に飾り羽が特徴のイワトビペンギンが、林の方に向かって大きな声を上げたのです。
「カアー」

なに、これ。再び雑木林からカラスが鳴く声が聞こえると、応えるように声を張り上げました。
「カアー」
カラスよりもひと回り大きな体。胸から息を一気に吐き出すような高くて鋭く太い声は、カラスたちに届いたことは間違いないでしょう。しばらく、カラスの声が止まったようですから。
でも、1度にひと声だけで、カラスのように続けて何度も鳴きはしませんでした。カラスの声が小さいとその方向を見ているだけです。

カメラの位置を変えて構えた直後、カラスの大きな声が聞こえてきました。すかさず、ペンギンが返しました。10分間ほどその繰り返しが続き、ペンギンが声を張り上げる様子を描いたのがこの絵です。

ペンギン舎にはイワトビペンギンだけでなく、コウテイペンギン、フンボルトペンギンの計3種のペンギンが多数いますが、もう1羽が時おり同じような声で加わっただけで、残りは知らんふりでした。

鳴き声を描けないのは残念です。
ネットにも北海道旭川市の旭山動物園のペンギンたちをはじめ、いろんな鳴き声の録音が紹介されています。その中には、東山動物園のペンギンと似た声もありましたが、僕の聞いたイワトビペンギンの声はどれよりも大きく高かった気がします。
種類によって違いがあり、同じ種類の中でもさまざま。もちろん、成鳥とヒナでは全く違うようです。ひと声だけでなく連続して鳴いているのもいます。

僕が聞いたイワトビペンギンだって、いつも同じではないでしょう。動物にとって声は最も大事なコミュニケーション手段ですから。

何千、何万もいる営巣地で、海から揚がってきた親鳥が迷わずに子どものところへたどり着ける訳が分かった気がします。
また、この日のイワトビペンギンの声を文字で表現する場合、「カアー」なのか「カー」、あるいは「クワー」なのか、自信はありません。でも、僕には「カアー」と聞こえました。

僕はカラスの鳴き声にペンギンが「うるさい。静かにしろ」と一喝しているように思いましたが、ペンギンがカラスの真似をしていたのかもしれません。
あるいは、自分の声の自慢をしてみたり、種類の違う動物仲間とのコミュニケーションを試みていたのかも・・・。

「何をバカなことを、くどくど言っているのだ」と笑われそうですが、だから動物園に出かけること、動物を描くことが楽しいのです。

            
          動物園内の木立にとまるカラス
 
      
      シマウマ舎にもカラスの姿が
              
 アジアゾウのさくらちゃんの水浴び場でも「カラスの行水」です






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