和服の柄や文様の染色型紙として生まれ、現代では工芸品やインテリア、家具などの装飾にも生かされている伊勢型紙。
重要文化財であるこの伝統技術の保存・伝承者、六谷春樹さんが開く「六工房伊勢型紙教室」の第14回作品展が、名古屋市民ギャラリーで開かれています。25日(日)まで。
伊勢型紙の生産は、室町時代に始まったとされています。
江戸期には徳川御三家のひとつ、紀州藩が飛び地領とした現在の三重県鈴鹿市白子地区の主産業として奨励。現在ではここが全国生産の大半を占めています。
六谷さんは、鈴鹿市寺家の自宅はじめ、名古屋の朝日カルチャーセンターや中日文化センターなど8カ所で「六工房伊勢型紙教室」を開いており、展覧会はこれらの教室の合同展。
市民ギャラリーの3つの展示室に、灯り用に彫られた市松模様のデザインや創作彫刻型紙の絵、切り絵など、彫刻刀を手に創作した約60人の作品200点余が並んでいます。
「最近は比較的若い方も教室に入られます。初めての方には絵の模写のように、作品を見ながら彫ることから始めてもらいますから、どなたでもできます」と六谷さん。
そして、続けました。「大切なのは意欲と根気と集中力です」。そりゃ、そうですよね。