冷え込みの強まりとともに花数が少くなった庭で、存在感のある花。常緑低木樹のヤツデです。
半日陰の中で光沢のある大きな緑の葉と、乳白色の小さな花の集まりである幾つもの球形は見事です。
よく見ると、花の周りをハエやハチのような小さな虫が盛んに飛び交っています。花にへばり付くように張り付き、蜜を吸っているようです。
チョウなどが姿を消す季節に開花するヤツデ。僕にはさほど匂いは感じませんが、残っている虫を1匹でも呼び寄せるため甘い匂いを広く放つように進化してきたのでしょう。
小さな虫たちにとっては、数少ない冬のレストランというわけです。
ところで毎日のように目にしているのに、ヤツデの葉が何枚あるのか知りませんでした。「八手だから8枚だろう」くらいに思っていたのです。
ところが図鑑などによると7~11枚。しかも、なぜか奇数だとか。偶数の8枚というのはないわけです。
ちなみに庭のヤツデの葉の数をざっと数えてみたら7枚と9枚。同じ株なのに違うようです。8枚はありませんでした。
「八手」というのはどんどん先に広がる「末広」の意味からのようです。そして別名は「天狗の羽団扇(テングノハウチワ)」。ヤツデの姿や形を見ると、どちらも頷けます。
㊤が7枚㊦が9枚です