知多木綿の里・愛知県知多市岡田地区へ出かけたスケッチ取材で訪ねた「手織りの里・木綿蔵 ちた」での一枚です。
ここは明治初期に築かれたという蔵を活用して、知多木綿の歴史から製品までを理解し、手織り体験もできるところ。たくさんの織機が置かれ、財布やコースターから衣服まで数多くの手織りグッズが並んでいます。
何か描けるものはないか。悲しいかな、いつのもの調子で目を走らせます。古い建物、何台も並ぶ織機、売店の様子・・・。と、目に留まったのが売り場にある中高年女性向きのいわゆるおばさん帽子とバックです。
この帽子とバッグだけでなく、他のグッズも無造作というか、無作為というか、デパートのブランド品とは真逆の陳列風景です。
言い換えれば親近感、ゆったり感でいっぱい。遠慮はありません。同行の女性たちも気軽に品定めを楽しんでいます。
形も色も違い存在感のある両者を一枚の絵に収めるのは絵画の常識からすればピント外れでしょうが、ユーモアを感じて描いてみました。
ただ、木綿織布地らしさをどう出すか、バックの細かな模様をどう描くか・・・。楽ではありませんでした。10号です。