東海道五拾三次で知られる浮世絵師・歌川広重が魚も描いていた!。
名古屋にある三菱UFJ銀行貨幣資料館で開催されている広重の復刻版画「魚(うお)づくし」展を見てきました。展覧会は2月24日(日)まで(月曜・祝日は休館)。入館無料です。
美人画や風景画を描き、ゴッホやモネらにも影響を与えたとされる歌川広重(1797-1858)ですが、花鳥画も描いたようです。
「魚づくし」はそのひとつ。出来栄えが優れているとされる版元の永寿堂と山庄(山田屋庄次郎)が扱った作品が、合わせて22枚展示されています。
タイやカツオ、カレイ、カナガシラ、サバ、トビウオ、アカウオ、それにクルマエビやアワビ、コイやアユなどさまさま。
うろこなどの表現がやや器械的な感じもしますが、鮮やかな色彩に加え、アサガオやユリ、ナス、ナンテンなどの植物が描き込まれていることで魚の生きいき感や季節感を高めているようです。
絵には狂歌も書き込まれています。これは狂歌師たちの注文を受けて描かれたからとみられているそうです。
会場では広重の「魚づくし」の他に、小林清親(1847-1915)の「東京名所図」展も催されています。
小林は写真や油彩画を学び「光線画法」という描法を編み出した画家。江戸情緒の残る東京を描いて「明治の広重」ともてはやされたそうです。
これは小林清親の作品「駿賀町雪」です