左利きの人が最初に手にする左手・左利き用品(レフティ・グッズ)といえば、やはりハサミでしょうか。
私の世代などは、最初の不便、苦労の一つがハサミでした。
私の子供の時代といえば、もう60年前ということですが、当時は左用のハサミというのは、市販されていませんでした。
一部では存在したのでしょうけれど、子供用まではなかったのではないでしょうか。
昔は刃のかみ合わせが緩く、右用を左手で使うと、刃を開く方に力が働き、刃と刃の間に紙をはさんでしまい、切れないのですね。
でも、右用ハサミと左用ハサミの違いを知らなかったので、まわりの子供が使えるのに自分は使えないので、自分が不器用なダメな子だと思っていました。
「馬鹿と鋏は使いよう」ということわざがあります。
意味と解釈は以下の通りです。
《【意味】馬鹿と鋏は使いようとは、人を使うときは、その人の能力をいかせるように、うまく使うべきであるという教え。》
《【注釈】切れないハサミでも、使い方によっては何かの役に立つように、愚かな者でも上手に使えば役に立つものだということから。
能力のない者をばかにして言ったことばではなく、使う側の力量や能力を言ったことばである。》
(故事ことわざ辞典
http://kotowaza-allguide.com/ha/bakatohasami.html)
私自身も、このことわざのように、ハサミというものは使い方で切れるもの、ハサミが使えない私は、役立たずだと思い込んでいたのです。
*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』左手/左利き用はさみについて―右用と左用ハサミの違い―
2004.10.27
右利き用と左利き用のはさみ、どこがどう違うの?
2012.11.22
左利きの意識とハサミの話【左利きライフ研究家のできるまで】第4回
そのハサミと使い方について、最近は、子供用のハサミだけでなく、ハサミの使い方、切り方の本も出ているのですね。
これは役に立ちそうです。
特に左利きの子供の場合、まわりに左利きの大人がいないと、なかなか適切なアドバイスをもらえないものです。
その点、本があれば助かります。
右手で切る場合と左手で切る場合では、実は全く逆になり、左利きの子供の場合非常に困るケースもあるのです。
それは、右端から左回り(反時計回り)に切るような場合です。
普通によくある(右利き用の)教材では、こういうケースがよく出てくるのです。
これは困りものです。
(こういう右端から右回りに切る場合)
┌――――┐
|┏━━┓|
|┃━┓┃|
|┗━┛┃|
└―――×┘
(×:はさみ)
(┃太線:切り取り線)
そこで、今回見つけた本を紹介しましょう。
(1)『2歳 さいしょのはさみ (学研の幼児ワーク はじめてできたよ)』
加藤信巳 (企画・原案) 学研プラス (2020/6/18)
・(学研のサイト)中身を見る
(以下、Amazonのページから)
出版社の紹介文――
■本から切りとりやすい、ミシン目つき
■はさみの安全で正しいつかいかたを知る
■指導のポイントがわかる
などがあり、そして左利きの子用の一番のポイントとして、
とあります。
先ほども指摘しました、右手で切りやすい左回りの切り方の際(基本右用ですが)、左利きの子も裏返すことで使えるという点です。
通常のものは、右用オンリーになってしまいがちです。
裏返しても何もなく、一方通行のもの。
もちろん、「常に、左利きの子は裏から」というのは、ちょっと残念な気はします。
しかし、現状では、何もないよりはマシ、です。
将来的には、右用の教材と左用の教材が併存しているようになれば、理想なのですけれど。
紹介画像について――
「はさみデビューをばっちりサポート」欄で《はさみの選び方・持ち方/はさみの選び方・持ち方・つかい方のコツがわかる解説つき。》とあり、
はさみの持ち方画像には、上下で、右利きの場合(記載はない)と「左利きの場合」がしめされています。
「はさみつかいがうまくなる」欄では、《「左利き」の子もOK/利き手に関係なく、だれでもトレーニングできる。》で、「右利き用(左回りの線)」と「左利き用(右回りの線)」がそれぞれ表のページと裏のページに印刷されていて《どちらを見ても切れます》と紹介しています。
・・・
3歳用もあります。
↓
(2)『3歳 さいしょのはさみ (学研の幼児ワーク はじめてできたよ)』
加藤信巳 (企画・原案)学研プラス (2020/6/18)
・・・
器用さを身につけるには、それぞれの身体に合った道具を使うことが、第一歩です。
左利きの子供には、左利きの子供の手にあった左手・左利き用のハサミを使い、適切な教材とアドバイスで、楽しくハサミの使い方を学んでほしいと思います。
*参照:過去に紹介した「左利き」のお子様向けの練習本――字の書き方の本の例――
『お茶でっせ』2019.12.27
左手で字を書く左利きに優しい伝統的!縦書き幼児向けひらがな練習本
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/12/post-9d5ca2.html
(1)『特別限定版 3~4歳 はじめてのひらがな (特典つき) (学研の幼児ワーク)』 学研プラス (2019/3/12)
(2)『6歳 くせのないきれいな字になるひらがなれんしゅうちょう 学研の頭脳開発』学研プラス (2014/3/25)
(3)『ユーキャンの正しくきれいに! かきかたれんしゅうちょう【ひらがな・カタカナ・すうじ】』和田 康子 (著) U-CAN (2014/7/18)
『お茶でっせ』2013.10.29
左手書き(左利き)に適した『ひらがなれんしゅうちょう』
『ひらがなれんしゅうちょう』小野村 哲 (著), 特定非営利活動法人リヴォルヴ学校教育研究所 (編集), 平石 哲 (イラスト)
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きの子に優しい『さいしょのはさみ』(学研の幼児ワーク はじめてできたよ)2歳用,3歳用のこと
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私の世代などは、最初の不便、苦労の一つがハサミでした。
私の子供の時代といえば、もう60年前ということですが、当時は左用のハサミというのは、市販されていませんでした。
一部では存在したのでしょうけれど、子供用まではなかったのではないでしょうか。
昔は刃のかみ合わせが緩く、右用を左手で使うと、刃を開く方に力が働き、刃と刃の間に紙をはさんでしまい、切れないのですね。
でも、右用ハサミと左用ハサミの違いを知らなかったので、まわりの子供が使えるのに自分は使えないので、自分が不器用なダメな子だと思っていました。
「馬鹿と鋏は使いよう」ということわざがあります。
意味と解釈は以下の通りです。
《【意味】馬鹿と鋏は使いようとは、人を使うときは、その人の能力をいかせるように、うまく使うべきであるという教え。》
《【注釈】切れないハサミでも、使い方によっては何かの役に立つように、愚かな者でも上手に使えば役に立つものだということから。
能力のない者をばかにして言ったことばではなく、使う側の力量や能力を言ったことばである。》
(故事ことわざ辞典
http://kotowaza-allguide.com/ha/bakatohasami.html)
私自身も、このことわざのように、ハサミというものは使い方で切れるもの、ハサミが使えない私は、役立たずだと思い込んでいたのです。
*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』左手/左利き用はさみについて―右用と左用ハサミの違い―
2004.10.27
右利き用と左利き用のはさみ、どこがどう違うの?
2012.11.22
左利きの意識とハサミの話【左利きライフ研究家のできるまで】第4回
そのハサミと使い方について、最近は、子供用のハサミだけでなく、ハサミの使い方、切り方の本も出ているのですね。
これは役に立ちそうです。
特に左利きの子供の場合、まわりに左利きの大人がいないと、なかなか適切なアドバイスをもらえないものです。
その点、本があれば助かります。
右手で切る場合と左手で切る場合では、実は全く逆になり、左利きの子供の場合非常に困るケースもあるのです。
それは、右端から左回り(反時計回り)に切るような場合です。
普通によくある(右利き用の)教材では、こういうケースがよく出てくるのです。
これは困りものです。
(こういう右端から右回りに切る場合)
┌――――┐
|┏━━┓|
|┃━┓┃|
|┗━┛┃|
└―――×┘
(×:はさみ)
(┃太線:切り取り線)
そこで、今回見つけた本を紹介しましょう。
(1)『2歳 さいしょのはさみ (学研の幼児ワーク はじめてできたよ)』
加藤信巳 (企画・原案) 学研プラス (2020/6/18)
・(学研のサイト)中身を見る
(以下、Amazonのページから)
出版社の紹介文――
《はさみデビューをする幼児さん向けの、はじめてワーク。
いらない紙を自由にチョキチョキするのも楽しいですが、単純作業になりがち。うまく切れなくてイライラしたり、お子さんのはさみづかいにヒヤヒヤしたり…
お子さんの手指の運動能力にあった問題で、きちんとはさみの練習をしましょう。
2歳向けの本書では、ちょきん! と一回で切るところから、まるく切り取るところまで、ステップアップできるようになっています。》
《はさみワークとしての使いやすさのポイント》として、
■本から切りとりやすい、ミシン目つき
■はさみの安全で正しいつかいかたを知る
■指導のポイントがわかる
などがあり、そして左利きの子用の一番のポイントとして、
《「左利き」の子もOKということ。
利き手に関係なく、だれでもトレーニングできる。》
《■右利きのお子さんも、左利きのお子さんも
左利きのお子さんでも右利きのお子さんと同様のレベルで練習ができるように、裏面にも絵と切り線、はさみマーク(はさみを入れる始点マーク)を入れています。
例えば自然に内側へ曲がるカーブを切る練習の場合、右利きの場合は左へ向かって曲がります。左利きの場合は、右曲がりのカーブになるように、裏面の絵を見て切ることができます。》
とあります。
先ほども指摘しました、右手で切りやすい左回りの切り方の際(基本右用ですが)、左利きの子も裏返すことで使えるという点です。
通常のものは、右用オンリーになってしまいがちです。
裏返しても何もなく、一方通行のもの。
もちろん、「常に、左利きの子は裏から」というのは、ちょっと残念な気はします。
しかし、現状では、何もないよりはマシ、です。
将来的には、右用の教材と左用の教材が併存しているようになれば、理想なのですけれど。
紹介画像について――
「はさみデビューをばっちりサポート」欄で《はさみの選び方・持ち方/はさみの選び方・持ち方・つかい方のコツがわかる解説つき。》とあり、
はさみの持ち方画像には、上下で、右利きの場合(記載はない)と「左利きの場合」がしめされています。
「はさみつかいがうまくなる」欄では、《「左利き」の子もOK/利き手に関係なく、だれでもトレーニングできる。》で、「右利き用(左回りの線)」と「左利き用(右回りの線)」がそれぞれ表のページと裏のページに印刷されていて《どちらを見ても切れます》と紹介しています。
・・・
3歳用もあります。
↓
(2)『3歳 さいしょのはさみ (学研の幼児ワーク はじめてできたよ)』
加藤信巳 (企画・原案)学研プラス (2020/6/18)
・・・
器用さを身につけるには、それぞれの身体に合った道具を使うことが、第一歩です。
左利きの子供には、左利きの子供の手にあった左手・左利き用のハサミを使い、適切な教材とアドバイスで、楽しくハサミの使い方を学んでほしいと思います。
*参照:過去に紹介した「左利き」のお子様向けの練習本――字の書き方の本の例――
『お茶でっせ』2019.12.27
左手で字を書く左利きに優しい伝統的!縦書き幼児向けひらがな練習本
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/12/post-9d5ca2.html
(1)『特別限定版 3~4歳 はじめてのひらがな (特典つき) (学研の幼児ワーク)』 学研プラス (2019/3/12)
(2)『6歳 くせのないきれいな字になるひらがなれんしゅうちょう 学研の頭脳開発』学研プラス (2014/3/25)
(3)『ユーキャンの正しくきれいに! かきかたれんしゅうちょう【ひらがな・カタカナ・すうじ】』和田 康子 (著) U-CAN (2014/7/18)
『お茶でっせ』2013.10.29
左手書き(左利き)に適した『ひらがなれんしゅうちょう』
『ひらがなれんしゅうちょう』小野村 哲 (著), 特定非営利活動法人リヴォルヴ学校教育研究所 (編集), 平石 哲 (イラスト)
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きの子に優しい『さいしょのはさみ』(学研の幼児ワーク はじめてできたよ)2歳用,3歳用のこと
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