レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

冬季臨増・名作の中の左利き 既刊号一覧2~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii345号

2012-12-30 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第345号のお知らせです。

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第345号(No.345) 2012/12/29 冬季臨時増刊「■名作の中の左利き■既刊号一覧 part2」」は、
■名作の中の左利き■既刊号一覧 part2(2011年5月-2012年12月発行分)です。

前回 part1は、2011年2月まで、本編12回と番外編2回分のバックナンバーのURLを紹介しました。

第319号(No.319) 2012/6/30「■名作の中の左利き■既刊号一覧 part1」

今回はその続き、2011年5月から今月までの18本の一覧です。

2011年9月の第278号(No.278) 2011/9/17からは、推理小説編がスタートしました。(現在も継続中!)

ホームズやそのライヴァルといわれるアブナー伯父(ポースト)、異色作家ジェラルド・カーシュの短編、坂口安吾とその原作によるアニメ作のシナリオ、阿刀田高のショートショートや人気作家・恩田陸、松本清張やクリスティー(戯曲の名作)といった巨匠の作品。
さらに、本城雅人『シューメーカーの足音』(2011)や愛川晶『ヘルたん』(2012)のような最近の作品まで、左利きにまつわる作品を紹介し、左利きに関しても考察しています。

読み落としの確認、再読等にご利用ください。

詳細は本誌で。

 ・・・

今年の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』はこの号で終わりです。
また来年もよろしくお願い申し上げます。

【『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』新規購読者募集中!】

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「冬季臨増・名作の中の左利き 既刊号一覧2~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii345号」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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第7回<LYGP>2013読者大賞アンケート~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii344号

2012-12-28 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第344号のお知らせです。

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第344号(No.344) 2012/12/22 「<左利きプチ・アンケート>第7回<LYグランプリ>2013 読者大賞アンケート」は、
<左利きプチ・アンケート>~第7回<LYグランプリ>2013 読者大賞アンケートです。

これは、2月10日<左利きグッズの日>を記念した毎年恒例のイヴェントで、前年(今回は2012年)最も活躍した、最も話題となった、記念すべき<左利きの人・物・事>を顕彰するものです。
左利きライフ研究家・レフティやすおが選ぶ候補のなかから、読者アンケートによる投票で決定します。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【 第7回 <LYグランプリ> 2013 】
             (Lefty of the Year Grand prix)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―2012年左利きの人・物・事―
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

以下の九つの候補から一つを選んで投票してください。


1 左利き・左使い【ロンドン五輪メダリストたち】
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671881
2 左利き人気タレント・AKB48卒業【前田敦子】さん
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671882
3 右利き・左手打ち囲碁棋士【井山裕太】5冠
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671883
4 サッカーJリーグMVP・左足利きFW【佐藤寿人】選手
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671884
5 左右両用携帯ハサミ【レイメイ ペンカット・ミニPENCUT mini】
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671885
6 左手書字研究サイト【『レフティ生活 万年筆編』】
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671886
7 左利き用品開発【無印良品 プロジェクト ハートフル・左利き】
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671887
8 左利きの悩み解消【ガスト スープ用お玉(レードル)の形状改善】
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671888
9 もっとほかにあるやろ!(例:左利きギター【ゆらめき楽器】)
┗http://personal-dictionary.com/enq/in.asp?ans=321671889

 ※ 現在の結果を見るのは、こちら 

 *このアンケートは、2012.12.22-2013.2.10頃まで実施します。


メールから投票できなかった、というお便りが届きましたので、
今回は、メルマガから投票選択肢の項目とURLを転載しました。


アンケートへの投票は、このURLを利用するか、上記↑「まぐまぐ」本誌バックナンバーからお願いします。

個別の項目の詳細も、同様に本誌バックナンバーで。

【本誌購読者募集中!】↑


 ○●過去の<LYグランプリ Lefty Yasuo's/Lefty of the Year Grand prix>●○

▼第1回<LYグランプリ>2007▼
【読者大賞】/【審査員大賞】左利きの本部門:
 『非対称の起源』クリス・マクマナス/著
  大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10
【審査員・思い出しま賞】箱崎総一と左利き友の会
 『左利きの秘密』立風書房 マンボウ・ブックス 1979.6
【審査員・巨匠賞】大路直哉
 著書『見えざる左手』三五館 1998.10
 共著書『左ききでいこう!―愛すべき21世紀の個性のために』
 フェリシモ左きき友の会 2000.6 
 サイト『クラブレフティ』http://homepage3.nifty.com/club-lefty/
【審査員・特別賞:斎藤茂太(11月逝去)
 『左ききの人の本』MG出版 1987(昭和52)年

▼第2回<LYグランプリ>2008▼
【読者大賞】該当なし
【審査員大賞】行事イヴェント部門:
 TOKYO LEFTEOUS PROJECT ON 13TH AUG.
  ~左利きの気持ちになってみる日~ (左箸の接客運動)
【審査員・思い出しま賞】
 山城新吾と川谷拓三による日清どん兵衛CM(昭和54年頃?)
 (左手箸で即席麺を食べるテレビCM)
【審査員・特別賞(反面教師賞)】
 横澤彪 J-CAST テレビウォッチ「横澤彪のチャンネルGメン69」
 「国分太一くん、箸は右手で持とうよ」記事、および続編
 「国分太一くん、オレも左利きなんだ」の両記事

▼第3回<LYグランプリ>2009▼
【読者大賞2009】/【審査員大賞2009】左利きの本部門
 八田武志/著『左対右 きき手大研究』化学同人 2008.7
【審査員 特別賞・思い出しま賞】王貞治(監督退任)

▼第4回<LYグランプリ>2010発表▼
第206号(No.206) 2010/3/20「第4回<LYグランプリ>2010発表」
【読者大賞2010】左利きの本部門:
 『左利きの人々』渡瀬けん/著 中経の文庫 2009.1

【審査員大賞2010】左利きの本部門:
 『左利きの子 右手社会で暮らしやすくするために』
  ローレン・ミルソム/著 笹山裕子/訳 東京書籍 2009.4
【審査員 がんばったで賞】「菊屋浦上商事」浦上裕生
(左手・左利き用品販売店) http://www.kikuya-net.co.jp
〒229-0031 神奈川県相模原市相模原6丁目26番7号
【審査員 特別賞】山城新吾(8月逝去)
【審査員 残念賞・思い出しま賞】ひでゆき「左利きの小ネタ」
 (有名左利きサイト、2月頃消滅)

▼第5回<LYグランプリ>2011発表▼
第252号(No.252) 2011/2/26「第5回<LYグランプリ>2011結果発表」
【読者大賞】「該当なし」【読者賞】5件
【審査員大賞】「左利きの事」部門:「DESIGN for LEFTY」展
 (デザインから左利きを考えるイベント)
【審査員・「継続は力」で賞】
 「左利きの事」部門:8.13 Enjoy lefteous Day
【審査員・残念で賞】元大相撲横綱・朝青竜(引退)

▼第6回 <LYグランプリ> 2012▼
第299号(No.299) 2012/2/11「第6回<LYグランプリ>2012発表」
【読者大賞】「該当なし」【読者賞】4件
【審査員大賞】大阪府/人権学習シリーズvol.7 みえない力 左利きの国?!

左利きの日を祝おう!

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「第7回<LYGP>2013読者大賞アンケート~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii344号」を転載したものです。
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最初の衝撃!【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第5回

2012-12-26 | 左利き
【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第5回

第4回2012.11.22 左利きの意識とハサミの話
では、小学校低学年時代だろう?ハサミの思い出を中心にお話しました。

今回は、いよいよ私にとっても最も大きな影響を与えた事件について書いてみましょう。

 ●「ぎっちょ/左ぎっちょ」と「差別」

すでに書いたことですが、小学校入学時(1960(昭和35)年)に親は先生に「左利きだがどうしたらよいか」と相談した、といいます。
担任の先生は「何も問題はない、そのままでいい」という答えだったようです。
その後、親からも先生からも特に何か指導を受けたという記憶もなく、利き手の変換(かつて右手使いが正しいという意味から「矯正」と呼ばれた指導/私はこれを間違った表現、誤った用法であると考えています。/詳細は2012.6.11 第1回参照)等の指導に関して言えば、誰からも何も言われることはありませんでした。
そういう意味では(少なくとも私のまわりでは1960年代は)良い時代に入っていた、といえるでしょう。

しかし何事にも始まりがあるように、物心つくとともに、私にとっての左利きに関する精神的な“苦闘”が始まりました。
そして、いつの時代にも物事の本質が理解できない人がいるもので、そういう人々との“戦い”が始まるのでした。

「少年時代その1(左利きマイヒストリー・エッセイ)」「最初の衝撃!」より
左利きの「矯正」(右手を使うように指導することを当時はこう呼んでいた)に関しては、家の中、学校のクラスでは特に精神的問題を感じることなくすごしていたのですが、あるとき突然大きなショックに出会うことになりました。

当時は、まだまだ人々の中に、左利きに対する偏見が根強く残っていた時代です。
「ぎっちょ/左ぎっちょ」(※)という言葉が一般に普通名詞として使われていました。

時代がまだ「差別」という考え方に敏感でなかった時代でもあったのでしょう。
マスコミにおける「差別(用)語」の登場がいつからかは存じませんが、世間一般ではまだ「差別(用)語」といったものの存在を認識していなかったのではないでしょうか。

(※)「ぎっちょ/左ぎっちょ」という言葉が実際に「差別(用)語」であるかどうかは別にして、一部マスコミではそのような言葉の一つとされているようで、一般にもあまり使われなくなってきています。
また、左利きの人の中でも両論あり、私の小さい頃のように差別的にこの言葉を用いられた経験から「嫌だ/差別(用)語だ」という人もいます。
単に「左利きを表す言葉であり、差別的な意味合いはない」と考え、「実際に使っているし、親しみの気持も抱いている」という人もいます。


 ●最初の衝撃!

はっきりした記憶はないのですが、多分小学四年生ぐらい(1963(昭和38)頃か?/9歳?)ではなかったでしょうか。
多分おばあちゃんが亡くなったお通夜の晩だったろうか、と思います。

おばあちゃんのうちで親戚の人がそれぞれ順番に交代で食事をすることになりました。
うちの家族も、親兄弟別々に食事をしました。

私の順番のとき、知らないおじさんと一緒になり、ほかにも一人か二人いっしょにいました。

そのとき、私が左手で箸を使っているのを見たおじさんが、「左利きは頭がおかしい」というような発言をしました。
具体的な言葉は忘れてしまいましたが、そういう感じの発言でした。

まだ子供だった私はただ小さくなって聞いているだけでした。

当時もそれ以前も、(学校内ではまったくなかったことでしたが)近隣で子供たちから「ぎっちょ!ぎっちょ!」とはやしたてられることはありました。
ですから、ある程度のことには慣れていたはずです。

世の中には左利きのことを悪く言う人もいるのだ、という事実は知っていましたし、実際、私自身左利きであることに対する「引け目」を感じていました。


 ●「頭がおかしい」発言によるショック

それでも正直この言葉は、ショックでした。
「左利きはおかしい」というのなら、ある程度耐えられたでしょう。
しかし、「頭がおかしい」は、非常に強烈で、ダメージの大きな言葉でした。

「頭が悪い」ぐらいなら聞き流すこともできたでしょう。

(私自身、家庭内では親からも、そういう言葉を聞かされたことはありませんけれど。

 少し脱線しますが、書いておきます。

 うちの親は、子供を悪く言うようなことはまずありませんでした。
 殴るなど手を挙げることもまずありませんでした。
 何か悪いことをしたとしても、せいぜいがシッペぐらいでした。
 ひどい悪さをした記憶もありませんでしたが。

 お天道様が見てはる、ばちが当たる、といった言い方で叱ることはありました。
 私の場合、内気と言いますか、人前で挨拶できない子だったので、挨拶は? と注意されることはよくありました。)


「頭が悪い」程度のことならば、自分でも特別賢いとか頭がいいと思ったことはありませんでしたから、それはそれで致し方ない、という気持ちにはなったでしょう。
しかし、何度も言いますが「頭がおかしい」はかなり気になりました。


要するに、左利きは<頭の“配線”が狂っている>というようなニュアンスだったのでしょう。
<頭の“配線”が狂っている>から、結果として、<左手/側を使うような誤った行動を起こすのだ>的なイメージです。

これは、“今”の、大人になってからの私なりの解釈です。

ただ、当時の私の感触を思い出せば、<異常な人間>、差別(用)語で言えば、<気違い>という単純なものです。
単純な言葉だからこそ、強烈なのです。

とはいえ、その場では大人相手ということもあり、何も言えませんでした。


 ●親にも言えないこと

心は打ちのめされていましたが、「誰にも言えない」という気持ちでした。
親に話せば、それなりに慰めてももらえたかもしれません。
何かしら力になってもらえたかもしれません。

しかし、「口が裂けてもそれは言えない」という気持ちでした。

「親に心配をかけることはできない」と思いました。
親が悲しむだろう、という気持ちもあったでしょう。

今、世間でよくいじめが問題になっています。
その際、どうして親にも黙っているのか、といったことが問われますが、私にはその気持ちがわかる気がします。
私の場合も似たようなことだったか、と思うからです。

ネットで上記記事を挙げるまで、一切このことは誰にも話したことはありませんでした

まあ、それぐらい心に突き刺さる言葉であり、心を硬直させる出来事だったのです!


 ●ある決意

それから私は、ある訓練を開始しました。
右手で鉛筆を持って字を書く練習を始めたのです。
運動会のかけっこの賞品としてもらっていた、大きな升目のノートを使って。

もちろん最初は、箸の練習をすることを考えたのですが、箸を人目を避けて練習するのは難しく、まずは字から始めることにしたのです。
宿題をやっているように見せかけて、勉強机でそっと右手で字を書く練習をしました。


そういう気持ちになった動機について話しましょう。

一つは、負けず嫌いという性格があったでしょう。
「見返してやる!」というわけです。

もう一つは、両方やれるようにして、臨機応変に対応することで、危険を避けるという処世術とする、といった気持もあったでしょう。
普段は家でも学校でもさほど左利きであることに圧力を感じてはいなくても、出先で外食したり、字を書く場面などで、何か嫌な思いをしていたので、一念発起したというところです。  

自分では完全に右手にという思いはなく、右手も使えたら、という感じでした。
人前では右手を使い、目立たなくしたい、という作戦です。
そうすれば、バカなおっさんに嫌味を言われて泣くこともない、というわけですね。


さらにもう一つの理由としましては、左利きを恥じる気持ちもあったということです。

家庭やクラス内をのぞけば、以前にも書きましたように、世間では子供たちのみならず大人も含めて、左利きを否定的に考える傾向がありました。
まるで“出来損ない”の人間のように見られていたのです。

当時はまだそういう空気が社会の中にありました。
それを呼吸して人は生きていたのです。

私の心も、当然そういう空気に染まっていたのでした。


自分の左手使いに関しては何も言われなかったのですが、自分の中で、やはり左利きを恥じるというか、隠す気持ちはありました。

内気で気が小さい、引っ込み思案である、自分に自信がないという性格のせいもありましたが、黒板の前に出て発表するのが嫌で、問題などわかっていても手を上げることはしませんでした。

黒板に左手で字を書くのが嫌だったのです。
というか人に見られるのが嫌だったのですね。

人前で晒し者にされているような気がしたのです。

それらの動機から、私は親兄弟に隠れて、そっと秘密の特訓を始めたのでした。


 ●秘密の特訓

ちょうど運動会の時にもらった賞品に、小学校の低学年が使うようなマス目の大きなノートがありました。
「もうこんなノートは使わへんわ」と思っていたのですが、これが役に立つ時が来たのですね。

まずは、書きやすいカタカナから五十音順に書き始め、次にひらがなに入ったという記憶があります。

カタカナというのは、楷書の漢字から作られたといわれています。
基本的に真っ直ぐな線の組み合わせです。
比較的書きやすいものです。
一画ずつ力を入れて、グッグッと書いてゆけばいいのです。

しかし、ひらがなは意外に難しいのです。
曲線が大変だったのです。
適当に力を抜いて丸く書く、というのが難しいのです。

そこで方針変更して、簡単な漢字を先に練習しました。

漢字は基本的に縦横の直線でできています。
カタカナの延長のようなものです。
漢数字の一、二、三というようにだんだん画数の多いものへと進んでゆきました。

自分の名前はもちろんです。

かなりの時間を割いて練習した甲斐があって、いちばん最初に自分の名前をそれなりのレベルで書けるようになりました。

ただし、かなり時間がかかるのです。
全神経を鉛筆の先に集中して一画一画力を込めて書いてゆくわけですから。

しかし練習中、大きな升目に習いたての幼児が書いたような文字を見ていると、情けなくなってきます。
左手でならそれなりの文字を書けるというのに…。
「何でこんなことをしてるんやろう」と思うことも一度や二度ではなかった、と思います。


 ●左手書きでも「けっこうきれいな字だ」

実は、これも同じ小学校の四年生の―たぶん始めの方、一学期でしょうか。

ある日のこと、先生が席を回りながら、みんながノートに字を書く様子を見まわり出したのです。
そして、私が書くノートの字を見て「字がきれいだから書記をしなさい」と言うのです。
あやうく、クラス内の委員をやらされそうになったことがありました。

自分で言うのもなんですが、わりときちっとした性格なので、一画ずつきっちりと教わったとおりの楷書で、小学生としてはそこそこきれいな字を書いていたのでしょう。

ここは何とか逃れたようです。
なぜなら、書記としてのこれといった記憶がありませんから。

でも正直に言いますと、左手書きでしたが、自分でも「けっこうきれいな字だ」と自信はあったように思います。

それでもやはり人目に立つのは、嫌だったのです。
人の目が怖かったのです。


 ●忙しくなれば…

そして小学校も高学年になってきますと、授業中ノートを取ることも多くなります。
そうなってきますと、少しくらいなら右手で字が書けると言いましても、これでは到底間に合わなくなってくるのでした。

家庭でも宿題が増えてきますと、同じく時間が足らなくなってきます。
えっちらおっちら右手で字を書く練習などしている余裕はありません。

というわけで、右手書きはいつしかやめてしまいました。

元々左手で充分できることであり、間に合うことだったのです。
本来、必要のない行為だったのですから、やめるのは当然といえば当然のことでした。

※本稿は、『左利きを考える レフティやすおの左組通信』
「少年時代その1(左利きマイヒストリー・エッセイ)」「最初の衝撃!」を基に書いています。

*参照:
レフティやすおの左利き自分史年表

【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】過去の記事
2012.6.11 第1回
2012.6.19 第2回 幼少時の記憶から
2012.7.5 第3回 利腕を骨折しても…
2012.11.22 左利きの意識とハサミの話

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「最初の衝撃!【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第5回」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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名作~推理編『検察側の証人』クリスティー~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii343号

2012-12-20 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第343号のお知らせです。

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第343号(No.343) 2012/12/15 「名作の中の左利き~推理小説編・番外~犯人は左利き?『検察側の証人』クリスティーは、
■名作の中の左利き■~推理小説編・番外~犯人は左利き?『検察側の証人』クリスティーです。

今回は番外とありますように、小説ではなく、戯曲です。
舞台はもちろん、映画でも1957年、巨匠ビリー・ワイルダー監督により映画化され有名な名作です。

『検察側の証人』Witness for the Prosecution
 アガサ・クリスティー 加藤恭平/訳 早川書房 クリスティー文庫 (2004/5/14)


人の良さそうな青年は、お金持ちの未亡人と知り合い、信頼を得、ついに遺産相続人となります。
ところが、未亡人は撲殺され、彼には妻だけがアリバイの証人ですが…。

撲殺の状況から犯人は左利きか?と推察されます。
そこで、弁護士は、左利きらしい未亡人の長年の住み込み家政婦に焦点を絞って弁護を始めますが…。

結末の意外性で有名な作品ですが、途中経過も人間心理をうまく活かして非常に巧みに仕込んでいるのは、さすがクリスティーと言えるでしょう。


詳細は本誌で。

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「名作~推理編『検察側の証人』クリスティー~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii343号」を転載したものです。
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左利きギター・ベースのオンライン専門店 ゆらめき楽器

2012-12-18 | 左利き
今年4月に設立されたという、レフティ専門の通販楽器店です。

私は音楽、楽器の方はまったく“音痴”なので、早い時期に情報を知りながら、放置していました。
年末ということで、紹介しておきます。

 ●ゆらめき楽器

左利きギター・ベースのオンライン専門店。
地方に住む左利きの人たちが
もう楽器をあきらめる必要はありません。


「ゆらめき楽器について」のページには、こうあります。
左利きギタリストにこだわりの1本を
「10人に1人がひだりききなのに、左利きギターはなぜ10本に1本も売っていないのか??」
...(略)...
あれ??
取り寄せになるんだったら、「ネットで買っても変わらないんじゃないか?」

それが僕がゆらめき楽器を始めたきっかけです。
...(略)...
株式会社caravina 八木太亮

ツィッターでも、左利きの情報を発信されています。
ゆらめき楽器Twitter
【左利き情報募集】ゆらめき楽器のアカウントでは左利きあるあるや左利き情報を募集中です!!@での連絡をお待ちしています!


最近知ったことですが、実は、このオーナーさんは、神奈川県相模原市の“左利きグッズの店”でも有名な「菊屋浦上商事」の浦上裕生さんの後輩に当たる方だそうです。

聞いたところによりますと、ご自身は右利きだけれど、左利きのお友達がギターで苦労しているのを見て、この仕事を思いたったとか。

左利きの活動においては、左利きの人自身が立ち上がることはもちろんですが、同じサイドに立ってくださる異なる立場の人(要するに右利きの人ですね!)がどれだけ現れるか、がポイントだと思っています。

そういう意味からも、心強い存在だと思っています。


 ●心で演奏するためには利き手で弾こう!

本当に心から音楽を楽しむためには、自分の身体に合った道具を使うべきです。

私の持論は<利き手は心につながっている>というものです。

これは左手用カメラ<京セラ・サムライZ2-L>を使っていて、感じ取ったことです。
「これだ!」と“心”が感じた瞬間を利き手で切り取る―写し取る。

それまで右手用のカメラを使っていたときは、何かしら靴の上から足を掻くような、ガラス越しに遠隔操作しているようなもどかしさを感じていました。

(『レフティやすおの左組通信』
左利きphoto gallery〈HPG4〉世界初 左手用カメラ/京セラKYOCERA サムライSAMURAI Z2-L


楽器も同じです。
楽器も“心”から演奏するなら、左利きなら利き手である左手で行うべきです。


脳科学者・久保田競先生の著書『脳を探検する』(講談社 1998/03)

(『レフティやすおのお茶でっせ』2004.9.15 『脳を探検する』久保田競

の中で、両手の使い分けについて書かれています。

利き手は利き手らしく器用に、そうでない手(非利き手)もそれなりに使う。
通常、人は利き手を心や感情・意志によって働きかける「作用する手」として用い、非利き手はその「補助・感覚器官」として用いる。

大工さんが鉋かけをするときは、右手で鉋を使い、左手で削った面を触って確認する。
寄席の「紙きり」芸では、利き手でハサミをすばやく動かし、非利き手で正確に紙の位置を変える、というように。

ギターで言えば、利き手で巧みに弦を弾き、非利き手で弦を確実に押さえる。
ピアノなら、利き手でメロディを弾き、非利き手で伴奏する。

一眼レフカメラで言えば、利き手で心の欲するシーンでシャッターを切り、非利き手で正確なレンズを操作を行う。

私はこれが、本当の“心”からの演奏であり撮影だ、と思っています。


もう妥協するのはやめにして、音楽を本当に心から楽しもう、心から満足できる演奏をしたい、と考えている左利きの人のなら―
左利きギター・ベースを考えている方は、一度このサイトをのぞいてみてはいかがでしょうか?

きっとあなたのベスト・パートナーが見つかるのではないでしょうか。

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「左利きギター・ベースのオンライン専門店 ゆらめき楽器」を転載したものです。
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神事及び宗教と左利き(1)~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii342号

2012-12-13 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第342号のお知らせです。

 ・・・

第342号(No.342) 2012/12/8「左利きとマナー(11) 神事及び宗教と左利き(1)」は、
▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲―その19―左利きとマナーの11回目、神事及び宗教と左利き(1)です。

神事や宗教を出されると、答えるのが難しいものです。
従来は避けて来ましたが、この際ですので、まだ充分勉強できていないのですが、何かの参考になればと思い、現状で思うところを書いてみました。

 ●神事及び宗教と左利き
 ●大相撲における基横綱・朝青龍の左手刀問題
 ●時代とともに変化しても良い
 ●宗教的タブーも組織内の決まり事
 ●一般化、習慣化したタブーは?

詳細は本誌で。


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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「神事及び宗教と左利き(1)~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii342号」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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サッカーJリーグ優勝サンフレッチェ広島・左利きFW佐藤寿人4冠に輝く

2012-12-09 | 左利き
ちょっと前のニュースですが、サッカーJ1リーグで優勝したサンフレッチェ広島左利きのFW佐藤寿人選手が、MVP得点王ベストイレブンフェアプレー個人賞の4冠に輝きました。

以下↓によりますと―
2012.12.4 寿人MVP!史上初4冠/Jアウォーズ

この4冠受賞は、史上初だそうで、なかでもフェアプレー賞では《J1で09年10月を最後に、98試合連続で警告を受けていない》といいます。
僕の2人の息子もサッカーをしています。息子にはもちろん、サッカー少年にはフェアプレー精神を少しでもトップレベルの位置から伝えられたらと思います」

さらに、今年の4月7日のガンバ大阪戦で、史上10人目となるJ1通算100得点を達成。
過去9人はいずれも右利きで、左利きの選手では初めて、といいます。
9年連続で2ケタ得点という史上初の快挙も成し遂げた、とあります。

身長が170センチと私(“公称”171センチ、実際は170.5センチとか?)とほぼ一緒という、スポーツ選手としては小柄なのですが。

ところで、私はサッカーといっても国際試合のテレビ中継を少し見る程度ですので、佐藤寿人選手が左利きとは知りませんでした。
知った限りは、これからも注目し、応援してゆきたいと思います。

ぜひ、トヨタ・クラブW杯でも活躍して欲しいものです。
(で、どうなったのかなあ?)

【追記】23:20
『TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン2012』準々決勝
アフリカ代表アルアハリ(エジプト)に1対2で敗れ、12日アジア代表蔚山現代との5位決定戦に回る。
試合は、雪が舞う中豊田スタジアムで行われた。開始早々の4分にGK西川周作選手が相手選手と接触、負傷で退場する波乱の幕開けとなり、先制を許す。前半32分、CKからのこぼれ球を佐藤選手が右足で同点ゴールを奪うが、後半勝ち越しの一点を決めた。

佐藤寿人公式サイト
<プロフィールより>
生年月日:1982.3.12
身長 / 体重:170 cm / 68kg
血液型:A型
出身地:埼玉県
ニックネーム:ヒサト
利き足:左
利き手:右
好きなサッカー選手:F・インザーギ(元イタリア代表)
サッカーを始めた年齢:6歳

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「サッカーJリーグ優勝サンフレッチェ広島・左利きFW佐藤寿人4冠に輝く」を転載したものです。
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左利きが使いやすい定規(3)まとめ~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii341号

2012-12-06 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第341号のお知らせです。

 ・・・

第341号(No.341) 2012/12/1「レフティ・グッズ・プロジェクト <左手・左利き用品を考える>第10回 定規を考える(3)」は、
「レフティ・グッズ・プロジェクト <左手・左利き用品を考える>の10回目として、前回、前々回に引き続き定規を考える(3)まとめ編です。

 ●直線定規
 ●三角定規
 ●使い方の指導について
 ●機能を活かせば便利なものに!

使い方の指導の疑問例として、以前紹介したことのある、動画・静止画による様々な道具の使い方を示した「小学校における教育用コンテンツ集」から、三角定規を使った<左手例>を取り上げています。
左利き児童への指導として適切なものかどうか、読者の皆様にもぜひ検討していただきたいと思います。

道具というものは、それにふさわしい使い方をすれば―機能を発揮させれば、便利なものとなります。
しかし使い方を誤れば、宝の持ち腐れとなります。

レフティ・グッズも、“真に”左利きにふさわしい機能を有するものでなければ、そして、“真に”左利きの使い方に沿った指導がなされなければ、意味がないのです。

詳細は本誌で。

*参照:
『レフティやすおの左組通信』
「〈HPG6〉左手/左利き用文房具(筆記具・定規・その他)」
・<定規(ものさし)ruler>欄に掲載した「アルミ定規30cm」

・はしゼロメモリ三角定規 10cm APJ132 レイメイ藤井

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「左利きが使いやすい定規(3)まとめ~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii341号」を転載したものです。
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書道家・武田双雲氏の左利きの子の習字指導発言について思うこと

2012-12-02 | 左利き
テレビでおなじみの書道家・武田双雲氏が、11月22日、自身のブログ<書道家・武田双雲 公式ブログ『書の力』>で左利きの子の習字指導をどうするかについて、以下↓のような記事を書いていらっしゃいます。

左利きの子はお習字はどうする?

氏はこう答えるそうです。
「両方で書けたらもてます(^-^)v」
さらにこう続けています。
うちの息子も左利きですが、/両方で書きます。
そして、
うちの書道教室でも左利きの子はなぜか多いのですが、みんな器用に両方で書けます。/でもやはり自然と右で書くようになるんですよね。

理由として、
字は右ききが前提で開発されてるから。/結局、書きやすい方に流れますから

しかし、どうなんでしょうか。
私の体験では、確かに大筆を使う大きな文字は右手で書けても、脇に小筆で小さく書く自分の名前はなかなか書けないものです。

そのレベルまで行ってるのかどうか、私は怪しいのではないか、という気がします。
少なくとも大部分の子が、という点で。

それと、「左利きの子」と一口に言っても、左利きの度合いがどうかという問題があります。
一見左利きっぽい子―左もある程度使える子もいます。
そういう子供の場合は、書けるんでしょうね。

でも、そういう子供ばかりとは言えないという気もします。


そして、一番大事なことは、「両方で書けたら…」といわれるのは、常に左利きの子だという事実です。

多分武田双雲氏も、左利きの子にしか言わないのではないでしょうか?

教室に来る子供全員に対して、
「両方で書けたらもてます(^-^)v」
と言っているのでしょうか?


左利きの子供に対してよく言われる教育法―しつけの方法として、「両方使えたら便利でいいね」といった言葉があります。
「右手も使わせて、両利きにしましょう!」という場合もあります。

一見、筋の通った意見のように思えますが、実は立派な“差別”発言です。

なぜそう言えるのか?

いつも私は言うのですが、「両方使えて便利になるのは、左利きの子だけではない」ということです。
右利きの人だって、右手をケガした時などは、左手が使えれば便利です。

「両手が使えて便利になる」のは、決して左利きの子供だけではないのです。
右利きの子供だって両方使えれば、便利になります。

ところが、右利きの子供に左手も使えたら便利だから、と左手を使わせる教育を施す例は、ほとんどないという事実です。
また、それを訴える親や教育者もまずいない、と言えるでしょう。

特定の人にのみ特定の行動を“強要”する行為は、“差別”と呼ばれて仕方ないのではないでしょうか?


今回の武田双雲氏の指導も、同じことです。

私はその点を非常に憤るのです。
坊主憎けりゃ袈裟まで、という意味で言うのではないですが、単に彼は自分ができることを自慢しているだけではないか、という疑惑まで感じるのです。

これは以前、2011.6.23の記事、6月13日日テレ「深イイ話」武田双雲氏左利きの書道についてでも書いたことですが。

 ・・・

もう一言言えば―

氏は、
字は右ききが前提で開発されてるから。
と書いていますが、これも事実とは言えません。

元々文字の歴史を見てみますと、発明された当初は、右手での書きやすさというのは、考慮されていませんでした。
漢字でも楔形文字でも、左右性というのは考慮されていなかったようです。
ましてや、右手で筆記しやすいように、という考えはなかったのです。

今、日本語や中国語では、縦書きは右から左へ改行してゆきます。
英語などヨーロッパ系の言語では、横書きで左から右へ綴ります。
これらは確かに右手での書きやすさを考慮した結果です。

しかし、楔形文字でも、左から右へ綴るようになったのは、発明されて1000年ぐらいたってから、突然90度回転し、今のように左から右へ綴られるようになったのだそうです。

今の文字は、右手で書きやすいように、後に“改良”されたものに過ぎないのです。

最初から右手で書きやすいものとして開発された、というものではないのです。


そういう意味でも、左手で書くということを否定することはできません。
右手で書くことだけが習字ではないのです。

要するに、右手であろうと左手であろうとなんであろうと、自分が最も書きやすいと思う、最も自然に書くことが可能だと思う器官を用いて書けばよいのです。

その結果として、右利きの人では右手となり、左利きの人では左手となる、といった違いが生まれるだけのことです。
それがいいとか悪いとかいう次元の問題ではないのです。


「右手の方がきれいな字が書ける」と言う場合の、「きれい」とはなんでしょうか?

それは、従来の基準では、全体のバランス等はともかく、基本的には<右手で書くときの書き癖を活かした形をよし>とするものに過ぎないのです。
始筆の入り方や送筆の際の右上がりの線、終筆におけるハネやトメといった形などに現れるものです。

しかし、それらも工夫をすることで、左手書きでも“真似る”ことは可能です。

実際のコンクールでは、左手書きで受賞している人も少なくないのです。
なかには、右手が不自由になり、左手で勉強しなおしたという方もいらっしゃいます。

世の中には、見やすい、読みやすいといった機能美が満たされていればよい、とする見方もあります。

本来「美」というものは、基準などあってないようなものではないでしょうか。

 ・・・

氏の言葉によれば、
双雲@人は、楽しい方へ向かうとうまくいく。
のだそうです。

左利きの人や左手で書きたい人は、左手で楽しく書けばよいのです。
そうすれば、うまくいくそうです。
双雲先生のお墨付きです、自信を持ちましょう。


*参考:<左手書字>
『左組通信』
<私論4>左手で字を書くために
<私論4>左手で字を書くために(その2)実技
『お茶でっせ』
<左手書字>カテゴリ

*『お茶でっせ』「武田双雲」関連の記事
07.10.25
左ききでは書道は無理ですか?:武田双雲『書愉道 双雲流自由書入門』から
08.7.30
『女性自身』2008年8月12日号で左利き記事
11.6.23
6月13日日テレ「深イイ話」武田双雲氏左利きの書道について
12.9.26
Twitterの威力か?[武田双雲テレビ番組左利き書道]記事にアクセス集中!


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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「書道家・武田双雲氏の左利きの子の習字指導発言について思うこと」を転載したものです。
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