タイトルからして思いっ切り誤解されそうですがちょっと真面目な話をしようと思います。
今日7月5日はビキニスタイルの日だそうです。
1946年7月5日にフランスのルイ・レアールがいわゆるセパレートタイプの水着をビキニとして発表したことからこの日がビキニの日とされ、Twitterでもトレンド入りしていました。
しかし、個人的にはその盛り上がりをみて顔が曇りました。というのもそもそもビキニという名はマーシャル諸島のビキニ環礁の事で
水着発表の4日前、1946年7月1日にアメリカが行った戦後初の原爆実験「クロスロード作戦」※Wikipediaにリンクしてますの一報を受けて原爆と同じぐらい衝撃的な水着ということでビキニの名を付けた
とされているからです。そしてこのクロスロード作戦には艦これ実装済み艦艇が3隻関わっています。
- 旧日本海軍の戦艦「長門」
- 旧日本海軍の軽巡洋艦「酒匂」
- 旧ドイツ海軍の重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」
です。
クロスロード作戦では艦艇に対する核攻撃の威力を検証するために上記の3隻以外にも連合軍側で退役が決まっていた艦艇を含め約70隻が集められ原爆実験の標的艦にされたのです。
クロスロード作戦では最初(7月1日)に爆撃機から投下されたもの(エイブル)と次(7月25日)に上陸用舟艇を浮き代わりに海面下に沈められたもの(ベイカー)の二発の原爆が使用され、軽巡酒匂は1回目の空中投下された原爆が投下予定地点をはずれほぼ直上で炸裂したために大損害を被り翌日沈没、長門は2発の原爆の爆発に耐えぬいたものの、その後誰も見ていない間に沈没。プリンツ・オイゲンは2発の原爆に耐え抜いた後、調査と除染のため曳航中に浸水の為に転覆。スクリューのみがドイツ本国に返還されたのでした。
そんな訳で原爆の脅威を示し艦これで名の知れた3隻の軍艦の終焉の海となったビキニ環礁での原爆実験に因んだビキニという水着の名を思うにネットの盛り上がりに複雑な思いになったのでした。
ちなみに
クロスロード作戦なんて古い核実験なんて知らね
と思われる方も多いでしょうが、クロスロード作戦の2回目の原爆実験「ベイカー」の映像は軍艦がずらっとならぶ海に突然巨大な霧のドーム(原爆炸裂の衝撃波に起因)と水柱が現れるという強烈なインパクトがあるが故に自分が知りうる限りで2回アメリカの有名映画で記録映像の類として登場しているので映像だけは知らないうちに見ている人は多いと思います。その映画とは
1.1998年のローランド・エメリッヒ監督作品の「GODZILLA」
2.2014年のギャレス・エドワーズ監督作品の「GODZILLA」
の二つです。エメリッヒ版のゴジラでは映画冒頭のフランスによる核実験の実験映像の扱いで、ギャレス・エドワーズ版ではオープニングの原爆実験にカモフラージュしたゴジラ抹殺作戦の記録映像として登場しているのです。
Godzilla Map of the Pacific - Opening Credits
核の脅威と原爆実験で沈んでいった長門以下多くの軍艦に思いを馳せると共に出来ることなら物事の表面だけでなくそこに至るまでに何があったのかを考えて欲しいと思った今日のビキニスタイルの日でした。
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