
世界一番紀行『世界で一番”霧に覆われる街”~カナダ セント・ジョーンズ』
5月19日(水)20:00~21:30
NHKハイビジョン
カナダ最東端に位置するニューファンドランド島。面積は本州の約半分。島の中心は人口17万のセント・ジョーンズ。15世紀以降、アイルランドの移民たちが築いた港町だ。この街の沖に広がる大陸棚=グランド・バンクスこそ「世界で最も霧の深い所」としてギネス記録を持つ。2002年には120日間連続で霧に閉ざされた。この海域では霧による衝突事故が多発。中でも有名なのが約百年前のタイタニック号の遭難だ。
危険な霧が押し寄せるセント・ジョーンズ港の沿岸警備隊は、周到な霧対策が施している。灯台ごとに音を変えた霧笛。光を発するブイ。氷山パトロール等々。片や、地元の漁師たちは鳥や犬の力をかりて、濃霧を切り抜けている。そして、漁師たちは霧の恩恵に授かる。霧が発生しやすいこの海域は世界一のタラ漁場。濃霧で出漁できない日、屋内では「キッチン・パーティー」が開かれ、家族や村の連帯感を強める。
日本では霧は迷惑なものととらえがちだが、セント・ジョーンズの人々は霧と上手に付き合っている。年がら年中、霧とともに過ごす人々の知恵と暮らしを見つめる。