シングルカスクの試飲会では、実際にテイスティングをする前に
「シングルカスク」の説明が行なわれました。これも、マニア
垂涎の企画です。
シングルモルトが好きだと仰る方がバーに通ったりするように
なると、そのうちに変わったボトルとか、珍しい銘柄を珍重する
ようになることは、自然なこととしてよくあります。
それは例えば、オフィシャルボトルの12年からスタートして、
17年、20年、25年と単一蒸溜所のバリエーションを試し
たい、あるいは様々な蒸溜所のオフィシャルボトルを試したい
というところから一歩進んで、限定生産の商品を試したい、ボト
ラーズの商品を試したいのと同様に、単一の樽の強い個性に
興味をそそられるのは自然なことでしょう。
そのジャングルの奥地にある秘境のようなところが、シングル
カスク愛好だと思います。私もすっかり虜になってしまっている
と白状します。
ここまで来ると、この先は独自ブレンドしかフロンティアが
残されていませんので、シングルカスク好きこそが通だという
ような雰囲気がありますが、それは落とし穴であって、さらに
ブレンドに進むとか、カスクの個性違いからウィスキーをデザ
インする嗜好に進むというオプションもあると思います。
とはいえ、いかに樽の種類で分類ができたとしても、厳密に
考えればひと樽ひと樽違いがあるわけですから、整理は仕切れず
管理の分野になってくるわけです。
その整理と管理の最大活用が、美味しいウィスキーを作る
もうひとつの要素でしょう。
一般に、スモークやピートの香りとか、シェリーの甘さとかが
個性の代表のように語られることが多いですけれども、味わい
のうち大きな部分を占めるボディやミドルのテイストは、酵母や
樽が作っているからです。
酵母によるバリエーションは作り手だけが知る特権ですが、樽の
バリエーションは、先の整理の知識で素人でも対応が可能になる
はずですので、その引き出しを多く持てると、飲み手の経験値
だけでなく、ブレンダーの基礎素養としても大切な財産になる
と思われます。
セミナーでは、シングルカスクができる工程を教えていただいた
のですが、これは先の管理の知識ですね(笑)
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