いつ行っても季節を感じる、古き良き一軒家のたたずまい…
最後の蕎麦にたどりつくまで、おまかせ料理に身をゆだねて、昼酒を楽しむ…
これを心行くまで楽しめる、
東村山のお蕎麦屋さん 土家 へ、再び。
予約した時間より少し早く到着すると、どうやら準備中。
なんか…この “つっかえ棒” ってのがイイナ。
ぐる~りとこの界隈を一周散歩して戻ってくる頃には、白い暖簾もかかって、開店だ。
この日も表には「満席後免」の張り紙が。
この玄関口を見ると、ついつい靴を脱がなきゃ…って思ってしまう。
「土足のままでどうぞ」と、何回も来ていて、何回も言われてるのに、
それでも入るときになんだかドキドキしちゃうのは、日本人…だから?!
この建物は、まさに古民家を改築した古民家風のたたずまいだけど、
“基礎以外は全て、土家さんがご自身で全部作りなおした” という…
要するに、“目に見えている部分は全て土家さんが作りなおしたもの” 。
天井は余計なものをとっぱらって梁が見える…この広々感がまたいいなぁ。
ハートランドの瓶ビールもあるけど、この日は日本酒からスタート。
カウンターにあらかじめ置かれているメニューには詳しい銘柄は書かれていないので、
土家さんに聞けば3~4種類書かれたメモを出してくれる。
…けど。
「今日はタイミングよく、ついさっき…10時半くらいですかね、コレが届いたんですヨ♪」
と、メモにも書かれてない状態で出してくれたのが、これまた涼しげ!
繁桝 夏に夢る雪 。
うすにごりでシュワっとはしていないのだけど、とっても軽やかな味わい。
繁桝っていうと、もっと甘~いイメージだったけど、これはキレもある。
最初の料理が出てくるまで、この食前酒のようなお酒を楽しみつつ、
土家さんに、とある事を聞いてみる。
「友達が、よく “予約しないで行くと100%ふられる”
…って言ってるんですが、満席ではなくても人は入れないんですか?」
で。
その通りのようデス。
完全予約制 なので、蕎麦も予約をもらったお客様分しか打たないんだそう。
そして、今のところ、お任せ蕎麦懐石コースは土日のみだけど(平日は単品メニューあり)、
ゆくゆくは、完全にコースのみにしたいとか。。。
でも、そ~んな「この日はこのお客様のためだけに」っていう、
まったり空間っていいよなぁ。。。
こちらも “至福な時間” を、心行くまで楽しめる。
さてさて。
お料理の一品目は 蕎麦豆腐 。
もっちり蕎麦豆腐の上に、涼しげジュレ、
そして胡麻ベースのソースに、紫蘇の花の風味が、とってもさっぱりして良いアクセント。
ジュレだけつまんでも美味しい~けど、
ぐちゃぐちゃに混ぜて食べるとこれがまた絶妙!
ちびちびつまみつつもお酒は進んじゃう♪
次は 一乃谷 別誂 山廃仕込 斗瓶中取り 。
これがまた旨い!
冷たいのをいただいたのだけど、温度が上がるにつれて、味も香りもふくよかになってく…
この味ってのが、またコクというのか深みがあるというのか、
思わず「うま~~あい♪」と口に出てしまう。
土家さんでは器や酒器もいつも素敵。
錫のチロリに…
蕎麦豆腐の器も…
こんな手作りの器も…
蕎麦豆腐の次は、待ってました!!!
見た目にも、と~~~~っても癒される、ちょびちょび盛り…これ、大好きなんだぁ(>_<)!!
左上から、じゃがいもスープ ・ わらびのお浸し ・ フルーツトマト&白酢 ・
太刀魚の揚物 ・ 姫筍のゼリー&みょうがのお漬物 ・ 山東菜 ・
タラの芽の揚物 ・ 山東菜のお浸し ・ 稚鮎の南蛮漬け ・ ヤングコーン&髭 。
いつもいつも、このちょびちょび盛りは“芸術”にも思えてしまう。
うっとり…
もちろん食べても美味しいし!
稚鮎の、漬かり過ぎず、衣もほとんど付いてない、この絶妙な揚げ方、
まるごと食べる醍醐味のはらわたの苦みがまたタマリマセン。
お酒は、2人して一乃谷が気に入ってしまって、
またまたおかわり♪♪
土家さんも「これ、おいし~~ですよね!」と、にっこり笑顔。
いつもは色んな銘柄を仕入れるのに、これは2週間ほどずーっと仕入れてるんだそう。
相当気に入ったんだなぁー!
お椀は、蕎麦掻きと姫筍、そしてぷりっぷりで大きなこの貝は蛤…?
と思ったら、この貝、浅蜊 だとか!
すっご~~おい!ほんっとにぷりぷりでこんな大きいのに。味も濃厚。
日本酒も一乃谷から変えて 鍋島 純米吟醸 雄町 。
お酒を入れる片口代わり?のこの器も面白い♪
注ぎ口が、おちょぼ口みたい。
この鍋島は、スパ!っと感じる酸がけっこうあって、かなりキレる感じ。
土家さんでは初めて出される サラダ 。
お魚は 初鰹 。
このカツオも、ねっと~り味がのってて濃厚~~(>_<)!
ドレッシングというのか、タレというのか、その酢の効いた味わいがまた巧いし旨い。
最後のお酒は、最初から決めていた “濁りもの” で、
天穏 純米にごり 。
最後の 蕎麦 も合わせて出してくれる。
細めで、このつぶつぶ感…土家さんらしい素朴な味わい。
蕎麦湯もほどよく、とろ~~~り。最後の一滴まで飲んじゃう美味しさだ。
写真はブレブレだけど(汗)、この緑茶シャーベットが、め~~~~っちゃ旨い!!
超濃厚な緑茶!って感じの味わいに小豆の自然な甘さが合うといったら。
そして一緒に出される、ホントの緑茶も、これもまたすっごく美味しい…
しみじみと「日本で…日本人で…よかったなぁ。。。」と思ってしまうひととき。。。
そして、気づけば、またまた“最後の客”になっているのでした。
いつもいつも長っ尻してしまうけど、本当に居心地が良いんだもん。
完全予約制だし、なかなか予約も取れないかもしれないけど、
ひとたび、この空間に入ると、
外の世界が「下界」に感じるような、心地良いおもてなしを受けられる…
ちょっぴり特別な休日感を味わえるから、ここは通いたくなってしまうのだ。
[ 土家 ]
東村山市野口町4-18-1
042-392-9457
11:30~14:00 / 17:30~20:30
定休日:水曜・第一火曜
禁煙
蕎麦懐石は要予約
[以前の日記]
・2012/10/25 日の傾きを感じつつ…
・2012/1/22 冬の土屋さん
・2010/7/4 土家さん手作りの器
・2009/9/2 蕎麦懐石
当日枠2席程度作ってもらえるとありがたいのですが、、、。きょうあたりから勝負祭りも始まったようです、田舎町をよろしくお願いします。(笑
へぇ、総てコースかぁ・・・よっぽど自信があるんだな。
どっかのお店思い出しちゃった・・
しばらく行ってないけど、美味しかったのは覚えてる!
>私と同じような
というより、、、、(笑)。
どんなに家から近くても突撃訪問ではダメだそうなので、
ご予約されるのをオススメします♪
>勝負祭り
「菖蒲」祭りのことでしょかね?
この日もすでに駅には東村山菖蒲祭りのポスターでいっぱいでした。
駅プランターには「造花」が飾られてましたが、お祭りが始まったら「生花」になるのでしょうか?!
でも、出すものもスタイルも日本酒も、あそこまでストイックではないというか…
飽くまでお客さん主体の考え方みたいなので、また全然違うんでしょうね、私はとても期待しちゃいます♪
でも、あん時みたく、
「右から左まで全部!」なーんて事はできなくなりますね(笑)。
とはいえ、この蕎麦懐石、特にちょびちょび盛り合わせだけでも、
ほんっとに満足できちゃいます♪