加藤杜氏 からは
「子供さんには寒いでー。
母ちゃんは一杯呑めばええけど、
風邪ひかさんようにあったかくして来てやー」
というお言葉を事前にいただきまして、
いざ出発!
ん?モコモコすぎ?(笑)ま、いっか。
というわけで。
平日から、ムスコを連れて、日帰りで、
久保本家酒造 さんに行ってきましたー!!
きっかけは、
ほんの些細なFacebookのやり取りだったと思う。
一般的な蔵見学はやってないし、
蔵の中に入れるのは「蔵人として手伝うことが前提」と聞いてるので、
ムスコが居る今は難しい。
…と思っていたら、
「僕が行ってる時に来たら?
蔵人に迷惑かけることなく、俺が蔵を案内するよー」
と、ホントの蔵人じゃないんだけど、
もうすっかり蔵人さんのように言ってくれたのが、
関東住まいの頃からずーっと大好きな蕎麦屋の
蕎麦切り さいとう さん 。
毎年、久保本家酒造さんの 生酛 の仕込み時に、
蔵人の一人として助っ人に入ってるのは知っていたけど…
まさか…マジで?!行っていいんすか?!
(もしかしたら最初はジョーダンのつもりで言ってたかもしれないけど、
私はそこは実行する派(笑))
しかも、神戸からのアクセスを調べると、そんな遠くもない。
鈍行の電車で1時間半。
前に住んでた場所から、さいとうさんに行ってた”2時間”より近い(笑)。
宇陀の道の駅で待ち合わせをして、”感動の再会” をして、いざ!
さいとうさんとは
神戸に引っ越しが決まってから、挨拶代わりに伺った時以来?!
久しぶりに、まさかこんなとこで会えるなんて...
すっご~~~~~い嬉しい!!
「ちゃんとした表は後で案内するから、とりあえず裏からね~。
ここ、小森谷(杜氏の奥さま)さんが落ちた川。
マジで落ちるから気をつけてね~。」
などなど、
ほんっとにしょっぱなから蔵人のように案内してくださって、
まずは会所場(蔵人の休憩所)へ。
と! 小森谷さんもいらっしゃるではないですか(>_<)!
うわ~~~ん!小森谷さんに会えるなんて!嬉しさ倍増(涙)!
しかも、荷物とムスコを落ち着かせてると、
「まぁ、まずは、どーぞどーぞ」
と、蔵人のヒカリさんがおもむろに茶碗に注いでくれたのが。
生もとのどぶーーー!!!(↑お酒です(笑))
ま…まぢっすか!いいんすか!
しょっぱなの、このおもてなしに、鼻血出そうになりました。
そして、さいとうさんは
「おいで。ボクが本当のパパだよ」
↑ 嫌がってるように見えるけど(笑)、実は ”嬉しい” って顔。
この後、ずっと「パパ~」と言って、後を追っかけてました。
(あのね?本当のパパじゃないからね?(笑))
さてさて。
到着したタイミングは、ちょうど 手酛(てもと)の時間。
みんなでいそいそ支度して、階段を上って「酛すり場」へ。
ヒカリさんと小森谷さんがムスコを見てくれてたおかげで、
心置きなく、蔵の中を満喫できました♪
ちなみに、私は生酛の仕込み時の蔵訪問自体が初めてで、
手酛(てもと)という作業を見るのも、もちろん初めて!
さいとうさんもタッパのでかい方だけど、
それと比較しても、この一桶はデカイ!!
「手酛」とは、ザックザックと麹によって発酵の始まってるお米を混ぜる。
砂遊びが大好きなムスコが、手を出しやしないかヒヤヒヤしてたけど、
あまりにも素早い作業に見入って、手出しできなかった模様(笑)。
この作業が終わったら、しばし桶は休ませておく。
人間は、無駄な電気は切ってるけど、
桶の中ではプチプチと発酵が進んでるんでしょうね~♪
そんな場所で、ドタバタとハッスルして走り回る人間が、約1名。。。
で、この間に、さいとうさんが蔵見学を再開!
ここは 麹室 。結構広~い!
ちなみに、この日は、いい~~かほりのする出麹はありませんでした、残念。
酒母 の部屋にも入らせてもらえました。
なんだかやっぱり「酒の母」っていうだけあって、
ピン!と張り詰めたような、ちょっと緊張感のある空気感。
「これは仕込んでから3週間だから、半分くらいかな~。」と”蔵人”さいとうさん。
”半分” というのは、加藤杜氏は酒母は仕込んでから約40日間発酵させるんだそう。
これ、かなり長い方。
すこしもとを利かせてもらえました。
「後で、口ゆすいでくださいね!酸が強いから歯が溶けちゃうんで。」
「こっちの方が香りがキテルよ~~」と、さいとうさんが、オイデオイデ。
仕込んでからの日数はこっちの方が若いのに、香りがまた全然違って面白い!
この後は一階に降りて、仕込みタンクを見学。
この小さめのタンクは、ひっさびさに仕込んだ 純米大吟醸 だそう。
それにしても、クンクン香りを嗅いでも…大吟醸っぽくなーーーイ!!
加藤杜氏曰く「吟醸香がでたら失敗や」だそう(笑)。
とジョーダンで大袈裟に言ってるけど、
それは加藤杜氏の考え方が
”料理の味を邪魔しないお酒を造りたいから”。
小森谷さん曰く
「野球で例えるなら、料理がピッチャーで、
キャッチャーであるお酒は、その味を受け止めておいしくする。
(親方の受け売りです(笑))」
たとえ、純米大吟醸であっても、その信念を貫く。
っていうのが、なかなか他の蔵には見られないところなのかな。
ちなみに、
仕込みタンクの大きさを見て思うのだけど、
写真からは伝わらないかもしれないけど すっごい 大きい 。
今まで、いろんな蔵を見学させてもらったけど、
その中でもかなり大きい方だと思う。
というのも、昔は「桶売り」と言ってお酒のOEMをしていたこともあり、
タンクだけは立派に大きかった・・・と。
今は桶売りなんてことはやってないけど、
でも使える設備は活用!ということで、
大きなタンクで半分くらいの ”もろみ” を仕込むことで、
泡消しとかの設備投資の必要がなく、
「この大きな風呂で思う存分、勝手に発酵するが良い!はっはっは~」
というワケらしい。(スンマセン、いい加減な説明で)
これは、仕込みタンクからお酒を搾る 槽 。
美味しい酒粕はここから取れるワケです。
我が家でも、毎朝の味噌汁は粕入りで、やっぱ久保本家さんの粕は上手い!
さてさて。
「手酛」から3時間ほど経ったら、今度は・・・
待ってましたー!!
酛擦り(もとすり)!!
日帰りで帰れる時間のギリギリではあったけど、
”1番櫂”(最初の酛擦り)に間に合って良かったー!
だって!せっかく来たんだから、これは見ておかないと!
と言うくらい、楽しみにしてたのだ!
初めて見るこの作業・・・蔵人さんたちの動きが早くてブレる!!
シーンとひんやりした空気の中で、
3人が息を合わせて擦ってる動きとか、
ザッザッ!ってリズミカルに聞こえる音が…
何ていうんだろう、うっとりする、というか見とれちゃう。
けど!!
擦ってる蔵人さんにとっては、すっごい体力使うんだろうなぁ。。。
動画もちょびっと撮ってみました。
なんとかかっこいい写真が撮れないもんか?!
と思えど、接写すると、やっぱりブレる。
ちなみに、さいとうさん以外の5人が本当の蔵人さん。
みんな丸坊主です。女性の蔵人さんも丸坊主です。でもかっこいい・・・
しばらく「ザッザッ!」とやってると、
加藤杜氏の一声でストップ。
櫂(擦るための木の道具)を持ち上げて、
お米の擦り状態を確認して、再び「ザッザッ!」
この大きな桶が4つ。
3人で2桶ずつ酛擦りをやるわけだけど、ほんっと真剣。
作業を見てて、また気持ちが良かったのは、
こうやって、きちっと整えているところ。
ちなみに、この「酛擦り(もとすり)」は、
この後も夜通しで3回(~4回?)繰り返されるわけで、蔵人さんにとっては徹夜作業。
ほんっと体力勝負、すごいなぁ。。。
本当は一晩、泊まってお手伝いしていきたかったけど・・・
夜の宴会も参加したかったけど・・・
すっごい帰りたくなかったけど・・・
平日だし相方の晩御飯も作ってあげないと可哀想なので、
夕飯に間に合うように帰宅すべく、
泣く泣く、ここで、さようなら。
最後に、加藤杜氏に抱っこしてもらいました!
最初は照れくさそうにしてたけど、もうすっかり馴染んじゃって。
手伝いもしないで見学してただけなのに、、、
本当にありがとうございました!!
そして、”蔵人” として蔵案内してくれたさいとうさん、
偶然!この日は蔵に来ていて付き合ってくださった
小森谷さんとヒカリさんにも感謝です(>_<)!!
あと!
東京にいた時に飲み友達だった、ゆきちゃんに会えたことも(>_<)!
なんというか。。。
さいとうさんの、ひょんなジョーダンみたいな一言から
今回の久保本家酒造さんの訪問がトントンと進んだけど、
こうして会いたい人にいっぱい会えたことが何より嬉しい。
あぁ・・・もう今でも胸いっぱい。。。
というわけで。
今回は「真面目な蔵見学」ヴァージョン。
これだけじゃ、この日の楽しさを描ききれなかったので、
次は、さいとうさんメインの「おちゃらけ?蔵見学」ってことで(笑)、
続編ありです。
子供みたいに「きゃっはー!」って言えないところが辛いです(笑)。
神戸はほんっとにあちこち近くて素敵です。
と言っても、よくよく考えたら、東京も2時間で行ける場所はいっぱいありますよね。
個人的にはもう行き尽くした感がありますが(笑)。
関西で本当に第3の人生が始まった感じです。
(第1=実家、第2=東京)
神戸、二時間圏に大阪、京都、奈良、四国、中国、九州といいですね。
早速修正しました~。
>そんなこというの他におらんわ!
純米大吟醸のタンクをクンクンしながら、
みんなで(小森谷さん、ヒカリさん、さいとうさん)同じこと言ってました(笑)。
1番櫂が終わったら、蔵人さんが早速一個一個洗って鍋に入れてました。
酒蒸しにしたのかなぁ~。
美味しそうな匂いのする中帰ったので、レバペにはお目にかかれませんでした。。。
でも、そーなんですよね、普通は入れませんもんね。
来れただけてもありがたいです。
それと、「桶買い」は買う方の大手さん側の物言いだから、「桶売り」に直してくだされ♪
賄いができなくても齋藤さんならやってくれるかもって思い。
レバぺも一緒。
仲がよいというより、
「母親が自分の趣味に息子を連れ回してるだけ」というか(笑)。
昔はアルバムをみて自分お幼い頃を見ていましたが、
今はこういう便利がツールがありますもんね。
ほんっと、大きくなったらどんな反応するんだろう?!