「 剣山山頂から続く尾根の道 」
森川 雅昭さん 撮影
この間の大型連休は、海外客も多かったが観光地は旅行者で埋め尽くされた。中国では
20億人が連休には動くという。なんで人はこんなに旅行をしたがるのかと毎年その時期
になるといつも思わされる。
古代、人類は小さな群れを成し食料と安住の地を求めて移動して生活していたという。
そのDNAが受け継がれているのか、人々は一定期間を置いて旅に駆り立てられるという。
一定の所にいてもやがて食料は枯渇し、外敵に発見されて危険になったりすると他の場所に
移動せざるを得なかった。同じ所に長くは留まることは出来なかった訳だ。
それが人間の性として心の奥に残ったのかもしれない。
しかしその移動のおかげで、必要に迫られ様々な知恵を身に着け発達し、移動手段や道具を
作ることも覚えたし、他集団との交流が広まり一気に知識が増え情報も集まり、安住の地を
見つけ定住できるようになった。
そして食料を得られて、安全な場所に定住出来るようになると急激に知恵が発達し知的になり、
未知への好奇心が芽生えてきたという。
この土地を求めて動くという本能が残って、人間の心の奥に時々旅をしたい、動きたいという
衝動を起こさせるのだと言われている。こうした流れのメカニズムが、いまだに人をして旅行に
駆り立てるのだという説が定説なようだ。
旅にはあまり積極的になれない私などは、さしずめこの人間の本能が希薄で、知性とか好奇心とか
生きるための力強さなどがきっと弱いのだろうか。