節約志向や環境意識の高まりなどから、顧客の関心が強まり、さらなる成長が期待されているリユース市場。一方で、参入企業は自社の現状と市場の先行き見通しをどのように捉えているのか-
帝国データバンク(TDB)では2010年2月、リユースビジネスを行っている主な2,243社にアンケート調査を実施し、参入企業の動向と市場の先行き見通しなどを探った。アンケート調査の主な結果は以下のとおり。回答・分析社数は649社。
(注)リユースビジネスには、
「B to C」事業=「個人向け」
および
「B to B」事業=「法人向け」
が存在し、顧客の違いにより市場の動向が異なる可能性があると考えられる。
そのため、参入企業および市場の動向の分析は、年商規模別を除き、「個人向け」、「法人向け」に分けて行っている(分析企業の顧客対象の割合は調査概要-分析企業属性のとおり)。
■調査結果
1.売上高、「個人向け」は拡大、「法人向け」は減少・横ばい
「個人向け」は「増えている」が38.5%で最多も、「法人向け」は「減っている」が4
1.8%で最多。低迷する「法人向け」に比べ、「個人向け」の拡大傾向がうかがえる。
2.今後の売り上げ見通し、「個人向け」は拡大も「法人向け」は慎重に
「個人向け」は、「増える」が42.9%で最多。「法人向け」は「横ばい」(46.3%)が「増える」(36.3%)を上回り、「個人向け」に比べると慎重な見通しとなった。
3.年商規模別の売上高と見通し、小規模企業ほど減少割合が高い
市場拡大の要因は大手企業によるものとみられ、中小零細事業者にはやや逆風の状況にある。
4.市場の先行き見通し、拡大見込むも景気の落ち込みを懸念
「個人向け」(39.8%)、「法人向け」(31.7%)ともに「拡大する」が最多だが、「横ばい」もそれぞれ3割近くを占めており、さらに景気が落ち込んだ場合の売り上げ低迷に懸念を示した。
5.市場の活性化に必要なこと、「新品市場の活性化」がトップ
3割が「新品市場の活性化」を望み、そのほか「イメージアップ」、「同業他社との連携」が続いた。
■調査概要
「リユース(中古品)ビジネスに関するアンケート調査」概要
【調査方法】調査票郵送による回答選択・記入式
【調査期間】2010年2月22日~3月12日
【調査社数】2,243社
※調査開始までに、TDBの信用調査で「リユース品、中古品」の取り扱いを確認した企業
【調査票回収数】737社(回収率32.9%)
※うち、「現在は参入していない」と回答した企業数:88社
【分析対象社数】649社
※ただし、未回答、非公表の企業は算出対象から除外(3.年商規模別の売上高と見通しを除く)したため、母数は設問ごとに異なる。
【分析企業属性】
帝国データバンク
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