写真の女の子のあまりの可愛らしさに、つい手にとった本。
この女の子の家族は、床屋さんを営む両親とお兄ちゃん、妹、生まれて間もない弟そして子犬と猫だった。
お父さんの鈴木六郎さんは、子煩悩で写真が大好きで、子どもたち一人ひとりにアルバムを作り、日常の家族のスナップを撮るのを楽しみにしているような人だった。
でも、この写真の家族は、原爆で全滅した。
著者がある展示会場でお父さんの写真の存在を知り、生き残った親戚から丁寧に聞き取りを重ねてこの本が出来たのだ。
こんなに天真爛漫な子どもたちが苦しみながら亡くなっていったなんて・・・・。
たった一人息のあったお母さんも、家族全員が亡くなったことを知った日、自ら井戸に身を投げたのだそうだ。
明日も明後日も家族の生活はずっと続くと思っていたのに、突然未来を奪われてしまった人たちの無念を想う。
同じ過ちを決して繰り返してはいけないと、この子どもたちが伝えている。