ぼちぼち日記

シニアの暮らし方や思い、猫たちのことなどをマイペースで記録しています。

「かくされてきた戦争孤児 」 著者:金田茉莉

2020-08-14 22:19:33 | 
フランスでは戦争孤児に対して遺児年金があり、教育、福祉などについてじつに厚遇されています。同じ敗戦国のドイツでは「負担調整法」という制度があり、戦争被害を受けなかった国民は私有財産を提供し、「国民のすべてが戦争責任を平等に負担する」という信条で、国内外の戦争被害者に補償、救済をしています。
日本の場合
軍人と軍属に対してはいちはやく補償を行い、戦死者の遺族の孫やひ孫にまで弔慰金が支給され、現在まで60兆円という膨大な額の国家予算が使われています。
ところが、同じように戦争で殺されても、空襲死者やその遺族に対しては、現在に至るまで国家補償はゼロ円です。
・・・・戦争を知らない人は、自分の身の上に起こるはずはない、と思うかもしれませんが、戦争になれば何が起きるかわかりません。私たちも、まさか自分が孤児になるとは夢にも思っていませんでした。先の戦争で12万人以上が戦争孤児になっています。誰が孤児になるか。その「まさか」が起きるのが戦争です。戦争は小さい事変から拡大していき、誰も止められなくなる。それは歴史が証明しています。戦争が始まってしまうと、悔やんでも遅いのです。「もし我が子が戦争孤児になったらどうなるだろうか」を一度考えてください。私達孤児の話は過去の話でなく、未来の子どもたちの問題でもあります。未来の子どもたちが不幸になるかどうかは、現在生きている大人の肩にかかっています。

戦争孤児である著者の体験談をはじめ、多くの孤児たちの証言に圧倒される。野坂昭如さんの『火垂るの墓』に出てきた主人公の少年と妹の姿は、まさに戦後孤児となった子どもたちの日常であった。
大人から虐待され、搾取され、ゴミのように処分されていった事実に胸を衝かれる。
明日は終戦記念日。一人でも多くの人にこの本を読んでほしい。

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