明け方4時。皿に入れてやったチュールを美味しそうに食べた。
力尽きてシートに転々と失禁しているが、その前までは何とかトイレに行こうとしていたのだ。
水が溜まって肺や心臓まで圧迫しているからのけぞっている。このほうがまだ息がしやすかったのだろう。
さすって声をかけるが口を開けて苦しそうに呼吸するばかりだった。
ただ見守るしかないのが辛かった。
7時55分。少し痙攣して、その後は静かに呼吸が止まる。
相当苦しかったはずだけれど、鳴きも騒ぎもしない立派な死だった。
仕事を休み、以前お世話になった霊園へ、こうじと一緒に向かう。
こうじの好きだったおやつと花を乗せて。
こうじが焼かれる間、待合室では霊園の看板猫がずっと寄り添って慰めてくれた。
こうじ。
ニンゲンに甘えることを知らずに生きてきたけれど、最後の数日は身体をなぜるとゴロゴロと小さく喉を鳴らしていた。
きっとこの家に縁があったんだよね。
あなたのことを忘れない。
立派な家族の一員だからこれからもずっと一緒にいよう。