「死」は他者のものと書いた。
その他者の中に、死にゆく者の本当の最後を見届けなければならない者がいる。
みーちゃんが死んだ時、霊園の職員さんと一緒にみーちゃんを紙の棺に入れ、花を手向け手を合わせた。
そこで終わりならありがたいのだけれど、その先に最も重要な行為が待っていた。
火葬するための点火ボタン。
職員さんは押さない。
点火するのは他人ではなく家族だ。
亡骸であるとわかっていても、自分がそれを押すことの精神的な負担は言葉にならない。
大切な時間を共に過ごした者の肉体を自分が消滅させてしまう。
自分が別のものに変えてしまう・・・。
その重圧。
ボタンを押す瞬間は覚悟がいる。
何度経験しても慣れることはないけれど、
これからもその覚悟をもって、見守っていこうと決意する。