旅の途中で

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星の王子様

2005年09月02日 23時49分55秒 | 
ぶらっと入った本屋さんで、「星の王子様」が平積みされていた。
そういえば、星の王子様の版権が切れるとかで、今年新訳で出版されるって聞いたなと思い手に取る。訳者は池澤夏樹。彼の短編集を読んだことがあって、すごく文章の綺麗な人だと思っていた。
そしてそのままレジへ持っていった。

「星の王子様」と言えば皆大好きな童話だし、私も例にもれず大好き。えーとたぶん英語版で3冊くらい?あるんじゃないかな。なんか海外旅行先の本屋さんで、ふと買うことが多くて。

もちろん日本語でも子供の頃から繰り返し読んできた本だ。
読むたびに新鮮な驚きがある。池澤さんの簡潔でわかりやすい訳のおかげで、すんなりとその世界に入っていける。

星の王子様の中に、バオバブという大きな木が出てくる。子供心に強烈に印象深かったせいか、私はいつかバオバブを見るために、マダガスカル島に行きたいと思うようになってしまった。思いっきり影響を受けている。

この話の中で特に好きなのは、王子様がきつねと出会うシーンだ。
「僕を飼いならして友達になって」と言うきつね(飼いならすっていう表現も、とても奇妙でおもしろい)が、友達になるとどんなに素晴しいかを力説する。


 あそこを見ろよ!あれは小麦畑だろ?おれはパンは食べない。小麦なんかおれには無用だ。・・・(中略)・・・でもきみは金の髪をしている。きみがおれを飼い慣らしたらどんなに素晴らしいだろう! 小麦は金色だから、おれは小麦を見るときみを思い出すようになる。小麦畑を渡る風を聞くのが好きになる……
(一部抜粋)


こういう感覚をずっと持ち続けられたら幸せだよね。
私は、年寄りになるまでに何冊の「星の王子様」を買うのかなぁ?
そして読むたびに新しいシーンが好きになるんだろうね。
王子様は言う

…星がきれいなのは、見えないけれどどこかに花が一本あるからなんだ…

あ、そういえば「ラピュタ」の歌にもあったなー
♪あの地平線 輝くのは どこかにきみを 隠しているから ♪

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作者のサン・テグジュペリは他にもたくさん本を出している。私が読んだのは、「夜間飛行」と「人間の土地」どちらも飛行気乗りの話だ。
テグジュペリ自身飛行機乗りで、どれだけ空を愛していたかは、これらの本を読むとよくわかる。

彼は最後まで空にいた。飛行機で飛び立ってそれっきり行方不明になったのだ。