旅の途中で

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キリコ展

2005年09月19日 17時02分22秒 | アート
大丸ミュージアムで開催中の「キリコ展」を見てきた。
シュルレアリスムの先駆者で巨匠のキリコ。彼の絵を語るのはひじょーーーっに難しい・・・
マネキン化された人物たち、その人物に張り付くように描かれたコンパスや定規のように見える物体。背景にはがらんとした空間と、誰も人が住んでいないような建物・・・

彼のような画法を「形而上絵画」と呼ぶ。簡単に言えば、具象的なモチーフを描いて、そこから具象を超えたイメージを表す。
まあそんな感じ(苦笑)。
確かに、マネキンだったり建物だったりと、描くものは具象なんだけど、それらを組み合わせて不思議な空間を作り出している。

無機質なものを描きながらも、そこにはパッと見て共感できる何かがあふれている。
2体ののっぺらぼうのマネキンが抱き合っているだけで、そこから悲しみや愛情と言った人間らしい感情を読み取れる。
さらに、殺風景な舞台が逆に、余計なものをそぎ落としたギリギリの感情を際立たせている。

キリコはイタリアで生まれた。それを聞いて絵を見ると、なるほどな・・・と思う。それは、窓のたくさんついた白い壁の建物がイタリアを連想させるのかもしれない。あと色使い。オレンジや黄色や赤、緑をはっきりした色彩で描いているあたりにイタリアっぽさがありそうだ。
さらには拳闘士や古代ローマ人のような衣装にも現れている。