長野まゆみさん著「月の船でゆく」を読んだ。
彼女の作品は何冊か読んでみたけど、この作品は今まで読んだのとずいぶん印象が違う。非現実的なイメージは一緒なんだけど、なんだろう、もっと生々しいものを感じる。
17歳のジャスという少年が、ティコという不思議な少年と出会うことから、物語は始まる。
ティコが父親のために選んだ手袋のプレゼントや、回転木馬が出てくるところは一見童話的だけど、これは決して子供が読んでわかる話ではないだろう。
生々しいと書いたけど、それはジャスとティコの間や、ジャスをとりまく複数の女性達に性的なものを感じるからだろう。
以前読んだ彼女の作品はもっとファンタジー的だったのが、この作品ではリアルな人間同士の交流になっている。
リアルといっても、物語自体はリアルとは程遠いものになっている。
起承転結なんてないし、結局何がどう解決したのかしてないのかわからないままに、物語は幕を閉じる。
特に誰も精神的な大成長をとげたわけではなさそうだし(笑)ハッピーエンドなのかそうでもないのか、これからどうなっていくのか、すべては読者に投げ与えられて本は最後のページを迎える。
自分を月から来たというティコのように、とらえどころのない、しかし読み始めると物語の世界に捕らえられてしまう本だった。
のち
彼女の作品は何冊か読んでみたけど、この作品は今まで読んだのとずいぶん印象が違う。非現実的なイメージは一緒なんだけど、なんだろう、もっと生々しいものを感じる。
17歳のジャスという少年が、ティコという不思議な少年と出会うことから、物語は始まる。
ティコが父親のために選んだ手袋のプレゼントや、回転木馬が出てくるところは一見童話的だけど、これは決して子供が読んでわかる話ではないだろう。
生々しいと書いたけど、それはジャスとティコの間や、ジャスをとりまく複数の女性達に性的なものを感じるからだろう。
以前読んだ彼女の作品はもっとファンタジー的だったのが、この作品ではリアルな人間同士の交流になっている。
リアルといっても、物語自体はリアルとは程遠いものになっている。
起承転結なんてないし、結局何がどう解決したのかしてないのかわからないままに、物語は幕を閉じる。
特に誰も精神的な大成長をとげたわけではなさそうだし(笑)ハッピーエンドなのかそうでもないのか、これからどうなっていくのか、すべては読者に投げ与えられて本は最後のページを迎える。
自分を月から来たというティコのように、とらえどころのない、しかし読み始めると物語の世界に捕らえられてしまう本だった。
のち