旅の途中で

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クロスファイア

2005年09月27日 22時40分26秒 | 
宮部みゆき作品のベストスリー投票に参加させて頂いた時に、最後まで悩んで結局泣く泣くはずした作品。
火車・龍は眠る・蒲生低事件、そしてこのクロスファイアの4つが最後まで争ってたんだけど・・・

この物語には、見るだけで何でも燃やすことができるという、超能力を持った女性が主人公として出てくる。

まるで正義の味方にでもなったかのように、残虐な犯罪者を追い回し焼き殺す様は、うっかりすると読み手に爽快感さえ与えてしまいそうだ。それだけ彼女に対する思い入れが強くなってしまう。
そして、こちらが強く思い入れてしまうほど、彼女は自分の信念に忠実に裁きを下していく。
しかしその行為とはうらはらに、どこか頼りなげで不安定で、そして孤独・・・

そんな彼女に明るい未来など用意できるわけもなく、ラストはなんともせつないんだけど、そうするしか方法はないよね・・・と納得せざるを得ない。

 のち