旅の途中で

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なつかしマンガ

2005年09月07日 22時52分09秒 | 
先日、てけてけちゃんに「サイファ」を借りて読んだ。
いやー懐かしかった。えーと、中学生くらい?サイファがすごく私達の間で流行ってた時に読んだんだよねー。いろいろと印象深い作品で、大人になってからもなんとなく思い出すことがあった。

で、読んでみた感想だけど・・・てけてけちゃんのブログを読んでみると、「大人になって読み返すとまたイメージも変わった」みたいに書いてるけど、私は昔と一緒だったよ・・・なに?もしかして成長してない?(^^;

昔から私はシヴァが好きだった。
作品には、双子のサイファ(主人公)とシヴァの兄弟のそれぞれの葛藤や悩みが出てくる。子供の頃からみんなに好かれるサイファに比べて、感情表現の下手なシヴァは、自分は誰かにとって一番大切な存在になれないんだと思っていた・・・

なんかね、こういう感情がよくわかるというか。初めてこの作品を読んだ時も、シヴァの心に深く共感して同情してた。そしてそれは、大人になった今も変わらなかった。
正直言ってしまえば、主人公のサイファは私にとっては脇役だった(笑)シヴァの心の動きこそが重要な作品のテーマだった。

もちろんサイファも悩んで傷ついていく。決して明るいだけの愛されるキャラではないんだけれども。
作者の成田さんが、サイファのことをわかるのは大人になってからかもしれない。みたいな意味のことを書いてらっしゃった。
うん、確かにそうだろうな。つまり私はまだ精神的に青いんだなー(^^*

ひとつだけ、大人になって新しい感動をもらった。
それは物語の舞台となったニューヨークだ。数年前にニューヨークに行ったことのある私は、すっかりこの町の魅力にとりつかれた。

もともと、アメリカなら西海岸よりも東海岸派。
カリフォルニアの明るいイメージがどうもしっくりこない私は、ヨーロッパのイメージが色濃く残る、影のイメージがあるニューヨークに惹かれていた。
実際に訪れたこの街は、真冬だったということもあって、どんよりと曇った空に高層ビルが林立し、その足元にはボロボロの建物がはいつくばった、想像通り光と影がごちゃまぜになった世界だった。

ごちゃごちゃと漢字の看板がぶら下がる中国人街の後ろにツインタワー(今はないね・・・)がそびえている光景が、ニューヨークをあらわしていると思った。
ウォール街では昼間からお寿司を食するビジネスマンであふれかえり、そのすぐ隣にはチャイナタウン。ブロードウェイは深夜までにぎやかで、5番街には高級ブランド店が立ち並ぶ。
都会の中とは思えないような緑の多い広いセントラルパークでは、その周辺に住む上流階級の人たちがジョギングにはげむ。ジョン・レノンの碑や巨大なメトロポリタン美術館まで公園の中にある。
貧困層の住むハーレムの教会では、黒人による力強いゴスペルを聞いて感動した。

本当になんでもありの混沌とした街だ。映画「ブレードランナー」そのまま。

自分が行った場所が、その空気まで再現されるような、「サイファ」の緻密なニューヨーク描写は、子供の頃には知らなかったリアルさで、作品を楽しむことができた。

アメリカといえば、ニューオリンズの水害は大変だね。
あの街も一度は訪れてみたかった街。複雑な気持ちでニュースを見た。