旅の途中で

絵のこと音楽のこと本のことetc・・・趣味全開でスケッチスケッチ!

2005年09月28日 22時46分43秒 | 
私がミステリ・推理物の本が好きだっていうのは数日前に書いたけど、日本人の最近の作家だと、ほんとに宮部みゆきさんくらいしか知らなくて。他に面白い人いないかなぁと探して見つけたのが東野圭吾さんと、タイトルに書いた「顔」という本の作者である、横山秀夫さんだ。

横山秀夫さんといえば、有名なのは「半落ち」になるかな。この作者の本を全然読んだこと無かった私でも、「半落ち」は映画で話題になったので知っていた。

で、とりあえずと手に取ったのが「顔」。まったく内容を知らずに読み始めてみると、犯人の似顔絵描きを得意とする婦人警官が主人公だ。なんか新しいタイプだなーと、俄然興味が湧いてきた。
勘の鋭い婦人警官が、似顔絵描きという特技を生かして事件を解決していく。
でも、単なる推理物じゃない。人の心の動きも細やかに繊細に描かれていて、普通に物語として深くなっている。

「宮部さんと同じタイプの作家かも」というのが、読み始めてすぐに思った感想だった。
宮部さんもトリックと同じくらい、いや、それよりもっと人間の心の問題に重点を置いているように思えるけど、横山さんの作品にも同じ気持ちが感じられる。

「顔」は主人公が魅力的だ。主人公は決して格好いいヒロインじゃない。
過去に過ちをおかした傷を背負い、復活した後も仕事で失敗したり落ち込んだり、トラブルに巻き込まれたりと忙しい。でも、まるで自分から傷つきに行っているかのように、事件に積極的に真剣に取り組む姿に励まされる。

警察という組織の内部事情を、細かく書いているのもおもしろかった。
細かい部署に分かれていて(広報部なんてあるんだ・・・)、ほんとにひとつの会社みたい。

それにしても横山さんは男性なのに、女性の心理がよくわかるようだ。主人公の心の動きに、同性から見ても全然不自然さを感じない・・・
これはちょっと、これから要チェックだ。ちょうど「半落ち」が文庫化されて平積みになっていたから、次はそれを読んでみようかな。

のち