
【ライフシフト2】4822
アンドリュー・スコット&リンダ・グラットン氏の心に響く言葉より…
新型コロナは、世界で5歳未満の人口より65歳以上の人口のほうが多くなりつつある時代に人類がはじめて経験したパンデミックだ。
また、死亡率が年齢とともに上昇する病気の流行は、高齢化時代における社会と経済の弱点を改めて浮き彫りにした。
本書では、テクノロジーが急速に変化するなかで長い人生を生きる私たちにとって、健康、スキル、人生の目的、雇用、人間関係を維持することがいかに重要かを強調した。
私たちがそのような生き方を実践するには、もっと柔軟な動き方とキャリアの道筋を選べる必要がある。
こうした側面で日本社会に大きな変革が求められていることは、以前から指摘されていたしこれまでに進歩もあった。
それでも、長寿化の進展とテクノロジーの進歩がもたらす試練に対処するにはまだ十分とは言い難い。
しかし、今回のパンデミックが変革を加速させる可能性があると、私は考えている。
その理由は、以下の3つだ。
《パンデミックが変革を加速させる3つの理由》
第一に、新型コロナが社会のあり方を激しく揺さぶったことで、現状維持の力が弱まった。
そうなれば、おのずと変革を推進しやすくなる。
第二に、多くの人が指摘しているように、いま日本は経済成長を強く必要としている。
これは、コロナ対策で政府の債務が膨張したこと、そして飲食や観光などの主要産業が大きな打撃を被ったことが理由だ。
長寿化の進展とテクノ ロジーの進化を経済成長の原動力に転換しなくてはならないのだ。
第三に、パンデミックは、 変革を加速させると同時に、個人、企業、国にとって、将来のリスクへの対応力を試すストレス・テストの機会になり、変化に適応するための学びの機会にもなった。
では、日本社会のストレス・テストの結果はどうだったのか。
テクノロジーの面では、日本はすでに世界で最先端のロボット技術をもっており、とくに製造業では、それが年長の働き手の生産性と雇用を維持する切り札になってきた。
その一方で、感染拡大によりバーチャル化が加速するなかで露呈したのは、多くの日本企業 が「デジタル化」で後れを取っているという現実だった。
たとえば、イギリスとアメリカではリモートワークが生産性に悪影響を及ぼした様子はないが、日本では生産性が低下したというデータがある。
日本企業が柔軟な働き方の恩恵に浴したいと思うなら、すでに実現させた変化をさらに徹底し、働き方をもっと変えなくてはならない。
それに対し、健康と長寿の面での状況は、(少なくとも私がこの文章を書いている時点では) テクノロジーの面よりも良好だ。
人口比で見ると、新型コロナによる死者数は、アメリカとイ ギリスは日本の16倍、ドイツは9倍に達している。
もっとも、日本が現時点で出生時平均寿命が最も高い国であることを考えれば、これは意外なことではないのかもしれない。
《はっきりわかったこと――お金より健康が重要》
日本が平均寿命を大きく延ばしたことの価値は大きい。
今回のパンデミックで私たちが痛感させられたことのひとつは、健康の大切さだった。
2020年、日本のGDP(国内総生産) は5%縮小した。
これは、感染拡大を受けて人々の行動が変わり、政府が人命を救うための措置を講じた結果てある。
お金は確かに重要だが、人々はそれ以上に健康を重んじているのだ。
その意味で、長寿化に関して日本が成し遂げた進歩は称賛すべきものと言える。
しかし、長寿化で目覚ましい成果を挙げたからこそ、日本はいっそう経済のあり方を大きく変える必要に迫られている。
人々がただ長く生きるだけでなく、長く生産性を保ち続けるため に、それが不可欠なのだ。
いまどの国でも高齢者人口が増大しているが、そのペースが日本ほど速い国はない。
日本は世界のどの国よりも、長寿化と健康の改善を経済成長に結びつけ、いわば「長寿の配当」を経済面でも獲得する必要がある。
60歳を超えた高齢者の雇用を増やすだけでは十分でない。
いまから最も長く生きて、テクノ ロジーの影響により生活と仕事とキャリアが大きく変貌する可能性が最も高いのは、若い世代 だ。
「長寿の配当」を実現するには、新しい人生のあり方を構築することが求められる。
人々が長い人生を金銭面で支えるために、長期の職業人生を送れるようにし、健康な人生を生きるために、柔軟な働き方とキャリアの道筋を選べるようにする必要がある。
具体的には、人々がスキ ルを錆びつかせず、アップデートする機会を用意し、子どもと老親の世話をする時間を確保できるようにしなくてはならない。
ひとことで言えば、本当に大切なものを重んじて生きるために、バランスの取れた生き方を実践できるようにすべきなのだ。
『ライフシフト2 100年時代の行動戦略』東洋経済新報社
https://amzn.to/3IeN6IZ
本書のあとがきにはこんな文章があった。
『政府、企業、教育といった既存の制度は、私たちのニーズに応えられているとは言い難い。
この事実は、やがて激しい苛立ちを生むだろう。
その半面、逆説的に聞こえるかもしれないが、 制度が現実に追いついていない状況は、人々の自己表現と協働の可能性を大きく広げる面もある。
そこで、政府や企業や教育機関が指針を示すことを期待するのではなく、つねに社会を見渡して、革新的な取り組みを探すほうが理にかなっている。
そのような新しい生き方が強く求 められる時代が訪れつつある。
これからは、誰もが過去の世代とは異なる思考と行動をするようになるからだ。
思考と行動を変えようとしない人は、様変わりした世界、大きく変貌を遂げつつある世界に対応する準備ができない可能性が高い。
本書の主要なメッセージは、人生が長くなる半面、人生で多くの移行を経験するようになる結果として、ひとつひとつの活動の期間やステージが短期化するということだ。』
長く生きるということは、長くお金がかかるということだ。
生きるための最低限のお金が必要となる。
そのためには、年金の必要性はもちろんだが、本質的にはどれだけ長く働くことができるか、が問題となる。
これはボケないで、健康で長生きするためのほぼ必須の条件だ。
あたりまえだが、長く働くには、時代の変化に合わせることが必要となる。
現代でいうなら、ITやDXといったデジタルテクノロジーの変化に如何に合わせていけるか、ということ。
時代の変化のスピードがますます加速化している。
これは、個人もそうだが、会社も、政府も、地方自治体もすべてにわたって後手後手となっているのが現状だ。
だからこそ、そこにビジネスのニーズやシーズが隠されているともいえる。
思考と行動を常にアップデートし、この「人生100年時代」を生き抜きたい。
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アンドリュー・スコット&リンダ・グラットン氏の心に響く言葉より…
新型コロナは、世界で5歳未満の人口より65歳以上の人口のほうが多くなりつつある時代に人類がはじめて経験したパンデミックだ。
また、死亡率が年齢とともに上昇する病気の流行は、高齢化時代における社会と経済の弱点を改めて浮き彫りにした。
本書では、テクノロジーが急速に変化するなかで長い人生を生きる私たちにとって、健康、スキル、人生の目的、雇用、人間関係を維持することがいかに重要かを強調した。
私たちがそのような生き方を実践するには、もっと柔軟な動き方とキャリアの道筋を選べる必要がある。
こうした側面で日本社会に大きな変革が求められていることは、以前から指摘されていたしこれまでに進歩もあった。
それでも、長寿化の進展とテクノロジーの進歩がもたらす試練に対処するにはまだ十分とは言い難い。
しかし、今回のパンデミックが変革を加速させる可能性があると、私は考えている。
その理由は、以下の3つだ。
《パンデミックが変革を加速させる3つの理由》
第一に、新型コロナが社会のあり方を激しく揺さぶったことで、現状維持の力が弱まった。
そうなれば、おのずと変革を推進しやすくなる。
第二に、多くの人が指摘しているように、いま日本は経済成長を強く必要としている。
これは、コロナ対策で政府の債務が膨張したこと、そして飲食や観光などの主要産業が大きな打撃を被ったことが理由だ。
長寿化の進展とテクノ ロジーの進化を経済成長の原動力に転換しなくてはならないのだ。
第三に、パンデミックは、 変革を加速させると同時に、個人、企業、国にとって、将来のリスクへの対応力を試すストレス・テストの機会になり、変化に適応するための学びの機会にもなった。
では、日本社会のストレス・テストの結果はどうだったのか。
テクノロジーの面では、日本はすでに世界で最先端のロボット技術をもっており、とくに製造業では、それが年長の働き手の生産性と雇用を維持する切り札になってきた。
その一方で、感染拡大によりバーチャル化が加速するなかで露呈したのは、多くの日本企業 が「デジタル化」で後れを取っているという現実だった。
たとえば、イギリスとアメリカではリモートワークが生産性に悪影響を及ぼした様子はないが、日本では生産性が低下したというデータがある。
日本企業が柔軟な働き方の恩恵に浴したいと思うなら、すでに実現させた変化をさらに徹底し、働き方をもっと変えなくてはならない。
それに対し、健康と長寿の面での状況は、(少なくとも私がこの文章を書いている時点では) テクノロジーの面よりも良好だ。
人口比で見ると、新型コロナによる死者数は、アメリカとイ ギリスは日本の16倍、ドイツは9倍に達している。
もっとも、日本が現時点で出生時平均寿命が最も高い国であることを考えれば、これは意外なことではないのかもしれない。
《はっきりわかったこと――お金より健康が重要》
日本が平均寿命を大きく延ばしたことの価値は大きい。
今回のパンデミックで私たちが痛感させられたことのひとつは、健康の大切さだった。
2020年、日本のGDP(国内総生産) は5%縮小した。
これは、感染拡大を受けて人々の行動が変わり、政府が人命を救うための措置を講じた結果てある。
お金は確かに重要だが、人々はそれ以上に健康を重んじているのだ。
その意味で、長寿化に関して日本が成し遂げた進歩は称賛すべきものと言える。
しかし、長寿化で目覚ましい成果を挙げたからこそ、日本はいっそう経済のあり方を大きく変える必要に迫られている。
人々がただ長く生きるだけでなく、長く生産性を保ち続けるため に、それが不可欠なのだ。
いまどの国でも高齢者人口が増大しているが、そのペースが日本ほど速い国はない。
日本は世界のどの国よりも、長寿化と健康の改善を経済成長に結びつけ、いわば「長寿の配当」を経済面でも獲得する必要がある。
60歳を超えた高齢者の雇用を増やすだけでは十分でない。
いまから最も長く生きて、テクノ ロジーの影響により生活と仕事とキャリアが大きく変貌する可能性が最も高いのは、若い世代 だ。
「長寿の配当」を実現するには、新しい人生のあり方を構築することが求められる。
人々が長い人生を金銭面で支えるために、長期の職業人生を送れるようにし、健康な人生を生きるために、柔軟な働き方とキャリアの道筋を選べるようにする必要がある。
具体的には、人々がスキ ルを錆びつかせず、アップデートする機会を用意し、子どもと老親の世話をする時間を確保できるようにしなくてはならない。
ひとことで言えば、本当に大切なものを重んじて生きるために、バランスの取れた生き方を実践できるようにすべきなのだ。
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『政府、企業、教育といった既存の制度は、私たちのニーズに応えられているとは言い難い。
この事実は、やがて激しい苛立ちを生むだろう。
その半面、逆説的に聞こえるかもしれないが、 制度が現実に追いついていない状況は、人々の自己表現と協働の可能性を大きく広げる面もある。
そこで、政府や企業や教育機関が指針を示すことを期待するのではなく、つねに社会を見渡して、革新的な取り組みを探すほうが理にかなっている。
そのような新しい生き方が強く求 められる時代が訪れつつある。
これからは、誰もが過去の世代とは異なる思考と行動をするようになるからだ。
思考と行動を変えようとしない人は、様変わりした世界、大きく変貌を遂げつつある世界に対応する準備ができない可能性が高い。
本書の主要なメッセージは、人生が長くなる半面、人生で多くの移行を経験するようになる結果として、ひとつひとつの活動の期間やステージが短期化するということだ。』
長く生きるということは、長くお金がかかるということだ。
生きるための最低限のお金が必要となる。
そのためには、年金の必要性はもちろんだが、本質的にはどれだけ長く働くことができるか、が問題となる。
これはボケないで、健康で長生きするためのほぼ必須の条件だ。
あたりまえだが、長く働くには、時代の変化に合わせることが必要となる。
現代でいうなら、ITやDXといったデジタルテクノロジーの変化に如何に合わせていけるか、ということ。
時代の変化のスピードがますます加速化している。
これは、個人もそうだが、会社も、政府も、地方自治体もすべてにわたって後手後手となっているのが現状だ。
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