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レビューとペルソナ 人の心に灯をともす 5449より 写真はMさんからいただいたプレゼントです(*☻-☻*...

2023年08月27日 | 
【レビューとペルソナ】5449



田中森士(しんじ)氏の心に響く言葉より…


スマホを部屋に置いて知らない土地を歩き回るのが好きだ。

国内であっても海外であっても、気になる店を見つけると、直感を信じて入る。

「当たり」の店と出会うと、何とも言えない幸福感に包まれる。


店の場所を覚えておこうと、部屋に戻ってからパソコンでグーグルマップを開くと、レビューが目に入ってくる。

すると思いのほか評価が低かった、という経験が何度もある。

クレームめいたレビューの文章を読んでみると、「この執筆者はペルソナではないな」と感じられるケースも多い。


レビューを気にしないオーナーならいいが、そうでないオーナーで あれば不幸を招く。

ペルソナ設定をした上での店作りが、無意味となる可能性が高いからだ。


かつて、世の中に存在するコミュニティーは裾野の広いものばかりであった。

メディアの数も限られていた。

誰もが同じ情報に触れ、同じものを楽しむ。

そんな世の中だった。


ところが時代が進むにつれて、格差の拡大と共にコミュニティーが多様化してゆく。

「分断」とも言い換えられるだろう。

結果、個々のコミュニティーのサイズは小さくなった。


一 方で、コミュニティーの数は増え、かつ属する人々の興味・関心が深くなった。

この傾向は 今後さらに進む。


基本的に、一つの事業でターゲットとすべきコミュニティーは一つだ。

かつてはコミュニティーが大きかったため、マスマーケティングでも投資額を回収できた。

ところが、今はコミュニティーのサイズが小さいため、その分、一つの事業で狙える市場規模が小さくなっている。

大企業にとっては難しい時代である。

大企業において社内起業が流行した背景には、コミュニティーのサイズが変わったことがある。


レビューシステムによって、ターゲットとしていない顧客からの批判が目に入るようになった。

一つひとつに対応しようとすると、店の輪郭がぼやけてくる。

大衆迎合的な、特徴のない店となる可能性が高い。


ビジネスに携わる人物であれば誰しも、勇気を持って独自の路線を突き進むべきだ。

倫理観だけ忘れずにいれば、全員に対応する必要はない。

今こそ、顧客を手放そう。

耳を傾けるべきなのは、あなたが長きにわたり付き合っている顧客からのフィードバックだけだ。



『マーケティングZEN』(宍戸幹央・みきお&田中森士)日経新聞出版
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ペルソナとは、もともとはユングの提唱した心理学用語だ。

マーケティングでは、ターゲットとして設定した顧客像をいう。

それは、年齢、性別、住んでいる地域、どんな家に住んでいるか、最終学歴、職業、趣味、年収、家族構成などを具体的に考え、設定する。


これは飲食店だけでなく、どの商売にも通じる考え方だ。

もし、設定した顧客と違う人がお客としてその飲食店や商店に入った場合、評価は低くなる。

しかし、どんなにSNSの評価が低かろうと、長年その場所で経営できているなら、それは固定の顧客を多く抱えているということ。


これは、本でも同じだ。

本の書評に、かなり低い評価とコメントが書かれている場合がある。

それは、その本がターゲットとしているペルソナと違う人が読んでいるということ。

それに、そもそも、本なら全体の中の1ページだけでも、共感するところがあれば、当たりなのだ。

本のページ全部がその人にピッタリ合う、などということはあり得ない。


大事にすべきは…

「長きにわたり付き合っている顧客」という言葉を胸に刻みたい。





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