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【人生は、たくさん覚えているほど豊かになる】5350
渡部昇一氏の心に響く言葉より…
戦後教育の大きな間違いの一つは暗記を軽視したことでした。
「独創性」とか「個性」といった耳障りのいいキャッチフレーズに惑わされて、暗記することの重要性を忘れてしまったのです。
「独創性」や「個性」は蓄積された記憶から生まれるもので、記憶の絶対量が少ないと何も生まれてきません。
数学者として世界的に有名だった文化勲章受章者の岡潔先生は「とにかく十代の頃は反吐が出るほど暗記したほうがいい」とおっしゃっていました。
なぜ、記憶は多いほうがいいかと言えば、それによって「ものの感じ方」が変わってくるからです。
たとえば、目の前に満開の桜を見たとしましょう。
日本人も外国人も、たいていの人はきれいだと感じます。
ここまでは同じかもしれません。
ところが、日本人の多くは「久方(ひさかた)の光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」(紀友則・きのとものり)という和歌を知っています。
すると、その和歌を知らずに見る外国人とでは、同じ桜でも感じ方が違ってくるはずです。
さらに――。
●花の色はうつりにけりないたづらに わが身よにふるながめせしまに(小野小町)
●人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の香(か)に匂ひける(紀貫之・きのつらゆき)
●もろともにあはれと思へ 花よりほかに知る人もなし(行尊・ぎょうそん)
●願はくは花の下にて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月(もちづき)のころ(西行)
●吹く風を 勿来(なこそ)の関とおもへども 道もせに散る 山桜かな (源義家)
こういった和歌が次々に出てきたらどうでしょうか。
和歌だけではなく、俳句や漢詩、童謡にも桜を詠ったものがたくさんあります。
それらを思い浮かべ ながら見たほうが、桜は絶対に美しいし、花見は楽しくなるはずです。
あるいは、草の生い茂った秋の庭を見て「あっ、草刈機で切らなきゃならんな」と思う人もいれば、「我が屋戸(やど)の いささ群竹(むらたけ)ふく風の 音のかそけき この夕べかも」という大伴家持(おおとものやかもち)の歌を思い出す人もいるのです。
情緒や感性というものは、何らかの記憶がないと生まれてきません。
ユダヤ人は総体として知的水準が高いですが、その原因は子どもの頃にタルムード (ユダヤ教の口伝の集大成)を徹底的に暗唱させられるからだと言われています。
ものを覚えること、暗記することは非常に重要なのです。 暗記しているということは、そのことを意識しないでいる時でも、微妙に脳細胞に働きかけ続けているのではないか、と私は思っています。
数学者でも、定理の多くを容易に暗記し、直観の一部ぐらいになっていなければ、独創的な研究には入れないと聞いています。
「子どもの時、お経を暗記させられたことがのちの知力と関係があったのではないか」という主旨のことを瀬島龍三(せじまりゅうぞう)氏(二〇〇七年、九五歳で死去)に聞いた記憶があります。
現代ヨーロッパ人の知力が、つまりゲルマン人と言われた系統の諸民族の知力が最初に開花した感じがするのは、ラテン文法を暗記することから始まった 中世の学校制度のおかげとも思えますし、次いで宗教改革で『聖書』を庶民も読み、それを暗記する習慣が普及したことが、近世ヨーロッパの誕生と脳内的に関係あったと考えてもよいのではないでしょうか。
子どもの知力を伸ばしたいならば、何か暗記させよ。
「般若心経」でも、「百人一首」でも「寿限無」でも。
初老以降の人間が知力を維持したいと思うなら、何か暗記せよ。
英語の諺でも、漢文の名文句でも、唱歌や流行歌の歌詞でも――と言いたい。
『60歳からの人生を楽しむ技術』祥伝社黄金文庫
https://amzn.to/3pUlUug
発想力を鍛える最も基本的な方法は「知識と経験」を増やすことだという。
発想は、知識と知識、それに自分の経験を組み合わせたものだからだ。
何もないところでは、新たな発想は生まれない。
また同様に、知性や教養があればあるほど、人生は楽しめる。
知性や教養がある人は、話の幅が広く、会話が面白くて相手を飽きさせない、つまり、面白い人、興味深い人、また会いたい人だ。
だから、知性や教養があるかないかは、ひとこと話をすればすぐにわかる。
その元にあるのは「語彙力(ごいりょく)」だ。
ボキャブラリーが少ない人は話に深みがなく、薄っぺらになってしまう。
語彙力を増やすのに一番必要なのが「読書」。
「人生は、たくさん覚えているほど豊かになる」という言葉を胸に刻みたい。
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渡部昇一氏の心に響く言葉より…
戦後教育の大きな間違いの一つは暗記を軽視したことでした。
「独創性」とか「個性」といった耳障りのいいキャッチフレーズに惑わされて、暗記することの重要性を忘れてしまったのです。
「独創性」や「個性」は蓄積された記憶から生まれるもので、記憶の絶対量が少ないと何も生まれてきません。
数学者として世界的に有名だった文化勲章受章者の岡潔先生は「とにかく十代の頃は反吐が出るほど暗記したほうがいい」とおっしゃっていました。
なぜ、記憶は多いほうがいいかと言えば、それによって「ものの感じ方」が変わってくるからです。
たとえば、目の前に満開の桜を見たとしましょう。
日本人も外国人も、たいていの人はきれいだと感じます。
ここまでは同じかもしれません。
ところが、日本人の多くは「久方(ひさかた)の光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」(紀友則・きのとものり)という和歌を知っています。
すると、その和歌を知らずに見る外国人とでは、同じ桜でも感じ方が違ってくるはずです。
さらに――。
●花の色はうつりにけりないたづらに わが身よにふるながめせしまに(小野小町)
●人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の香(か)に匂ひける(紀貫之・きのつらゆき)
●もろともにあはれと思へ 花よりほかに知る人もなし(行尊・ぎょうそん)
●願はくは花の下にて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月(もちづき)のころ(西行)
●吹く風を 勿来(なこそ)の関とおもへども 道もせに散る 山桜かな (源義家)
こういった和歌が次々に出てきたらどうでしょうか。
和歌だけではなく、俳句や漢詩、童謡にも桜を詠ったものがたくさんあります。
それらを思い浮かべ ながら見たほうが、桜は絶対に美しいし、花見は楽しくなるはずです。
あるいは、草の生い茂った秋の庭を見て「あっ、草刈機で切らなきゃならんな」と思う人もいれば、「我が屋戸(やど)の いささ群竹(むらたけ)ふく風の 音のかそけき この夕べかも」という大伴家持(おおとものやかもち)の歌を思い出す人もいるのです。
情緒や感性というものは、何らかの記憶がないと生まれてきません。
ユダヤ人は総体として知的水準が高いですが、その原因は子どもの頃にタルムード (ユダヤ教の口伝の集大成)を徹底的に暗唱させられるからだと言われています。
ものを覚えること、暗記することは非常に重要なのです。 暗記しているということは、そのことを意識しないでいる時でも、微妙に脳細胞に働きかけ続けているのではないか、と私は思っています。
数学者でも、定理の多くを容易に暗記し、直観の一部ぐらいになっていなければ、独創的な研究には入れないと聞いています。
「子どもの時、お経を暗記させられたことがのちの知力と関係があったのではないか」という主旨のことを瀬島龍三(せじまりゅうぞう)氏(二〇〇七年、九五歳で死去)に聞いた記憶があります。
現代ヨーロッパ人の知力が、つまりゲルマン人と言われた系統の諸民族の知力が最初に開花した感じがするのは、ラテン文法を暗記することから始まった 中世の学校制度のおかげとも思えますし、次いで宗教改革で『聖書』を庶民も読み、それを暗記する習慣が普及したことが、近世ヨーロッパの誕生と脳内的に関係あったと考えてもよいのではないでしょうか。
子どもの知力を伸ばしたいならば、何か暗記させよ。
「般若心経」でも、「百人一首」でも「寿限無」でも。
初老以降の人間が知力を維持したいと思うなら、何か暗記せよ。
英語の諺でも、漢文の名文句でも、唱歌や流行歌の歌詞でも――と言いたい。
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発想力を鍛える最も基本的な方法は「知識と経験」を増やすことだという。
発想は、知識と知識、それに自分の経験を組み合わせたものだからだ。
何もないところでは、新たな発想は生まれない。
また同様に、知性や教養があればあるほど、人生は楽しめる。
知性や教養がある人は、話の幅が広く、会話が面白くて相手を飽きさせない、つまり、面白い人、興味深い人、また会いたい人だ。
だから、知性や教養があるかないかは、ひとこと話をすればすぐにわかる。
その元にあるのは「語彙力(ごいりょく)」だ。
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