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なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 人の心に灯をともす 4050より 写真はMさんか...

2020年08月20日 | 
【なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?】4050



レストラン ラッセ オーナーシェフ、村山太一氏の心に響く言葉より…


僕は東京の目黒で「ラッセ」というイタリアンレストランを経営している料理人です。

店を開業する前は、伝説のイタリア料理店「ダル・ペスカトーレ」で修行していました。

イタリア国内で最長の26年間三ツ星を保ち続ける、世界最高峰のレストランです。


そのレストランで僕は、ファミリーを除いたトップの副料理長に日本人で初めて就任しました。

また、史上初のシェフ代理として、オーナーシェルの不在時に1週間ほど店を任されました。

たとえるなら、日本人の僕がサッカーのイタリア代表にいきなり選ばれて、毎日ワールドカップの決勝戦を戦うようなものです。

本当に刺激的な日々を過ごしました。


その後2011年に帰国し、今の店をオープン。

半年でミシュランの一ツ星を獲得して以来、9年間にわたり星を保ち続けています。

はたから見れば成功しているように見えたかもしれませんが、実際は長時間労働が常態化し、人間関係は最悪。

経営もギリギリでした。

スタッフは幸せじゃないし、僕も幸せじゃない。

このままではまずい。


そう思って、サイゼリやでバイトして学んだら、人時生産性(従業員1人の時間当たり生産性)が約3.7倍になり、劇的に経営を改善できたんです。

その結果が、こちらです。


●スタッフ1人当たりの年間売上850万円→1850万円(約2.2倍)

●経常利益率 8%アップ

●労働時間 16時間(8時〜24時半、休憩30分)→9時間半(10時間半〜22時、休憩2時間)(約4割減)

●従業員数 9人→4人(効率化により少人数で店を回せるようになった)


生産性がどんどん上がっていくと、ストレスもなくなっていくので、スタッフ同士も仲良しになりました。

僕も、みんなも、どんどん幸せになっていったんです。


その後、さらなる危機が訪れました。

新型コロナが世界中で蔓延し、困難な時代が続いています。

今回の危機で、多くのレストランは大打撃を受けました。

特にキツかったのは、3〜5月の3ヶ月間。

多くの店は自粛や時短で売上が立たず、資金がものすごいスピードで底をついていきました。

名店と言われる星付きレストランでさえも、バタバタと閉鎖に追い込まれていったんです。


僕はいつも、スタッフを幸せにすることを考えています。

絶対に倒産させてはいけない。

赤字にするわけにはいかなかったんです。

そのことだけを考えて、僕は無我夢中で動き続けました。

もちろん、スタッフの命を第一に優先しながらです。


そうしたら、3〜5月が黒字だったんです。

「飲食業界の奇跡だ」とまで言われました。

コロナ禍で黒字を達成できたのは、僕が原理原則を守っていたからだと思っています。

この原理原則に沿っていれば、どんな困難な時代でも必ず生き残れます。

あなただけの幸せを築き、守っていくことができます。


イタリア最高峰のレストランでキッチンを任せてもらえたのも、帰国後にオープンしたレストランがミシュランの星を9年連続で保ち続けているのも、そのレストランの経営改善を続けて黒字体質になってきたのも、僕が毎日楽しく幸せに生きているのも、僕が原理原則を守り続けてきたからなんです。

その原理原則とは、「より良い方向に変化し続ける」ということ。

当たり前のことではありますが、これ、できていない人が多いんです。


それを法則化してみて、気づいたんです。

「これ、必勝法じゃん!」

僕の知っている成功者も、やっていることばかりでした。


その必勝法とは「落とし穴に落ちない」で「最短で成長する」というものです。

具体的には、この2つです。

●サバンナ思考…「危機感×気づき×即行動」のサイクルを高速で回す危機回避術。

●マヨネーズ理論…一流や世界一のやり方をマネして丸パクリするショートカット術。


この2つの必勝法は、全てバカの強みを生かしていくものです。

ちなみに僕がどれくらいバカだったかというと、高校の成績はビリから2番目で、偏差値は37!

学校の宿題はいっさいしませんでした。

好きなことに時間を使うと決めていたので、高校を卒業できたのは奇跡です。


バカって決して恥ずかしいことではないと思うんです。

むしろ、吹っ切れちゃえば強みですらあります。


『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』飛鳥新社




村山氏はサイゼリヤに勤め始めたときのことをこう語る。

『「ミシュランの星付きシェフがバイトに来るって本当かよ?」

2017年4月、サイゼリヤ五反田西口店はザワついていたようです。

それは、僕がサイゼリヤでのアルバイトを始めた日です。

僕はと言えば、人のお店で働くのはMUJI(イタリアからの帰国直後、頼まれて仕事をしていた)に勤めていたとき以来なので、7年ぶり。

初心に返ってワクワクしていました。

「よろしくお願いします!」とその場にいた店長さんやスタッフに頭を下げました。

ツールの置き場所や料理をスムーズに提供する動線など計算されつくしていて、仕組みやマネジメントのレベルが群を抜いていることはわかりました。

何より、僕が衝撃を受けたのは、サイゼリヤには上下関係がほぼないところです。

高校生からシニアまで、さまざまな年齢、立場の人が一緒に和気あいあいと働いているので、「なんなんだ、この楽しい世界は!」と感じました。

僕がずっといた高級店の世界では、「仕事は盗んで覚えろ」が常識。

仕事をロクに教えてもらえないし、先輩は常に上から目線で下にいばり散らしていました。

ところが、サイゼリヤでは高校生でも「こっちのお皿から洗ったほうが早いですよ」なんて教えてくれる。

僕がモタモタしていても怒鳴られることはないし、手を貸してくれる。

働きやすい職場とはこういうものなんだ、と僕は感動のあまり涙ぐんでしまったぐらいです(笑)。

その日の夜、僕は今までの自分の行動を振り返りました。

今までに修行した店では、厳しい職人の世界と言えば聞こえはいいけど、不条理で不合理なやり方がまかり通っていました。

本当は、僕はそんな世界が大嫌いでした。

でも、いつしかそんな思いは忘れてしまっていた。

僕も先輩たちと同じように、スタッフに丁寧に仕事を教えないし、「黙ってオレの言うことを聞いていればいいんだ」的な考えに支配されていました。

その結果、スタッフは委縮していつまで経っても仕事を覚えられないし、僕の顔色を窺うようになっていました。

ピリピリしたスタッフたちがお客様の前で喧嘩して、それが不快だったというレビューがグルメサイトに投稿されたこともありました。

僕は、それはスタッフのメンタルが弱くて、力量がないからだと思っていました。

しかし、人が定着しない、殺伐とした生産性の低い構造をつくった僕が全部悪かったんです。

スタッフにも幸せな人生を送ってもらいたいと思っていた、かつての僕の理想郷がサイゼリアにはありました。

外の世界に飛び出してみないと、自分のしていることはなかなか客観的に見られないものです。

今の環境とは違う世界に身を置いてみると、たくさんの気づきが得られるのでオススメです。』


飲食のシェフで、これだけの経験を積み、名声を得ているのに、サイゼリヤでバイトをする、という人を絶えて聞いたことがない。

それは、高級店が上で、ファミレスが下だという訳ではないのに、ほとんどの高級店のシェフは客単価の低いチェーン店やファミレスをバカにしているからだ。

しかも、バイトに行った先で、高校生が上司となっても、嫌な顔をせず、「はい、はい」と指示にしたがう。

驚くべき謙虚さと、偉そうにしないその姿勢だけで、この本は読む価値があるかもしれない。


多くの人は、年を重ね、経験を重ね、役職が付いたりすると、偉そうな気になってしまう。

つい、言葉遣いもぞんざいになり、後輩に対して上から目線の命令口調になってしまい、威張るのが常だ。


謙虚に学び、成長し続ける人でありたい。





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